コラム

2024.03.11業務フロー

業務プロセスと業務フローの違いとは?

ビジネスの現場で良く使われる言葉に、「業務プロセス」と「業務フロー」があります。どちらも似たような言葉ですが、明確な定義の違いまでは把握していない、という方もおられるかもしれません。
この記事では、業務プロセスと業務フローの違いや、業務フローをいかに可視化すれば良いかといったポイントをご紹介します。

 

 

 

 

 

業務プロセスと業務フローの基本概要

業務プロセスと業務フローは、企業活動において重要な役割を果たします。まずは、業務プロセスと業務フロー、それぞれの定義と違いを解説します。

 

 


業務プロセスと業務フローの違いとは?

 

 

業務プロセスとは

「業務プロセス」という言葉は、使用するシチュエーションや文脈によって解釈に幅がありますが、簡単にいえば「日常的に行われる業務の連なり」を指します。

 

企業が利益獲得のために行う活動は、いくつもの業務がつながっています。製造から営業・販売といった直接営利につながるものから、経理・総務・人事といった会社の基盤を支えるものまで、複数の業務が関連しあっているのです。それら業務の連なりと、最終的な利益獲得までの流れを指して「業務プロセス」といいます。

 

企業は常に業務プロセスを改善し、効率化していくことが求められます。業務に関わる人・情報・フローを整理し、業務プロセスがスムーズに進むよう、数々の施策を打つことが必要です。具体的には、「業務時間・コストの削減やIT化の促進」を進めることが大切といえるでしょう。

 

業務プロセスの改善方法として高い成果を発揮し、多くの企業に取り入れられているのが、BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)という手法です。

 

BPMは、業務のプロセス(手順、役割分担、ルール)を、役割分担している関係者で共有することで、日々の業務の成果を向上させる経営手法です。

 

BPMでは、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を継続して回し、業務プロセスを改善していきます。改善を続けるので、企業の生産性も常に維持・向上できます。
 

 

業務フローとは

「業務フロー」という言葉も、時と場合によって解釈は多少異なります。「業務の流れ」のみを指す場合と、その流れを「わかりやすく図で表したもの」を指す場合があります。

 

「業務の流れを図で表したもの」として考えた場合、その役割・目的は「業務の流れの可視化」です。

 

業務プロセスは目に見えるものではないので、全体像を把握するとき、個人の解釈に頼ることになります。しかし、個人のものの捉え方やイメージに左右されてしまうと、各自で全く異なる解釈になってしまうかもしれません。
業務フローを作成すれば、業務プロセスのつながりを視覚的に把握できます。解釈のずれが起こりにくく、正確に業務の流れを共有できるのです。

 

チーム内でわかりやすい業務フローを共有すれば、各業務プロセスの課題がすぐにわかり、迅速な対応が可能です。業務に対する高度な分析や、リソースの適切な配置、業務の均質化による生産性の底上げとクオリティアップなどが期待できます。

 

 

 

業務プロセスと業務フローの違い

「業務プロセスと業務フローの違いがわかりにくい」という方もいるかと思いますが、基本的には同じようなものと捉えて構いません。

 

ただ、英語のプロセス(process)は「過程」や「手順」という意味があり、一方のフローは(flow)は「流れ」という意味です。

 

もともとの語意から考えれば、業務プロセスは業務の1つ1つと、それらがどのようにつながっているかを指す言葉といえます。

 

そして、フローはそれらのつながりがどのように影響しあい、顧客獲得や商品購入などのゴールに向かうかを指しています。

 

例えるなら、業務プロセスはマラソンのコースとチェックポイント、業務フローはランナーの流れです。

 

コースやチェックポイントに問題があれば、ランナーの走りにも悪影響を及ぼし、ゴールまで滞りなく進めません。また、実際にコースやチェックポイントを走ってみて、初めてわかる問題点もあるでしょう。

 

業務プロセスと業務フローの関係も同じです。業務プロセスに問題があれば業務フローはうまく流れませんし、業務フローから業務プロセスの改善点が見えてくることもあります。

 

 


業務プロセスと業務フローの違いとは?

