2024.03.06ワークフロー
業務フローとは?社内業務と最適なフローを考える
現場の作業を効率化する上で、業務フローの作成は非常に重要な役割を果たします。では、現場でよく耳にする「業務フロー」とは具体的にどんなものを示すのでしょうか。ここでは、概要や役割を詳しく解説していきます。
目次
● 業務フローとは何か?
● 業務フロー図の書き方【基本ルール編】
● 業務フロー図の書き方【作成手順編】
● 業務フロー図の書き方【ポイント編】
● 社内業務にとって良い業務フロー図のポイント
● 社内業務にとって最適な業務フローを考えよう!
● 業務フローシステムを導入するメリット
● 自社に最適な業務フローシステムなら「二次元ワークフロー・ソリューション」におまかせ
● まとめ
まずは、業務フローとはどんなものなのか、概要やその特徴について整理していきます。
業務フローとは、仕事のプロセスをわかりやすく示した流れのことです。仕事をスムーズに遂行していくためには、次に何をするべきか、誰に業務を依頼したり情報共有したりするか、現場の人間が詳しい流れを把握していなければなりません。
効率的な業務のためには、業務フローは無駄なく最適なものである必要があります。どうすればより効率的に業務を進めていけるのか考え、現場の担当者同士がルールを作り、それに沿って業務の流れをわかりやすく示すことが重要です。
業務フローを作る理由・目的は何があるのでしょうか。上では「効率的に業務を進めていくため」と軽く触れてきましたが、さらに具体的な例として以下が挙げられます。
業務がどのような流れで遂行されているのかが視覚化されれば、より感覚的に理解しやすくなり、複雑だと感じるポイントが減ります。業務フローの図や表を見ただけでも、ある程度の流れはつかめるでしょう。新人の理解も早くなります。
また、業務フローとして流れが図示されていれば、問題点や今後の課題も自然と見えてきます。進捗が悪くなりやすいポイントも把握できるでしょう。また、それぞれの業務の担当者が相互に業務内容を理解し合うことは、現場の協力体制を高めることにもつながります。
業務フローを作成する際にはあらゆる規格があります。業務フローは図式などで表記されるため、一般的な規格を用いて作成しておけば、より多くの人にとって理解が早くなります。規格について一例を紹介すると、以下のものが挙げられます。
業務フローで特によく使われる記号はJISで規格が定められたものです。これらの種類の中でもJISはプロセスを把握しやすいという特徴があります。
DFDはデータフロー図の規格に当たり、データ処理の流れを図解して示すといった特徴があります。
BPMNビジネスプロセスモデリング表記法は社内外の業務関係者全員が共通認識を持って業務遂行に当たることを目的とした表記法を示しており、UMLアクティビティ図もそれによく似ています。
業務フロー図の書き方として、以下の流れを意識しましょう。
まずは、「誰がその業務を行うのか」を示すことを意識しましょう。
先述した通り、スイムレーンとは「誰が」「何を」を明確にする図です。スイムレーンだけでも業務の実情把握に役立ちます。「誰が」に当たる部分は、社員名はもちろん、チーム名や部署名を書くこともおすすめです。
業務フロー作成に当たり、まずは主語と述語をはっきりさせましょう。
誰が何をするのかがはっきりしたら、業務の起点や業務内容、対応パターンを図形で表しましょう。
開始やプロセス(何を行うのか)、分岐などに分けて図形を用意しておき、実際の業務に当てはめてください。開始は「何をきっかけに業務フローがスタートするのか」を示します。分岐を作っておくことで、複数パターンに対応した業務フローを実現可能です。
例として、備品発注の場合は以下になるでしょう。
このように、一連の業務の中で行動を図式化してください。関連する発注システムや連絡先などの補足情報も、図形を作っておけるとベターです。
一連の業務を図形で表したら、矢印を使って業務全体の流れを図式化してください。
時系列が上から下、または左から右になるように図形を並べましょう。並べる際には主語が誰だかわかるように、各図形を担当者のスイムレーンに配置します。並べ終えたら、各図形を矢印でつなぎます。分岐の図形から出てくる矢印には、判断がどうなったのかを記載しましょう。上記の例でいうと、「承認」「否認」の矢印があるべきです。
分岐があっても、最終的に1つの終了図形に届けば図式化が完了します。
業務フロー図を作成するに当たり、意識すべき手順を示します。
業務フロー図を作成する際は、作成目的を明確にしておきましょう。
先述した作成手順の前段階に当たる話です。「なぜ業務フローを作成すべきなのか」を意識して作成してください。
例えば「新人研修のマニュアル作り」の一環として業務フローを作成します。「マニュアル作成」自体が目的ではなく「業務フローを見た結果、新人がどうなればよいか」を意識しましょう。「各業務で誰に質問すべきかわかる」「不明点は〇〇システムのマニュアルを見ればわかりそう」など、見た後の行動につながる業務フロー図を作成すべきです。
