2024.09.11エクセル
PDFからエクセルに変換する方法とは?ツールやうまくいかないときの対処法を解説
PDFからエクセルにデータを変換することは、ビジネスやデータ管理の現場で頻繁に求められる作業です。
しかし、PDFファイルをエクセルに変換する際には、レイアウトが崩れたり、文字化けが発生したりと、さまざまな問題に直面することがあります。こうしたトラブルを避けるためには、適切なツールの選択と、状況に応じた対処法を理解しておくことが重要です。
本記事では、PDFからエクセルに変換する具体的な方法や使用できるツールを紹介し、変換がうまくいかないときの対処法についても解説します。
目次
● PDFはエクセルに変換できる?
● PDFをエクセルに変換するための4つのツール
● PDFをエクセルに変換する具体的な方法|Adobe・ワード・メモ帳・変換サイト
● PDFからエクセルにうまく変換できないときの対処法
● エクセルをPDFに変換する方法
● PDFのデータ化ならAI-OCRが便利!
● まとめ
PDFをエクセルに変換することは可能です。
また、逆にエクセルをPDFに変換することも非常に簡単に行えます。どちらの変換も日常的に行われており、さまざまな方法やツールが使用可能です。例えば、PDFをエクセルに変換する場合、専用のソフトウェアやオンラインツール、さらにはOfficeのワードを経由する方法など、多岐にわたる選択肢があります。
ただし、PDFをエクセルに変換する際には、いくつかの注意点があります。例えば、変換の精度が問題となることが多く、特に複雑な表や特殊なフォントを使用したPDFの場合、変換後にデータが正確に再現されないこともあるでしょう。行や列の位置がずれたり、書式が崩れたりすることがあり、その場合は手作業で修正が必要になります
また、画像形式で保存されているPDFは、通常のテキストデータとは異なり、さらに特殊な処理が必要です。
これから、具体的な方法やツールについて解説していきますので、それぞれの方法の特徴を理解し、最適な手段を選んでください。
PDFをエクセルに変換するための代表的な4つの方法を紹介します。いずれの方法も、利用するツールに応じて特長や利便性が異なりますので、目的や使用環境に応じて最適なものを選んでください。
Adobe Acrobatは、PDFの作成や編集において業界標準となっているツールで、PDFをエクセルに変換する機能も標準で搭載されています。
Acrobatを使うと、PDF内のテーブルやテキストをそのままエクセル形式に変換でき、レイアウトが比較的正確に保たれるのが特徴です。PDFの一部だけをエクセルに変換したい場合や、複数のファイルを一括で変換したい場合にも対応しており、特にビジネス用途での利用に適しています。
ただし、Acrobatは有料のツールであるため、費用がかかる点には注意が必要です。
Microsoftのワードを使ってPDFをエクセルに変換する方法も非常に便利です。ワードは、PDFファイルを直接開いて編集可能な状態にできるため、PDF内のデータを簡単にコピーしてエクセルに貼り付けることができます。
この方法は、Officeソフトがすでにインストールされている場合に追加のソフトウェアを必要とせず、手軽に実行できる点が大きなメリットです。特に、表形式のデータが含まれているPDFの場合、ワードで表として認識されるため、そのままエクセルに移行できます。
ただし、複雑なレイアウトや特殊なフォントを使用したPDFでは、変換後にレイアウトが崩れることがあるため、変換後のデータを確認し、必要に応じて手動での修正が求められます。
Windowsに標準で搭載されているメモ帳を使ってPDFをエクセルに変換する方法もあります。
この方法は、特に手軽で、ソフトウェアのインストールが不要な点が利点です。表形式のデータが含まれているPDFでは、メモ帳を経由することで、余分な書式やフォーマットを排除し、クリーンな状態でエクセルにデータを取り込むことが可能です。
しかし、メモ帳を使用する場合、セルの区切りや表の構造を手作業で再調整する必要があるため、データが多い場合や複雑な表が含まれている場合には、少々手間がかかることがあります。
インターネット上には、PDFをエクセルに変換できる無料のオンラインツールや変換ソフトが数多く存在しています。無料で利用できるサイトが多いため、コストをかけずにPDFをエクセルに変換したい場合に適しています。ただし、機密情報が含まれているPDFをオンラインでアップロードする際には、セキュリティリスクを考慮する必要があります。
