コラム

2022.02.09AI-OCR

インボイス制度を電子化するなら電子帳簿保存法に準じた保存を

2023年10月1日から、「インボイス制度」と呼ばれる新たな制度が始まります。近年、働き方改革や新型コロナウイルスの影響などにより、業務のデジタル化が進んでいるため、適格請求書をデータでやりとりする機会も増えることでしょう。

 

本記事では、インボイス制度や電子帳簿保存法の概要に触れながら、電子インボイスを取り入れるメリットをご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

インボイス制度とは?

「インボイス制度」とは、2023年10月1日からスタートする、一定の要件を満たした請求書や納品書を交付・保存する制度のことです。そもそも「インボイス」とは、「適格請求書」を意味し、インボイス制度の正式な名称は「適格請求書等保存方式」といいます。

 

インボイス制度が始まると、課税事業者は現在使用している請求書を使用できなくなり、代わりに消費税額や消費税率など、新たな項目が加えられた適格請求書を発行することになります。

 

インボイス制度が導入される目的は、取引にかかる消費税額を正確に把握するためです。現在、ほとんどの商品は10%の税率が適用されていますが、「酒類及び外食を除く飲食料品」「新聞の定期購読料」には8%の軽減税率が適用されています。

 

2種類の税率が混在しているため、請求書に消費税を明記する項目がないと、一目で内訳を把握できません。

 

インボイス制度は、税率や消費税額などの記載が義務付けられた適格請求書を使用するため、どの商品にどの税率がかかっているかが明確になります。

 

電子帳簿保存法とは?

「電子帳簿保存法(電帳法)」とは、国税関係帳簿書類や帳簿、領収書、請求書などを電子データで保存することを認めた法律です。本来、国税関係書類・帳簿は紙で保存することが義務付けられていました。

 

しかし、紙資料の管理はコストがかかりやすいことや、時代の変化とともにDX化が推進されるようになったことから、特定の書類や帳簿のみ、電子データでの保存が認められるようになったのです。

 

電子帳簿保存法で認められている保存方法には、「電子データ保存」と「スキャナ保存」の2種類があります。それぞれ適用される書類が決まっているため、データ化する際は、どの書類にどの保存方法を用いるかをきちんと確認しなければなりません。

 

電子データ保存が適用されるのは、国税関係帳簿や決算関係書類、自身が発行した領収書・契約書・請求書・見積書などの取引関係書類です。また、取引相手から受領した取引関係書類には、スキャナ保存が適用されます。

 

 

 

 

 

 

インボイス制度と電子帳簿保存法

インボイス制度で使用する適格請求書には、従来の請求書の内容に加え、「適格請求書発行事業者の登録番号」「税率ごとに区分して合計した対価の額」「軽減対象税率の対象品目」「適用税率」「税率ごとに区分した消費税額等」などの項目を記載します。

 

これまで以上に取引の内訳を詳細に記載しなければならないため、適格請求書の作成や承認、会計処理などの負担が大きくなると予想されます。インボイス制度は、データでの適格請求書の提供を認めているため、業務効率低下などのトラブルを招かないためにも、なるべく電子ツールを用いて作成・保存を行うことが望ましいでしょう。

 

適格請求書をデータでやり取りする際、注意すべきポイントは、電子帳簿保存法に準じたツールを採用する必要があることです。

 

「記録の削除・訂正などの履歴が確認できる」「JIIMA認証を取得している」などの条件が設けられているため、電子インボイスの導入を検討している場合は、きちんと基準を満たしたものを採用しなければなりません。

 

また、海外の事業者などは、電子インボイスの国際標準規格である「Peppol(ペポル)」というツールを採用しているケースが多く見られます。日本でもPeppolをベースにした電子インボイスツールの開発が進んでいるため、ツールや機能の種類を選ぶときの参考にするとよいでしょう。

 

 

 