作成目的によって、業務フロー図に載せるべき内容や粒度が変わることを頭に入れておいてください。
業務の担当者や関係者を洗い出しておきましょう。
業務フロー図にはスイムレーンがあり「誰が」の部分が重要になります。スイムレーン作成前までに業務の担当者や関係者を明確にしておき、スイムレーンに載せてください。またチーム内の社員だけでなく、部署外や社外の関係者も忘れずに記載しましょう。関係者の抜けや漏れがあると、業務フロー図として成り立たなくなってしまい、目的を果たせません。
加えて、関連システムや資料の情報も書けると、業務での関係が明確になります。業務の担当者や関係者、関連システムを網羅した業務フロー図を作成できるよう、事前準備を行ってください。
業務の流れを、タスクベースで書き出しておきましょう。
業務フロー図を作成する際に、図形で業務の開始やプロセス、分岐を表します。図形にする前に、どういった業務があるのか文字に起こしておいてください。文字に起こすと、本人だけが行っている作業や、癖が見えてくることがあります。そういった作業は属人的な業務の原因になるので、文字に起こしてみましょう。
網羅的に業務の流れを文字に起こし、それぞれの図形を作成してください。
上記で図形を作成したら、整理して適切な位置に配置してください。
業務フロー図を作成することで、関係者と時系列、関連システムによって配置が明確になります。順序性がある業務の場合は、時系列を特に意識してください。また「誰が」やるのかを明確にしてあれば、配置は自ずと決まります。
スイムレーンで書くと、関係者が複数いる場合、図形の配置の際に行や列をまたいでしまう可能性があります。レイアウトにも注意して並べましょう。
業務フロー図の書き方のポイントとして、以下があります。
業務フロー図の作成時に、細かい業務についての記載は別のフロー図に分けてください。
先述した通り、目的ごとに作成すべき業務フロー図は異なります。細かい業務の説明をするためには細かい業務を、部門間の業務の流れを知りたい時は大まかな業務の説明、となるように使い分けましょう。使い分けることで、混乱を防ぐ、関係ある人に関係がある情報が伝わる、などのメリットがあります。
各図形に記入する粒度がそろうように作成します。大まかな業務の説明の際に、細かい業務について記載する場合は、より詳細なフロー図を別途作成してください。
業務フロー図の作成は、複数人で実施するべきです。
1人での作業は、抜けや漏れに気がつきにくいです。また業務の問題点に気づきにくいことや、自分だけが行っている手順を表現してしまう可能性があります。せっかく業務フローを作っても、問題点があると業務の流れを理解する、関係者を理解する、など業務フロー図を作成する目的を果たせません。
複数人で作成し、誰が見ても同じ解釈をできる業務フロー図を作成しましょう。
業務フロー図には業務マニュアルや関連資料と連携させることで、より使いやすいフロー図が完成します。
業務フローの元となるマニュアル、また業務に関連する資料は、業務フロー図の関連箇所に記載しておきましょう。業務フロー図では視覚的に大まかな流れをつかむ、マニュアルで詳細な手順を確認する、といった具合に作用させることで、相乗効果を生み出します。
業務マニュアルや関連資料がある場合には、リンクさせておくべきです。
では次に、社内業務において良い業務フロー図を作成するために欠かせないポイントを整理していきましょう。フローを作成する目的は現場によってそれぞれ違いますが、共通点として挙げられる良い業務フローの特徴を紹介していきます。
良い業務フロー図は、基本的に作りがシンプルだという特徴があります。無駄なポイントを省いた上でわかりやすさを重視しているため、どこから業務をスタートすれば良いのかがしっかりと理解できます。
業務フローのスタート地点に示すのは、一つの作業です。始まりの内容が一つの作業を示していれば、最初に取り掛かるべき業務を一目で理解しやすいでしょう。業務を始めるに当たって、何から始めて良いのか迷うことはありません。
しかしスタート地点となる場所にいくつもの作業が書かれていると、そのうちの何から始めれば良いのか、見た人は戸惑ってしまいます。
業務フローをわかりやすくシンプルに作成するためには、まずは一つのスタート地点から始まる流れを作る必要があります。また、目的に応じて、必要な情報のみが明記されていることも重要です。目的に合わない情報が記載されていると業務が複雑化するという問題もありますし、不必要な情報が入ってくる分、業務フローで流れを示す意味がなくなってしまいます。
良い業務フローには、どの担当者が見てもフローを正確に理解できるという共通点があります。担当者によって理解が難しいポイントがあると、それぞれの担当者・部署の相互理解につながりません。協力体制も築きづらいでしょう。