 

 

業務プロセスに関するよくある課題

多くの企業が、現状の自社の業務プロセスに課題を抱えており、効率化の壁に直面しています。具体的には、どのような問題があるのか、よくある課題を3つ紹介します。

 

 

従来の進め方のままで、業務効率化を図れていない

企業のIT化やDX推進という言葉が定着してきていますが、企業の業務プロセスは、いまだに紙ベースでのやり取りや手作業も多く、非効率な部分が多く存在します。

 

資料作成や承認フロー、データ入力などが手作業で行われている場合、多くの時間と労力を必要とします。また、部門間の連携がうまく取れておらず、情報共有や意思決定に時間がかかり、業務が停滞してしまうケースもあります。

 

 

業務が属人化しており、担当者不在時に業務に支障が出てしまう

業務プロセスが定まっておらず、業務が属人化してしまっているという課題を抱える企業も多く存在します。
特定の担当者に業務が集中しており、その担当者が不在になったときに、業務が滞ってしまうのが属人化している状態です。属人化が進むと、以下のような問題が発生します。

 

特定の担当者にしか業務内容がわからないため、ノウハウが蓄積されない
担当者が離職した場合、業務を引き継ぐ人がいない
担当者が不在時に、業務が止まってしまう

 

属人化を防ぐためには、業務内容を可視化し、誰でも理解できるようにマニュアル化することが重要です。マニュアル作成も業務プロセス改善の手段です。

 

 

IT化が進まず、リモートワークに対応できない

近年、リモートワークやテレワークが普及していますが、IT化が進んでいない企業は、これらの働き方に対応できません。紙ベースでの資料共有や手作業でのデータ入力が多い場合、リモートワークでは業務効率が大きく低下してしまう可能性があります。

 

また、IT化が進んでいない企業は、セキュリティ対策が脆弱な場合が多いです。リモートワーク環境では、情報漏えいなどのリスクが高まるため、セキュリティ対策を強化する必要があります。

 

 


 

 

業務プロセスを改善する方法

業務効率化やコスト削減を実現するためには、業務プロセスの改善が不可欠です。しかし、闇雲に取り組んでも効果は得られません。そこで、ここからは業務プロセス改善を成功させるための4つのステップを解説します。

 

 

ステップ1:業務プロセスを可視化する(業務プロセス図を作る)

まずは、現状の業務プロセスを可視化することが重要です。具体的には、各作業の内容、担当者、処理時間、情報の流れなどを図式化します。フローチャート、業務フロー図などのツールを用いることで、誰でもわかりやすく全体像を把握できます。

 

可視化することで、ムダな作業や重複作業、非効率な情報伝達などが明確になります。これが、改善点の洗い出しに繋がるのです。

 

 

ステップ2:プロセス上の改善点を洗い出す

可視化された業務プロセス図を分析し、改善点を探します。具体的には、以下のポイントをチェックしましょう。

 

・ムダな作業(書類作成、承認手続きなど)
・重複作業(同じデータの入力、確認など)
・非効率な情報伝達(メール、電話、紙ベースでのやり取りなど)
・ボトルネック(特定の作業に時間がかかり、全体の処理速度が遅くなる)
・ミスが発生しやすい箇所

 

現場の担当者からも意見を聞き、改善点を見つけましょう。アンケートやインタビュー、意見交換会などを実施すると効果的です。

 

 

ステップ3:改善点に対して優先順位をつける

洗い出した改善点すべてを一気に解決しようとすると、時間やコストがかかりすぎてしまいます。そこで、改善効果と実現可能性を考慮して、優先順位をつけましょう。

 

改善効果は、売上向上、コスト削減、時間短縮など、具体的な数値で表せるものの方が望ましいです。実現可能性は、技術的な難易度やコスト、関係者の協力度などを考慮します。

 

 

ステップ4:改善策を検討・実行する

優先順位の高い改善点から順に、具体的な改善策を検討・実行します。

 

業務プロセス改善を実行するとなると、いきなり完璧を求める経営者が多いです。しかし、最初から完璧な改善をする必要はありません。テスト導入から始めて、問題点があれば改善をしていきましょう。

 

改善策として大幅な業務プロセス変更をすると、実際に業務を行う従業員も対応に時間がかかり、結果的に作業時間が増えてしまったというケースもあります。スモールスタートが重要であることを念頭に置きましょう。

 

 

 

良い業務フローを描くポイント

「業務の流れを図で表したもの」としての業務フローを描く場合、ポイントとなるのは「わかりやすさ」と「共有のしやすさ」です。

 

難解な図では、問題点もわかりにくくなってしまいます。なるべくシンプルに、誰が見てもひと目でわかるような図が理想です。

 

また、業務フローは、チーム全体の意識と業務への解釈を統一する目的もあります。そのため、共有のしやすさ、共通認識の作りやすさが重要といえるでしょう。

 

それでは、良い業務フローを描くとき、具体的にどのようなことを意識すべきか、具体的なポイントを見ていきましょう。

 

 

1. シンプルでわかりやすい図に

誰が見てもひと目でわかるような図が、良い業務フローの最も重要なポイントです。

 