電子インボイスがもたらすメリット

ここでは、適格請求書をデータで管理するメリットを詳しくご紹介します。インボイス制度の導入によってどういった業務が発生するのか、どのようなツールが必要なのかなどを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

業務の自動化

インボイス制度では、仕入税額控除額を計算するために、数値を会計システムに入力し直す必要があります。適格請求書は従来の請求書よりも記載項目が増えるため、手作業で入力を行うとなると、多くの時間がかかってしまうことでしょう。

 

電子インボイスを導入すれば、データを直接システムに取り込めるため、入力作業や仕入税額控除の計算などの作業を自動化できます。

 

また、請求書を電子データで受け取る際、「取引先によって規格が異なるため、結局は手入力での業務が必要になる」などの悩みを抱える企業は多いでしょう。電子インボイスは、国内で統一された規格を用いるため、イレギュラーな入力業務が発生する心配もありません。

 

 

海外企業との取引も容易に

日本では、すでに世界30ヵ国以上で使用されているPeppolという国際規格をベースに、電子インボイスを開発しています。

 

Peppolは今後、さらに多くの国へ普及していくと予測されており、電子インボイス導入は海外企業との取引の円滑化につながります。もちろん、請求書以外のやり取りも重要ですが、書類作成の手間を削減し、国際取引のハードルを下げるメリットが期待できるでしょう。

 

 

改ざんの心配がない

データは紙書類と違い、数値の変更や修正ができるため、「改ざんのリスクがあるのでは?」と考える方もいるでしょう。しかし電子インボイスは、適格請求書発行事業者情報を付与した電子署名(eシール)など、データの安全性を確保するシステムの導入が検討されています。

 

そのため、データを改ざんされるリスクを抑えつつ、業務効率アップや事務負担の軽減などが期待できるでしょう。

 

 

 

 

AIと二次元ワークフローの組み合わせで電子インボイスに対応

インボイス制度では、消費税額や消費税率などを詳細に明記した適格請求書を作成します。これまでの請求書よりも記載する数値や項目が増えるため、書類作成やそれらの承認などの業務負担が大きくなるかもしれません。

 

場合によっては、電子インボイスの導入に加え、業務効率や生産性などをアップするツールの新たな導入も検討すべきでしょう。

 

株式会社無限では、企業の業務改善に効果的なさまざまなソリューションを提供しています。

 

そのひとつである「AI入力ソリューション」は、AIの技術で入力業務を効率化するサービスです。紙資料を読み込んでデータ化し、必要に応じてデータ補正処理を行ってくれるため、データの正確性を確保しつつ入力業務の手間を削減できます。

 

柔軟性が高く、操作感もシンプルでわかりやすいため、働き方改革や人材不足解消などに悩むさまざまな企業で活用できるでしょう。

 

また「二次元ワークフロー・ソリューション」は、業務プロセスと承認プロセスをつなぎ、スムーズなワークフローを実現するサービスです。電子データで書類のやり取りを行う場合でも、確認や承認、メール送信、システムへの登録などを手動で行っている企業は多いでしょう。

 

二次元ワークフロー・ソリューションは、そのような手動の業務を自動化し、社内の手続きを簡略化できます。業務はすべてクラウド上で行えるため、テレワークや脱ハンコの促進にも役立ちます。

 

 


 

 

 

まとめ

インボイス制度とは、2023年からスタートする「適格請求書等保存方式」という制度のことです。課税事業者は、現在使用している請求書ではなく、消費税率や消費税額などが記載された適格請求書を用いて仕入税額控除を行うことが義務付けられます。

 

インボイス制度の導入後は、書類作成や会計システムへの入力業務などの業務負担が大きくなると予想されるため、電子インボイスの活用がおすすめです。場合によっては、業務効率や生産性をアップするソリューションを併せて導入するとよいでしょう。

 

業務改善や働き方改革などを検討している方は、株式会社無限のソリューションを活用してみてはいかがでしょうか。
 


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