変換ソフトであれば、インターネット接続が不要なオフライン環境でも変換が可能で、セキュリティ面での安心感があります。また、無料ツールの場合、変換の精度や機能に限界があるため、重要なデータの変換には有料のソフトウェアを検討するのも1つの手です。
ビジネスシーンや日常業務でPDF形式のデータをエクセルで活用したい場合、適切なツールと手順を知っておくことが重要です。ここでは、PDFをエクセルに変換するための具体的な方法について解説します。
Adobe Acrobatを使った具体的な手順を解説します。
1.Adobe Acrobatを起動し、変換したいPDFファイルを開く
2.「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択し、「スプレッドシート」を選ぶ
3.「Microsoft エクセルワークブック」を選択
この方法は、データの正確性を重視するビジネス用途に最適であり、複数のPDFファイルを一括してエクセルに変換することも可能です。
ただし、Adobe Acrobatは有料のソフトウェアであるため、コストがかかる点には注意が必要です。しかし、その分、変換の精度や安全性が保証されているため、特に重要なデータの変換には最適な選択肢となります。
Microsoftワードを使ったを使った具体的な手順を解説します。
1.ワードを起動し、変換したいPDFファイルを開く
2.ワードがPDFファイルを自動的に読み込み、編集可能な形式に変換する
3.PDF内の表やデータをコピーし、それをエクセルに貼り付ける
上記の手順でPDFをエクセル形式に変換できます。この手法は、特にシンプルな表やテキストを扱う場合に非常に便利であり、複雑な手順を踏むことなく、短時間でデータを移行することが可能です。
ただし、ワードを使った変換にはいくつかの注意点があります。
・複雑なレイアウトや特殊なフォントを使用したファイルでは、変換後にレイアウトが崩れることがある
・画像やグラフなどが含まれている場合、それらが正しく変換されないことがある
このため、変換後のデータを確認し、必要に応じて手動での調整が求められます。
Windowsに標準搭載されているメモ帳を使った具体的な手順を解説します。
1.PDFファイルを開き、必要なテキストや表データを選択しコピーする
2.メモ帳を開きコピーしたデータを貼り付ける
※この時点で、余分な書式やフォーマットが取り除かれ、クリーンなテキストデータが得られる
3.メモ帳で保存したファイルをエクセルで開くとデータをセルごとに分けて整理可能になる
この方法は、データの再整形やクリーニングを行う際に特に効果的であり、セルの区切りを手作業で調整することで、エクセルファイルをきれいに仕上げることができます。
ただし、メモ帳を使った変換には手動での作業が多く含まれるため、データ量が多い場合や複雑な表を扱う場合には、時間がかかることがあります。
また、メモ帳では画像や特殊なフォーマットを扱うことができないため、そのようなデータを含むPDFの変換には別の方法を検討する必要があります。この方法は、主にシンプルなデータを扱う際に適しています。
以下では、代表的なオンライン変換サイトとソフトを3つとその使い方を紹介します。これらのツールは、それぞれに特徴があり、使いやすさや機能面で異なる利点を持っています。自分のニーズに合ったツールを選んでください。
iLovePDFは、シンプルで使いやすいインターフェースを持つオンラインツールです。このサイトでは、PDFからエクセルへの変換だけでなく、PDFの分割や結合、圧縮など、さまざまなPDF関連のツールが無料で利用できます。
iLovePDFを使った具体的な手順を解説します。
1.「PDFからエクセル」の機能を選択
2.ファイルをアップロードする
上記の2ステップのみで自動的にエクセル形式に変換されます。
iLovePDFの大きな利点は、その操作の簡便さと無料で利用できることです。初心者でも簡単にPDFをエクセルに変換できるため、急いでいるときやパソコンに詳しくない人にとって便利です。
また、スマートフォンアプリも提供されており、移動中でも手軽にPDFの変換ができます。ただし、無料版では一部機能が制限されており、より高度な機能を利用するためには有料版にアップグレードする必要があります。
Smallpdfでは、PDFの変換、編集、圧縮、保護など、PDFに関連する幅広い機能を提供しています。全体的に操作がシンプルで直感的なインターフェースが特徴です。
Smallpdfを使った具体的な手順を解説します。