特に、開始位置と終了位置は重要です。スタートがたくさんあると、何から始めるべきか迷ってしまいますし、ゴールがいくつもあれば、行き先がはっきりしません。良い業務フローは、開始位置と終了位置の業務がどちらも1つずつになります。

 

また、条件によって業務の流れが分岐する場合、「どのような条件」で「どの業務に移行するのか」をはっきりと記しましょう。

 

加えて、流れをわかりやすくするために、時系列に沿った業務の配置を行います。業務の順番がちぐはぐだと、全体の流れを把握しにくくなります。

 

時系列をわかりやすく配置し、さらには誰の(どの部署の)業務なのかをわかりやすく描くために、「スイムレーン」を使うのが一般的です。スイムレーンとは、プールコースのように縦に割った枠のことで、仕切られた部分(レーン)に人や部署を割り当てて使用します。

 

 

2. 基本図形を使用する

良い業務フローを描くには、いかに「見やすいか」といった点も大切です。

 

アイコンやピクトグラムを使用するケースもありますが、誰にでもわかりやすく、見やすくするには図形のほうが有効です。図形を使用すれば絵を描く技術も不要になるので、誰でも業務フローを描けるというメリットもあります。

 

基本的な図形にあらかじめ役割や意味を設定すれば、よりわかりやすくなります。業務フローを描くときに使用される、一般的な基本図形とその意味は次の通りです。

 

・丸や角丸:スタートやゴール

・長方形:各種作業や処理などのアクション

・ひし形:条件分岐、判断

 

ほかにも、別ページに渡ってフローをつなげる「接続」や、1つのプロセスを分割して記載する場合の「サブプロセス」などがあります。

 

業務フローで使う図形は、極端にいえば無限に設定可能です。しかし、あまり増やしすぎると、かえってわかりにくくなります。図形の数は、数種類程度に抑えるのが適切でしょう。

 

 

3. 作成する意図を理解する

良い業務フローを描くためには、描き方や図形の使い方だけでなく、「なぜ業務フローを作成するのか」という意図の理解も重要です。

 

業務フローを作成しただけでは意味がなく、そこからどのように活用するのか、目的を明確にしておく必要があります。

 

製造した商品の品質が不安定ならば、業務フローから「品質を落とす可能性がある業務」を読み取ることが目的になるでしょう。

 

生産性の向上や作業の効率化を目指すなら、業務フローから「無駄な業務」を洗い出すのが目的です。

 

医療現場のように不測の事態が起こりやすい業種では、業務フローから「緊急時に障害となり得る業務」を取り除き、滞りなく対処できるようにするのが目的になります。

 

上記のように作成意図をしっかりと設定すれば、何に着目すべきかが明確となり、質の高い業務フローを描けます。

 

 


 

 

失敗しない業務プロセス改善のコツ

業務プロセス改善は、企業にとって重要な取り組みです。しかし、改善をうまく進められず、結果が出ないケースも少なくありません。ここでは、失敗しない業務プロセス改善のコツを3つ紹介します。

 

 

「Quality(品質)」「Cost(費用)」「Delivery(納期)」のバランスがよい状態を目指す

業務プロセス改善を考える際には、「Quality(品質)」「Cost(費用)」「Delivery(納期)」の3つの要素を意識することが重要です。

 

しかし、これらの要素はそれぞれ影響し合うため、全てを完璧にすることは難しいといわれています。例えば、品質だけを追求すれば、費用がかさみ、納期も遅れることにつながります。逆に、費用を抑えようとすれば、品質が低下したり、人手不足などの問題で納期に間に合わなくなるかもしれません。3つの要素をバランスよく考慮することが、失敗しない業務プロセス改善のコツです。

 

 

業務の関係者との連携やフォローを怠らない

業務プロセス改善は、関係者全員の協力があってこそ成功します。そのため、改善計画の立案段階から、関係者全員としっかりと連携を取ることが重要です。

 

関係者との連携を怠ると、「改善の目的がわからない」「自分の仕事が増えるだけだ」といった従業員からの不満が生じ、改善活動が進まなくなるケースも考えられます。そのため、改善の目的や目標は明確にして共有を行い、改善までのスケジュールも全員が把握することが重要です。また、改善成功の確率を上げるためにも、業務プロセス改善後のフォローアップも丁寧に行いましょう。

 

 

改善後の効果測定や定期的な見直しが大切

業務プロセス改善を行った後は、必ず効果測定を行います。効果測定の際は、次の4つのポイントを重点的にチェックしましょう。

 

・作業時間が短縮されているか
・コストが抑えられているか
・品質が上がっているか
・顧客満足度が向上しているか

 

