コラム

2024.07.11AI-OCR

無料で使えるOCRソフト10選|活用のメリット・デメリットとAI-OCRについても解説

デジタル時代において、紙の文書をデータ化することは、企業や個人にとって不可欠な作業となっています。そのために重要なのがOCR(光学文字認識)技術です。この記事では、無料で使えるおすすめのOCRソフト10選を紹介し、それぞれの特徴や利用シーン、さらにAI-OCRの進化についても詳しく解説します。OCRツールを活用して、業務効率化を図りましょう。

 

 

 

 

 

OCRソフトとは

OCRソフトとは、画像やPDFファイルに含まれる文字を認識し、テキストデータに変換するためのツールです。画像や手書きの文字を光学的にスキャンし、そのパターンを解析してテキストに変換するOCR技術が使われています。

 

この技術により、紙の書類をデジタル化する際の手作業による入力ミスを防ぎ、作業時間を大幅に短縮できます。また、OCRソフトは文字の認識精度が高く、手書き文字や複雑なレイアウトの文書にも対応するものが多くあります。

 

例えば、請求書や領収書、名刺などの情報を迅速にデジタル化できるため、ビジネスの現場では欠かせないツールとなっています。

 

現在では、無料のソフトから高度な機能を持つ有料のソフトまで、多種多様なソフトが提供されています。
また、近年AIを活用したAI-OCRが登場し、手書き文字や複雑なレイアウトの文書でも高精度な文字認識が可能となっています。この技術は、業務効率の向上やデータ管理の改善に大いに役立ちます。

 

 


OCRとは

 

 

【フリーソフト】おすすめOCRツール10選

本章では、無料で利用できるおすすめのOCRフリーソフトを10個ご紹介します。

 

 

1.Microsoft OneNote

Microsoft OneNoteは、デジタルノートとして利用できる多機能なフリーソフトです。

 

このアプリケーションにはOCR機能が搭載されており、画像内のテキストを簡単にデジタル化できます。特に手書きメモやスキャンした文書をデジタル化するのに便利です。クラウド経由でデータを同期できるため、どのデバイスからでもアクセス可能です。Microsoftアカウントを持っていれば無料で利用でき、多くのユーザーにとって手軽な選択肢となっています。

 

 

2.Microsoft Lens – PDF Scanner

Microsoft Lens(旧称:Office Lens)は、スマートフォンを使って紙の文書やホワイトボードの内容を撮影し、PDFやWord、PowerPoint形式で保存できるアプリです。

 

Microsoft Lensは、名刺やレシート、手書きノートなどをデジタル化し、簡単に整理・検索できるようにします。スキャンしたデータはOneNoteやOneDriveと連携させることで、どこからでもアクセス可能になります。特にビジネスの現場での利用に適しており、無料でダウンロードして使用できます。

 

 

3.Googleドライブ

Googleドライブは、クラウドストレージサービスとして広く利用されていますが、実はOCR機能も搭載されています。多言語対応で、日本語の文字認識精度も高い点が特徴です。

 

また、Googleドライブに保存したファイルは、どのデバイスからでもアクセスできます。無料で利用でき、他のGoogleサービスとシームレスに連携できるのもメリットです。

 

 

4.Googleレンズ

Googleレンズは、Googleが提供する画像認識アプリで、スマートフォンのカメラを使ってリアルタイムに情報を検索できるツールです。OCR機能も搭載しており、カメラで撮影した画像内の文字を瞬時にテキストデータとして抽出できます。例えば、看板の文字を翻訳したり、名刺の情報を連絡先に保存したりできます。

 

Googleレンズは、GoogleフォトやGoogleドライブと連携しており、撮影した画像を簡単に保存・共有可能です。無料で利用できるため、日常生活やビジネスシーンで幅広く活用できます。

 

 

5.Renee PDF Aide

Renee PDF Aideは、PDFファイルを多様な形式に変換することができる無料のOCRソフトウェアです。PDFをWord、Excel、PowerPointなどに変換する機能に加え、スキャンしたPDFや画像ファイルからテキストを抽出する機能も搭載しています。

 

このソフトは多言語対応で、日本語の文字認識にも対応可能です。操作が簡単で、直感的なインターフェースを備えているため、初心者でもすぐに利用できます。無料版では限られた機能が提供されていますが、基本的なOCR作業には十分です。

 

 