1.サイトにアクセスし「PDFをエクセルlに変換」ツールを選択
2.ファイルをアップロードする
Smallpdfの魅力の1つは、その処理速度の速さと使いやすさです。また、ファイルをブラウザ上で直接編集する機能や、PDFファイルを分割・結合する機能もあり、変換後のファイルをそのまま使ってさらなる編集が可能です。
さらに、セキュリティ対策として、アップロードされたファイルは変換後に自動的に削除されるため、機密データの扱いにも安心感があります。
ただし、無料版では1日に変換できるファイル数やファイルサイズに制限がかかる場合があります。より多くの機能や無制限の利用を求める場合は、有料版の検討が必要です。
Adobe Acrobat Onlineは、PDFの本家であるAdobeが提供するオンラインサービスで、PDFをエクセルに変換する機能も含まれています。Adobe Acrobat Onlineを使った具体的な手順を解説します。
Adobe Acrobat Onlineの公式サイトにアクセスし「PDFをエクセルに変換」ツールを選択
1.ファイルをアップロードする
2.エクセル形式に変換され、ダウンロードリンクが提供される
3.このリンクから、変換されたファイルを取得する
Adobe Acrobat Onlineの最大の利点は、PDF変換の精度が高い点です。
特に、複雑なレイアウトや多くの表を含むPDFファイルでも、元のレイアウトを保ったままエクセルに変換できるため、ビジネス文書の変換に最適です。また、Adobeの信頼性から、機密性の高いデータを扱う場合でも安心して利用することができます。
このサービスは基本的な機能は無料で提供されていますが、より高度な機能を利用するためにはサブスクリプションが必要です。また、変換プロセスはインターネットを通じて行われるため、大容量のファイルや複雑な文書を扱う場合は、時間がかかることがある点に注意が必要です。
PDFをエクセルに変換する際、文字化けや表のレイアウトが崩れる、画像や図形がずれるといった問題が発生することがあります。ここでは、PDFからエクセルに変換する際に遭遇する可能性のある問題について、それぞれの具体的な対処法を解説します。
PDFからエクセルにデータを変換した際、文字化けが発生することがあります。これは、特に異なるフォントが使用されている場合や、環境依存文字や特殊文字が含まれている場合に起こりやすい問題です。
PDFに使用されているフォントが、エクセル側でサポート外だと、文字が意図しない形で表示されたり、記号や別の文字に置き換えられてしまうことがあります。このような場合、変換前にPDFファイル内のフォントを確認し、可能であれば一般的なフォントや文字に変更してから変換を試みることが効果的です。
また、PDFの構造が複雑である場合、変換プロセスで文字の順序や内容が崩れてしまうこともあるでしょう。特に、表や複雑なレイアウトが含まれているPDFでは、テキストの流れがうまくエクセルに移行されず、結果として文字化けが発生することがあります。この場合、変換後のデータを手動で修正するか、より精度の高い変換ツールやソフトウェアを利用することが推奨されます。
PDFをエクセルに変換する際、しばしば問題となるのが、表や文字の位置がずれるという現象です。
まず考えられる原因として、PDFとエクセルのページ設定の違いがあります。PDFファイルが作成されたときのページサイズや余白設定が、エクセルでの標準設定と異なる場合、変換時にデータが意図した場所からずれてしまうことがあります。このような場合、エクセル側でページ設定を調整し、ずれを軽減できることがあります。
また、フォントサイズやスタイルの違いも、表や文字の位置ずれを引き起こす原因の1つです。PDF内で使用されているフォントがエクセルで正しく再現されない場合、文字が行間やセルを超えて表示されることがあります。これにより、表の構造が崩れ、文字が意図しない場所に配置されることになります。
この場合、エクセル内でフォント設定を見直し、フォントやサイズを調整することで、位置ずれを修正できます。
PDFからエクセルに変換する際に、画像や図形の位置がずれてしまう問題もよく発生します。この問題は、PDFとエクセルの間で画像や図形の配置が異なるために起こります。
この問題を解決するためには、まずエクセル内で「画像の書式設定」や「図形の書式設定」を利用し、画像や図形の位置を手動で調整することが必要です。エクセルでは、画像や図形をセルに合わせて移動したり、サイズを変更したりするオプションがあります。この設定を活用して、PDF内での配置をエクセル内でも再現できるように調整します。