各々の関係者がフローを理解できるように作成されているということは、全員の共通認識のもとに作られているということです。
特定の担当者や担当部署の人間にしかわからない業務フローでは、全員がしっかりと業務内容を把握できないためトラブルも起こりやすくなります。その点、あらかじめ決められた図形や線形を使うといった共通認識のもと作られた業務フローであれば、自然と理解は早まるでしょう。
良い業務フローは、図形や線形を上手に使い分けているという特徴があり、この使い分けがわかりやすさにつながります。
担当ごとに図形を分類し、担当部署ごとに決められた図形で作業が記載されていれば、一目で担当者が把握できます。また、作業効率アップや現状の問題点の洗い出しを目的とした業務フロー作成の場合は、図形を分けてわかりやすく可視化することで、同じ担当者が複数の業務を多重管理していることなどが問題点としてより把握しやすくなります。
線形の使い分けも重要です。プロセスによって線形を分ければ、何の作業の流れなのかの判断が容易になります。ここで線形の分類が無視されていたり、矢印が不自然に重なっていたりすると、一目では作業の流れが理解できなくなります。
目的が違えば、どのような業務フローが最適なのかも変わってきます。フローを作成する目的は、業務状況や会社の事業内容によってさまざまです。例としては以下のような目的が挙げられます。
・業務システムを刷新する
・業務コストを削減する
・個人情報保護への意識をより高める
・作業効率化
・事業内容を示すための資料作成
・新人研修のマニュアル作り
システムを刷新するためには、現状を把握した上で課題を見つけ出す必要があります。そしてその課題をクリアできるような新たなシステムを見いだしていくことが大切です。この場合は、事細かに業務フローを作成し、課題を徹底的に洗い出していくことが求められます。
また、事業内容を示すための資料として業務フローを作成する場合には、誰に事業内容を案内するのかが重要なポイントになります。社外の人間にわかりやすく伝えるためにはどのような図を使うべきか、どの作業だけをピックアップしてフローに示すべきかなどを見極める必要が出てきます。
このように、どんなフローを作成していくかは、目的によって異なります。業務フローを作成する本来の目的をあらかじめしっかりと考えた上で、目的に沿った最適なものを作成していきましょう。
業務フロー図を作成したことがない場合、時間と労力をかけて作成しても、どのように活用すべきかイメージが湧きにくいかもしれません。
そこで、業務フローシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。業務フローシステムの導入によるメリットとして、以下があります。
システム導入後は、誰のどのフローで止まっているのかが明確になります。催促や人員追加ができるため、結果的にスピーディーな業務遂行が実現可能です。
また、業務フローは適切なプロセスで進める必要があります。業務フローシステムを使うことで「何をやるか」だけでなく「何をやったのか」まで記録されます。業務の透明性が高まるため、隠ぺいや偽造が起こりにくくなるでしょう。
業務フローシステムを導入すると、リモートワークにも対応しやすいです。業務が詰まっている場合に、オフィスであれば声をかければいいですが、リモートワークだとそうもいきません。また、業務の進捗もわかりにくいです。業務フローシステムは、催促のきっかけや進捗確認の連絡につなげられます。
これらのメリットが実現されることで、業務の問題点が見えやすくなります。結果的に、業務フロー自体の見直しにつなげられるでしょう。
業務フローの作成は、作業効率化や問題点の把握など重要な役割を持ちます。業務の流れがわかりやすく可視化されれば、誰もが業務の流れを正確につかむことができるでしょう。無駄の省かれた最適な業務フローは、スムーズな業務の遂行には必要不可欠と言えます。
そのためには、自社に合った業務フローシステムを選び、フローの作成と各作業の管理に活用していくことが求められます。当社の「二次元ワークフロー・ソリューション」は、業務プロセスと承認プロセスをつなぐ連携サービスです。業務と承認が速やかに連携されることにより、承認の効率化を図ります。二度手間や多重管理、プロセスの分断にお悩みの際には、ぜひ 二次元ワークフロー・ソリューションをご活用ください。
業務フロー図を作成することで、業務の流れを明確にするだけでなく、問題点の特定にもつながります。また視覚化されるので、業務の流れを把握しやすくなるでしょう。
業務フロー図の作成には目的と作成ルールを定めておき、作成者ごとにばらつきがないようにしてください。誰が見てもわかるためにも、統一されたルールで書くべきです。
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