6.myBridge

myBridgeは、LINEが提供する無料の名刺管理アプリです。スマートフォンで名刺を撮影するだけで、OCR技術を使って名刺情報をデジタル化し、簡単に管理できます。撮影した名刺データはクラウドに保存されるため、どのデバイスからでもアクセス可能です。

 

また、名刺情報を連絡先に追加したり、チームで共有したり、ビジネスシーンで柔軟に活用できます。myBridgeは無料で提供されており、使い勝手のよさと高いOCR精度が魅力です。

 

 

7.eight

eightは、Sansan株式会社が提供する個人向けの名刺管理アプリです。名刺をスマートフォンで撮影するだけで、OCR技術を使って情報をデジタル化し、即座に管理できるようになります。eightの特徴は、OCRによる自動入力に加えて、名刺情報の手動修正や補完が可能なことです。

 

さらに、eight上でつながった名刺のネットワークを活用して、ビジネスチャンスを広げることもできます。無料で利用できる基本機能が充実しており、ビジネスパーソンにとって非常に便利なツールです。

 

 

8.gImageReader

オープンソースのソフトウェアで、Tesseract OCRエンジンを利用しています。このツールは、PDFや画像ファイルからテキストを抽出するためのシンプルなインターフェースを提供します。多言語対応で、日本語を含む多くの言語に対応可能です。手動での文字領域選択や自動領域認識機能を備えており、ユーザーが細かく設定を調整できるのも魅力です。

 

Linux、Windowsで利用可能で、無料で提供されています。

 

 

9.Easy Screen OCR

Easy Screen OCRは、スクリーンキャプチャー機能とOCR機能を組み合わせた無料のソフトウェアです。画面上の任意の部分をキャプチャし、その画像内のテキストをOCR技術を使って抽出できます。操作は簡単で、キャプチャしたい部分を選択するだけでテキスト化が完了します。

 

このソフトも多言語対応で、日本語を含む多くの言語の文字認識が可能です。軽量でシンプルなインターフェースを備えており、日常のスクリーンショットからテキストを素早く取り出すのに便利です。

 

 

10.QuickOCR

QuickOCRは、Windowsに標準で搭載されているOCRツールです。使い方はシンプルで、マウスでテキストを囲むだけで、その部分を抽出できます。日本語と英語の文字認識に対応しており、基本的なOCR機能を手軽に利用できるのが特徴です。

 

特に簡単な操作性を求めるユーザーに適しており、Windows 10以降のバージョンで利用可能です。特別なインストールや設定不要で利用できます。

 

 

AI-OCR選定ガイド

 

 

OCRソフトが文字を読み取る仕組みとは

本章では、OCRソフトがどのようにして文字を読み取り、デジタルデータとして出力するのか、その仕組みを詳しく解説します。

 

 

資料や画像を取り込む

最初のステップは、スキャンや写真撮影などによって資料や画像を取り込むことです。ここでは、画像の品質が重要です。解像度が高く、文字がはっきりと見える画像であればあるほど、後の処理がスムーズに進みます。最新のソフトは、画像の歪みや斜めにスキャンされた文書も自動的に補正する機能を備えているものが多いです。

 

 

文字だけを抽出する

取り込まれた画像から文字を抽出するステップは、OCR処理の核心部分です。画像全体をスキャンし、文字が含まれている領域を識別します。このプロセスでは、文字と背景、イラストや図形などの非文字部分を区別するためのアルゴリズムが使用されます。最新のソフトは、AI技術を活用して文字領域を高精度で検出し、誤認識を最小限に抑えることが可能です。

 

 

文章を分解しながら解析する

文字の抽出が完了すると、次に各文字を個別に解析します。まず、文章全体を段落、行、単語、そして最終的に個々の文字に分解します。ここでは、各文字の形状やパターンを分析し、データベース内の既知の文字パターンと照合します。また、文脈解析も行われ、前後の文字や単語の意味を考慮して、誤認識を減らします。

 

 

文字データを書き出す

最後のステップは、解析された文字データを適切なフォーマットで書き出すことです。認識された文字は、テキストファイル、Word、Excelスプレッドシートなどの形式で保存されます。

 

これにより、データ化されたテキストは簡単に検索、編集、分析が可能です。例えば、企業はOCRを使って紙の請求書をデジタル化し、データベースに保存することで、経理処理を効率化し、情報の検索や集計を迅速に行うことができます。

 

 


OCRとは

 

 

OCRソフト活用のメリット

本章では、OCRソフトを活用するメリットをご紹介します。デジタル化の恩恵を最大限に活用し、ビジネスプロセスの最適化を目指しましょう。

 