これらの項目を測定することで、改善の効果を定量的に把握できます。
また、定期的に業務プロセスを見直し、必要に応じて改善を行うことも重要です。業務環境は常に変化しているため、改善は1度行ったら終わりではなく、継続的に取り組みましょう。

 

 


 

業務プロセスを効果的に改善する方法

業務プロセス改善は、企業にとって重要な取り組みです。効率化やコスト削減、品質向上など、さまざまなメリットをもたらします。

 

しかし、改善活動は時間と労力がかかります。効果的に進めるためには、適切な方法を選択することが重要です。

 

ここでは、業務プロセスを効果的に改善する方法を4つ紹介します。

 

 

ITツールを活用し、業務を自動化する

近年、業務効率化に役立つITツールが数多く登場しています。例えば、以下のようなツールです。

 

・RPA 繰り返し行う単純作業等を自動化するツール
・ワークフロー 承認やタスク管理を自動化するツール
・チャットボット お客様対応を自動化するツール

 

これらのツールを活用することで、単純作業や定型業務を自動化し、人手を他の業務に回すことができます。また、自動化によって作業時間の短縮やミスの削減にもつながります。

 

 

業務の一部もしくは全体を外部に委託する

業務プロセスの一部、または全てを外部に委託するアウトソーシングも効果的な業務プロセス改善方法の1つです。

 

専門性の高い企業に業務を委託することで、品質向上が期待できます。また、人件費や設備費などのコストを削減できる場合も多いです。自社の従業員は、コア業務に集中できるなどアウトソーシングのメリットは多くあります。

 

ただし、アウトソーシングにはデメリットもあります。委託先の選定に失敗すると、期待通りの成果が得られないこともあるでしょう。また、情報漏えいなどのセキュリティリスクも発生します。

 

業務プロセスを外部委託した時のメリットとデメリットを理解した上で、慎重な判断が必要です。

 

 

業務可視化ツールを活用し業務の傾向を分析する

業務改善の第1歩は、現状の業務を正確に把握することです。しかし、頭の中にある業務の流れをすべて書き出すのは大変です。そこで役立つのが、業務可視化ツールです。具体例として、フローチャートやタスク管理ツールがあります。

 

業務可視化ツールは、誰が、いつ、どのような作業をしているのかを図や表でわかりやすく表示することができます。これにより、無駄な作業や重複している作業を見つけやすくなり、改善策を検討しやすくなります。

 

 

クラウドサービスを使用し、データの共有・管理をしやすくする

現代のビジネスにおいて、データ共有と管理は業務プロセス改善の鍵となります。しかし、従来のオンプレミス環境では、ファイル共有の煩雑さやセキュリティリスク、データ分析の難しさなどが課題となっていました。

 

そこで注目されるのが、クラウドサービスの活用です。クラウドサービスは、場所や時間に縛られないデータアクセス、高いセキュリティ、豊富な分析ツールなど、業務プロセスを効果的に改善する機能を提供しています。利用した分だけ料金を支払う従量課金制のサービスが多く、コスト削減が期待できる点もクラウドサービスの特徴です。

 

 


業務プロセスと業務フローの違いとは?

 

 

業務プロセス改善に役立つ「二次元ワークフロー・ソリューション」

業務フローの可視化と効率化にあたって、注目されているのがワークフローシステムです。

 

申請書や伝票など、従来は紙で管理していた業務を電子化し、一括で管理するのがワークフローシステムです。業務の効率化と同時に可視化もできるので、企業全体で業務フローを共有できます。

 

それらのなかでも、株式会社無限が提供する「二次元ワークフロー・ソリューション」は、業務プロセスと承認プロセスをつなげられる全く新しいワークフロー・ソリューションです。

 

業務プロセスだけでなく、社内の承認プロセスもワークフローシステムに組み込むことで、業務フローが途切れないシームレスな企業経営が可能になります。

 

テレワークや脱ハンコなど、現代の企業に求められる課題にも、二次元ワークフロー・ソリューションの導入で対応できます。

 

1ユーザーあたり月額330円(税込み)という格安料金で、導入やサポートの費用も基本無料というコストの低さが特徴です。

 

ぜひ二次元ワークフロー・ソリューションを導入して、自社の生産性を向上させましょう。

 

 


 

 

まとめ

企業の生産性向上や課題の解決には、業務プロセスの改善が必須です。そして、業務プロセスの改善は、個別の業務をどうにかしようとするのではなく、業務フローから全体を俯瞰することが重要です。

 

株式会社無限の二次元ワークフロー・ソリューションなら、業務フローの可視化と効率化が同時に可能で、業務プロセスの問題点もすぐに洗い出せます。テレワークや脱ハンコの促進にもつながるので、ぜひ導入し、より良い企業経営に役立てましょう。

 

 


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