また、PDFをエクセルに変換する前に、PDFファイル内の画像や図形をあらかじめ適切な位置に配置しておくことも重要です。特に、画像や図形のサイズが大きい場合や、解像度が高い場合には、エクセルでの表示が崩れる原因となるため、事前にサイズや解像度を調整しておくとよいでしょう。
エクセルで画像や図形の位置がずれてしまった場合は、配置の修正に加えて、画像や図形のプロパティを確認し、適切な配置が保持されるように設定を変更することも考慮すべきです。
エクセルをPDFに変換することは、レイアウトやフォーマットが固定されるため、データの共有や印刷時に見た目が崩れる心配がなく、ビジネスや個人での文書管理において非常に便利です。ここでは、エクセルをPDFに変換する際に利用できる代表的な方法について解説します。
エクセルの機能を使って、簡単にPDF形式に変換できます。これらの方法は、特にOffice 2013以降のバージョンでは、誰でも直感的に利用できるものとなっています。本章では2種類の方法を紹介します。
・「名前を付けて保存」機能を使う方法
1.エクセルの「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択
2.保存先を指定
3.保存形式として「PDF」を選択し「保存」
「オプション」ボタンをクリックして、フォントの埋め込みやページ設定など、細かな設定を行うことも可能です。
・「エクスポート」機能を使う方法
1.エクセルの「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択
2.「PDF/XPS の作成」をクリック
3.保存先を指定し「発行」をクリック
4.保存形式として「PDF」を選択し「保存」
この方法は、より標準的な設定でPDFを作成したい場合に適しています。
これらの方法を使用することで、複雑な表やグラフを含むファイルでもレイアウトが崩れることなくPDFに変換されるため、ビジネス文書や報告書の作成に最適です。
エクセルをPDFに変換するためには、フリーソフトを利用する方法もあります。これらのソフトは、コストをかけずに高機能なPDF変換を実現できる点が魅力です。
例えば、先に紹介した「iLovePDF」や「Smallpdf」などのオンラインツールや、「PDFエレメント」といったソフトウェアは、PDFへの変換機能も備えています。使い方は非常にシンプルで、ソフトウェアにエクセルファイルをドラッグ&ドロップし、変換ボタンをクリックするだけで、即座にPDFファイルが生成されます。
また、オフラインでの使用を希望する場合には、フリーソフトをダウンロードしてインストールすることで、インターネット接続が不要な状態でもPDF変換ができます。これにより、機密性の高い情報を含むファイルの変換でも安心です。
PDF形式で保存された文書をデータ化する際に、AI-OCR(光学文字認識技術)を利用することで、手作業では難しいデータ抽出や編集を迅速かつ正確に行うことができます。
AI-OCRは、単純な文字認識を超えて、手書き文字や複雑なレイアウトを持つ文書からも正確にテキストを抽出できる技術です。従来のOCR技術と比べて、AI-OCRは機械学習やディープラーニングを活用しており、時間がかかる手入力作業を大幅に短縮できます
特に、スキャンした書類や紙媒体の資料をデジタル化する際に、その効果を最大限に発揮します。
ビジネスシーンにおいて、請求書や契約書、領収書などをデータ化して管理することは、業務効率化と正確なデータ管理に直結します。AI-OCRを利用すれば、大量の文書を短時間でエクセルやワードといった形式に変換し、データとして管理することが可能になります。
PDFのデータ化にAI-OCRを活用することで、作業の効率化を図りながら、精度の高いデータ処理が実現できるでしょう。
PDFからエクセルへの変換は、多くの場面で必要とされる作業ですが、使用するツールや変換プロセスによってはトラブルが発生することもあります。
本記事では、さまざまなツールとその使い方を紹介しました。それぞれのツールには特長があり、使用環境や目的に応じて最適な選択肢を見つけることが重要です。
また、変換がうまくいかない場合には、紹介した対処法を参考にして問題を解決してください。最適なツールと対策を組み合わせることで、スムーズなPDFからエクセルへの変換が実現できるでしょう。
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