2022.01.19AI-OCR
電子帳簿保存法とは?対象書類やメリット・デメリットを解説!
「電子帳簿保存法」とは、税金に関する帳簿類などの資料を電子データで保存することを認める法律です。自社においてペーパーレス化やDXを進める中で、この法律の詳細についてしっかり把握したいと考えている人も多いことでしょう。
そこで本記事では、電子帳簿保存法の概要や、同法の対象となる書類の種類、帳簿類を電子化するメリットなどについて解説します。
「電子帳簿保存法」とは、国税関係の帳簿書類や請求書などの経理書類を、電子データ形式で保存してよいとする法律です。「電帳法」と略されることもあります。
従来、こうした税関係の書類は紙ベースで保存するのが原則でした。しかし、2021年のデジタル庁開庁に示されるように、現在日本政府は社会におけるICT活用を強力に推進しており、その影響を受けて電帳法の対象書類はどんどん広がっています。
現状、同法で規定されている電子帳簿の保存方法には、「電子データ保存」と「スキャナ保存」の2種類があります。
まず、電子データ保存の対象書類は、一定の要件を充足した会計ソフトなどを用いて作られた決算書類や、契約書・領収書・注文書・現金出納帳などの国税関係帳簿書類です。つまり、デジタルで作成した書類をわざわざ紙に印刷することなく、そのままデジタル上で保存しておいてよいとするのが、電子データ保存の意味するところです。
対してスキャナ保存とは、取引先企業から受領した紙の請求書などをスキャナで読み込んで電子化し、保存することです。電帳法では、スキャナ保存をする場合はタイムスタンプの付与を義務付けています。
スキャナ保存の方法は年々規制が緩和されており、2016年の改正により、スマホやデジカメで紙資料を撮影して保存することも許可されました。
また、近年ではECサイトやインターネットバンキングなどを利用した「電子取引」が社会に浸透していますが、この電子取引において発行された請求書や取引明細なども、電帳法の対象書類となります。
これもデジタル上で発行された書類をデジタルで保存してよいという意味では、「電子データ保存」の一種といえるでしょう。
電子帳簿保存法の主な対象書類は、契約書や納品書などの重要書類から、貸借対照表や損益計算書といった決算関係の書類までさまざまです。反対に対象外となるのは、手書き作成の主要簿、請求書や補助簿などが挙げられます。
先に解説した、「電子データ保存」「スキャナ保存」「電子取引に関するデータの保存」の種別に電帳法の対象をまとめると、次のようになります。
【電子データ保存の対象】
・国税関係帳簿:仕訳帳、総勘定元帳など
・国税関係書類:決算関係書類(貸借対照表、損益計算書、棚卸表など)、取引関係書類(見積書、請求書など自己が作成した電子データ)
【スキャナ保存の対象】
・取引関係書類(注文書、見積書、請求書など相手方から受領した書類)
【電子取引の対象】
・EDI取引、電子メール取引、クラウド取引、電子決済など
電子帳簿保存法に基づいて、帳簿類などを電子データとして保存することには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。以下では、電帳法が企業にもたらす影響を解説していきます。
税法上の資料を電子データとして保存することで得られる大きなメリットは、書類のペーパーレス化ができることです。
紙ベースで帳簿類や会計書類を処理する場合、郵送作業の手間やコストが発生します。また、経理関係の大量の重要書類を厳重に保管し続けるため、スペースの確保や管理の負担も軽視できません。
さらに紙資料では、参照したい情報があった場合、大量にある資料の中から手作業で目当ての1枚を探さなくてはならないため、情報の検索性・アクセス性に難があります。
その点、帳簿類や会計書類などをペーパーレス化することで、上記のような手間はすべて一掃され、業務の効率化が期待できます。加えて、ペーパーレス化は環境への配慮という、近年重要視されているSDGsの観点からも推奨されることです。
そのほか、紙の帳簿類を電子化することには、書類管理におけるセキュリティ上の利点もあります。紙資料の場合、経年劣化によって紙が傷んで文字が読みづらくなったり、破れてしまったりといったリスクが懸念されます。
最悪の場合、火事などの災害やオフィス移転時の混乱などによって、資料そのものが消失してしまうことも考えられるでしょう。