 

紙資料をデータ化することで管理しやすくなる

OCRソフトを使用するメリットの1つは、紙資料をデジタル化することで管理が簡単になる点です。データ化された書類は、パソコンやクラウドストレージに効率的に保存が可能になり、物理的な保管スペースを大幅に削減できます。また、データであれば検索機能を使って瞬時に見つけることができるため、必要な情報をすぐに取り出せます。これにより、業務の効率が大幅に向上し、作業時間の短縮にもつながります。

 

 

手作業よりも圧倒的に作業効率がよい

従来の手作業で行われていた書類のデータ入力や管理は、時間と労力を要するものでした。しかし、OCRソフトを利用することで、これらの作業を自動化し、作業効率を飛躍的に向上できます。スキャナーで書類を取り込み、OCRソフトを利用すれば、たくさんの書類を短時間で処理できるため、従業員はより付加価値の高い業務に集中できます。

 

また、データは容易に共有できるため、チーム全体の効率も向上するでしょう。

 

 

ヒューマンエラーの発生を削減できる

手作業でのデータ入力には、人為的なミスが付き物です。入力ミスや誤記入は、後々の業務に影響を及ぼすことがあります。しかし、OCRソフトを活用することで、こうしたヒューマンエラーを大幅に削減可能です。

 

OCRソフトは高精度の文字認識技術を持ち、正確にテキストに変換します。例えば、請求書や契約書などの重要な書類のデータ入力においても、高い精度で処理が行えるため、データの正確性が保証され、業務プロセス全体の品質が向上します。

 

 

他のファイル形式への変換が容易でデータを活用しやすい

OCRソフトを使用することで、データの活用範囲が広がります。例えば、スキャンした紙資料はテキストデータに変換した後、PDF、Word、Excelなどの他のファイル形式に簡単に変換可能です。

 

Renee PDF AideやFree Online OCRなどのツールは、多様なファイル形式への変換に対応しており、データの活用が非常にしやすくなります。これにより、異なるソフトウェアやシステム間でのデータ共有がスムーズに行え、業務の効率化が図れるでしょう。

 

 


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OCRソフト活用時の注意点・デメリット

OCRソフトの利用にはいくつかの注意点やデメリットも存在します。以下では、具体的な注意点とデメリットについて詳しく解説します。

 

 

文字認識の精度は100%ではない

OCRソフトの文字認識技術は非常に進歩しているものの、認識精度は100%には達していません。

 

特に手書き文字や独特のフォント、擦れた文字など、読み取りが難しい場合には誤認識が発生することがあります。こうした誤認識はデータの正確性に影響を及ぼし、場合によっては業務の混乱を招く原因となるでしょう。

 

そのため、OCRソフトを使用する際には、認識結果を必ず確認し、必要に応じて手動での修正が重要です。特に重要な書類や正式な文書を扱う際には、誤認識のリスクを考慮して適切なチェック体制を整える必要があります。

 

 

文書のレイアウトによっては読み取りできない場合もある

OCRソフトは、基本的に規則的なレイアウトやフォーマットに基づいて文字を認識します。

 

しかし、文書のレイアウトが複雑だったり、段組みが多様であったりする場合、正確な文字認識が困難になることがあります。

 

例えば、複数の段組みや図表が含まれる報告書、異なるフォントやサイズが混在するパンフレットなどは、ソフトが適切に文字を認識できない場合もあるでしょう。そのため、文書のレイアウトが複雑な場合には、ソフトの設定を調整したり、特定の領域を個別に処理したりする必要があります。

 

 


図解でわかる!入力業務効率化の要(かなめ)AI OCR入門ガイド

 

 

OCRソフト|有料版とフリーソフトの違い

OCRソフトには有料版とフリーソフトが存在し、それぞれに特徴や利点、制約があります。以下では、有料版とフリーソフトの違いについて詳しく解説します。

 

 

機能の充実度と対応力

有料版のソフトは、フリーソフトに比べて機能が充実しています。有料版では、高度な文字認識アルゴリズムやAI技術を搭載しており、手書き文字や複雑なフォント、図表を含む文書の認識精度が非常に高いです。

 

また、多言語対応や特殊文字の認識にも優れており、企業やプロフェッショナル向けのニーズに応えられる性能を持っています。これに対して、フリーソフトは基本的な文字認識機能を提供しているものの、認識精度や対応力には限界があるものが多いです。

 