しかし、電子データならば経年劣化の心配もなく、バックアップをしっかり取っておけば、そうした資料消失リスクの備えも万全にできるのです。
上記のようなメリットがある一方、電子帳簿保存法に基づいて資料の電子化をするうえでは、いくつかの懸念点もあります。
第一のデメリットとしては、会計ソフトの導入など、電帳法に対応したIT環境を整備・運用するためのコストが発生することです。
それゆえ電帳法を活用する際は、紙媒体のままで運用した場合に生じるコストと、電子的に運用する場合に生じるコストの比較検討を行うことが重要です。とはいえ、もちろんその際は表面上の経済的コストだけでなく、先に挙げた業務効率性などの面からも検討する必要があります。
第二のデメリットは、紙媒体での運用を電子化することに伴い、業務フローの見直しが必要になってくることです。
資料の真正性を確保するため、電帳法では資料の電子化をする企業に対して、さまざまな条件を要求しています。電帳法を活用する場合は、そうした要件を充足してデータ管理ができるように、業務フローを変更しなければなりません。また、運用担当者にはある程度のITスキルも要求されます。
第三のデメリットは、システム障害やサイバー攻撃のリスクなど、デジタル特有の問題に備えなければならないことです。
クラウド上でデータを保管している場合ならまだしも、オンプレミス環境でデータの管理をする場合、サーバーがシステムダウンしたリ、破損したりしてデータが消失するリスクがあります。こうしたリスクに備えるためには、厳重なセキュリティの構築やバックアップの定期的な実施が欠かせません。
電子帳簿保存法を利用して帳簿類の電子化を進める際は、株式会社無限が提供する「AI入力ソリューション」と「二次元ワークフロー・ソリューション」の2つのクラウドサービスを組み合わせて利用することがおすすめです。
AI入力ソリューションとは、AI(人工知能)を活用してデータの入力業務を効率化するためのITツールです。経理書類の電子化をする際、他社からの請求書などを大量にパソコンに入力する作業が想定されますが、本製品を活用すれば、効率的にデータの入力作業を進めることが可能です。
AI入力ソリューションの高度なAIは、活字だけでなく手書き文字も正確に識別できるため、さまざまな種類の紙資料を効率的に読み込めます。本製品はRPAとのシステム連携もできるので、紙資料の読み取りからシステムへの入力まで、電子化業務の自動化をワンストップで推進できます。誰でも使えるシンプルな操作感も大きな魅力です。
他方、二次元ワークフロー・ソリューションとは、業務プロセスと承認プロセスをつなぐ、これまでにありそうでなかったワークフローシステムです。
本製品を活用することで、企業は社内の申請・承認フローをシステム上にてワンストップで処理することが可能になります。クラウド型のシステムなので、場所に縛られずに利用可能です。もちろん、申請書類などのペーパーレス化も同時に実現できます。
これによって、決裁担当者が出張中であったり、テレワークによる在宅勤務中であったりしても、ワークフローを滞りなく進めることが可能になります。つまり、二次元ワークフロー・ソリューションを活用することで、ユーザー企業は近年社会的に重要度を増している「テレワーク」や「脱ハンコ」を促進できるのです。
二次元ワークフロー・ソリューションを導入することで、企業は従業員の経費請求の精算処理などをデジタル化できます。他方、AI入力ソリューションを導入すれば、領収書や請求書などのシステム入力の自動化が可能です。つまり、この2つの製品を組み合わせて活用することで、経理・会計処理に付随するさまざまな煩雑な作業を一挙に効率化・自動化できるのです。
これらの製品を活用することにより、ユーザー企業は現代に求められるDXの実現や、ニューノーマル時代の働き方にも対応できるでしょう。
本記事では電子帳簿保存法の基本的な概要や、そのメリット・デメリットについて解説しました。紙の帳簿類や会計書類などを電子化することで、企業はペーパーレス化を実現し、資料の管理コストの軽減や業務効率化などを実現できます。
紙資料の電子化にあたっては、煩雑なデータ入力業務が大量に発生することが懸念されますが、この課題に対しては株式会社無限の「AI入力ソリューション」を活用することで対応可能です。
「二次元ワークフロー・ソリューション」と併せて、ぜひ導入をご検討ください。
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