特に、手書き文字や複雑なレイアウトの文書に対しては、誤認識が発生する可能性があります。

 

 

サポートとアップデート

有料版のソフトは、定期的なアップデートや技術サポートが提供されており、ユーザーは常に最新の機能や改善点を享受できます。

 

これにより、ソフトウェアの安定性やセキュリティが維持され、長期的な利用においても安心です。フリーソフトの場合、サポートやアップデートが限られていることが多く、問題が発生した際の対応が遅れることがあります。

 

また、セキュリティ面でも有料版ほどの安心感がないため、特に業務での利用においては注意が必要です。

 

 

利用シーンとコスト

有料版のソフトは、大量の文書処理や高精度の文字認識が求められる場面に適しています。一方、フリーソフトは個人利用や少量の文書処理に適しており、導入コストがかからない点が魅力です。ただし、機能の制約や認識精度の限界を理解し、適切な用途で利用することが重要です。

 

有料版が向いているパターン:高い認識精度と豊富な機能、サポートを重視する
無料版が向いているパターン:個人利用、簡単な文書処理のみ

 

自分の利用目的や必要な機能をよく考え、最適なOCRソフトを選択することが大切です。

 

 


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機械学習機能で高精度な読み取りを実現!AI-OCR活用のススメ

現代のデジタル化社会において、紙文書や画像からテキストデータを抽出するOCR技術は、業務効率化の鍵を握る重要なツールとなっています。その中でも特に注目されているのが、AIを活用したAI-OCRです。ここでは、AI-OCRの基本的な概念と、従来のOCR技術との違いについて詳しく解説していきましょう。

 

 

AI-OCRとは

AI-OCRとは、AI技術を組み合わせたOCRシステムのことを指します。従来は、決まったパターンの文字やフォントを認識する技術でしたが、AI-OCRは機械学習やディープラーニングといった高度な技術を活用することで、より柔軟かつ高精度な文字認識を実現可能です。

 

手書き文字や複雑なレイアウトの文書も正確に読み取る能力を持ち、業務の効率化やデータの正確性向上に大いに役立ちます。

 

強みは、学習機能です。AIは膨大なデータを学習し、文字や文書のパターンを自動で認識・修正する能力を持っています。これにより、通常のOCRでは難しい手書き文字や異なるフォント、複雑なレイアウトの文書でも高い精度で読み取ることができます。

 

例えば、手書きの請求書や非定型の帳票、図表を含む文書など、多様な形式のデータを効率的にデジタル化することが可能です。

 

 

AI-OCRとOCRの違い

従来の技術との最大の違いは、認識精度と柔軟性にあります。従来の技術は、あらかじめ定義されたパターンやフォントに基づいて文字を認識しますので、定型的な印刷文字の認識は得意です。

 

しかし、手書き文字や変則的なレイアウト、複雑な背景を持つ文書の認識には限界があります。一方、AI-OCRは、AIの機械学習機能を活用することで、文字の形状や文脈を学習し、従来の技術では苦手としていた領域でも高精度な認識が可能です。

 

具体例として、従来のOCRが「A」と「4」を区別するのに苦労するような場合でも、AI-OCRは文脈を理解し、前後の単語や文字列から正しい認識を行います。

 

さらに、AI-OCRは使用するたびに学習を繰り返し、その精度を向上させるため、時間が経つにつれて認識能力が向上します。これにより、非定型的な文書や手書き文字、外国語など、多様な文字認識ニーズに対応できるのがAI-OCRの強みです。

 

AI-OCRの導入により、企業は紙文書のデジタル化プロセスを効率化し、データの正確性を向上できます。さらに、AI-OCRはクラウドベースでの利用も進んでおり、インターネットを介してどこからでもアクセス可能です。これにより、リモートワーク環境やグローバルなビジネス展開においても、高度な文字認識技術を活用した効率的なデータ処理が可能となります。

 

 


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まとめ

OCRソフトは、紙文書や画像から文字を読み取り、デジタルデータに変換するためのツールです。無料で利用できるOCRソフトには、それぞれ特徴があり、用途に応じて最適なものを選ぶことが重要となります。

 

また、AI技術を取り入れたAI-OCRは、従来のOCRよりも高精度な文字認識を実現し、手書き文字や複雑なレイアウトにも対応可能です。これにより、業務の効率化やデータ管理の精度向上が期待できます。無料のOCRソフトから始めて、その効果を確認し、必要に応じてAI-OCRの導入を検討することで、さらなる業務改善を目指しましょう。
 

 


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