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2021.10.11ワークフロー

業務提携(連携)契約書とは?重要性や記載しておきたい事項を詳しく解説!

「コンビニA社と通信販売会社B社が業務提携」など、業務提携(連携)の話題がニュースや新聞でよく報道されていますが、企業間で業務提携(連携)をする場合、必要となるのが「業務提携(連携)契約書」です。

 

ここでは、「業務提携(連携)契約書」が一体何か?その必要性とその具体的内容について解説します。 

 

 

業務提携(連携)契約書とは 

業務提携(連携)とは、独立した複数の企業(事業者)が、互いの技術・ノウハウ・人材・ネットワークなどの経営リソースを持ち寄って事業を行うことです。アライアンス(alliance(直訳すると「同盟」)とも言われ、新商品開発や収益増加、コスト削減などを実現させ、競争力を強化する目的で行われます。

 

業務提携(連携)の魅力は、協力関係が特定分野や一部の業務におけるものなので、企業の独立性を維持できる点です。業務提携(連携)の解消もそれほど困難ではありません。資本提携(連携)やMAのように資本移動は行われないため、一般的に事業者同士の力関係は対等です。

 


業務提携(連携)には以下のようなものがあります。

 


・通信事業会社Aと教育コンテンツ開発会社Bが、共同で小学生向けの学習コンテンツ配信サービスを行う。
・ディスプレイ開発に力のある電子機器メーカーAとパソコンメーカーBが、共同でより高画質のノートパソコンを開発する。
・商品開発力は高いものの営業力が低い化粧品メーカーAが、全国ネットワークをもつエステサロンBと提携(連携)して、販路の拡大を図る。

 


このような業務提携(連携)を行う場合に、企業間で締結される契約書が「業務提携(連携)契約書」です。 

 

業務提携(連携)契約書の必要性 

業務提携(連携)のメリットは、自社にはない技術やノウハウを相手企業から得て、事業を拡大できる点です。
業務提携(連携)によって、お互い「win-win」の関係になるのが理想的でしょう。

 


しかし、業務提携(連携)は役割分担や利益の配分、情報の取り扱いをめぐったトラブルが発生しやすいのも確かです。単なる担当者同士の口約束では、何かあったときに「言った、言わない」でさらに揉める可能性も出てしまいます。

 


そこで、トラブルを未然に防ぎつつ自社の利益を守るために、目的や役割などを明確に記した「業務提携(連携)契約書」を締結する必要があるのです。 

 

 

業務提携(連携)契約書に記載するべき事項 

業務提携(連携)を滞りなく進めるためには、どんなことを業務提携(連携)契約書に盛り込むべきでしょうか。
実は業務提携(連携)契約書は、法律による明確な定義づけが行われていません。

 

そのため内容に関しては自由度が高く、どちらか一方の企業に有利(不利)な条件での作成も可能です。

 


自社の利益を守るためにも、業務提携(連携)契約書に盛り込むべき内容をチェックしておきましょう。特に重要な7つのポイントについて解説します。 

 

1.目的

何のための業務提携(連携)なのかをまず明らかにします。目的をはっきりさせれば、それぞれの企業が担う役割も明確になります。

 


「目的」の条項は、その他の条項について食い違いが生まれた時に、解釈の指針になる重要な項です。
業務提携(連携)契約書の土台に当たるものと考えてもいいでしょう。 

 

 

2.業務・役割分担

業務提携(連携)における業務内容とその範囲を明確にします。責任分担をはっきりと記せば、トラブルを防止できるからです。

 


具体的には企画・開発・営業・広告宣伝などを誰が担い、誰が費用を負担するかを明記します。また、予想しうるトラブルについて、その対処法や誰が担当するかについても触れておけば、問題が起こった時に迅速に対処できます。 

 

 

3.知的財産権

業務提携(連携)により生まれた成果物(開発した新商品など)や知的財産権などの権利は、どちらの企業のものになるかを明記します。この部分をはっきりさせておかないと、相手企業が業務提携(連携)で得た成果物を悪用して事業を始めたり、共同開発した技術を独占したりする恐れがあるからです。

 


知的財産権や、以下で説明する収益分配に関してはトラブルになるケースが多いので、契約締結時に十分に検討する必要があります。 

 

 

4.収益分配・費用負担

業務提携(連携)によって得られた収益をどのように分配するかを記載します。収益の分配は、業務提携(連携)への寄与度が反映される、つまり寄与度が大きいほうが多く利益を得るのが一般的です。

 

どちらか一方の企業の寄与度が大きい場合、前払い金(アドバンス)を支払うケースもあります。

 


また、費用負担は事業への寄与度に関係する重要な指標なので、併せて明記します。

 


なお、独立性の高い企業同士の提携(連携)の場合、費用負担については「各自の契約に基づく業務で発生した費用については、各自で負担する」などと決めるケースもあります。

 


「収益分配・費用負担」はお金に関わる重要事項なので、締め日や支払い方法など、詳細を詰めた記載が必要です。 

 

 

5.秘密保持義務

業務提携(連携)は、複数の企業が協力して事業を行うものです。そのため、重要な企業秘密をクローズしたままでの進行は現実的に不可能でしょう。必然的に相手企業と自社の技術やノウハウ、時には顧客情報を共有することになります。

 

一方、自社の保有する機密情報が外部に漏れた場合、被るダメージは計り知れません。
そこで、業務提携(連携)をするうえでは、知り得たお互いの企業秘密を外部に漏らさないためのルールが必要になります。これを「秘密保持義務」と言います。

 


自社だけでなく、相手企業が提供する情報の取り扱いに関しても十分な注意が必要です。

 

具体的には、企業秘密の範囲と情報の管理方法、目的外での利用禁止のほか「秘密保持義務は、本契約終了後○年間有効に存続する」「従業員の退職後も秘密保持義務を遵守する」といった秘密保持義務の有効期間などを明記します。 

 

 

6.支配権の変更

支配権とは、議決権のある株式の三分の二以上を所有している状態を指します。簡単に言うと実質的に企業を支配する権利です。

 


業務提携(連携)契約を結ぶ場合は「相手企業が他社に買収された」など、相手企業の「支配権」が変更された場合に備えておく必要があります。というのは、相手企業を買収した企業が自社のライバル企業だったら、自社の技術やノウハウが流出する恐れがあるからです。

 


そこで、支配権が変更された場合には業務提携(連携)契約を解除できる権利を明記しておきます。 

 

 

7.契約期間

いつまで業務提携(連携)を行うのか、期間を定めて記載します。

 

ただし、「提携(連携)の必要性がなくなった場合や信頼関係が破壊されたような場合には、定められた期間内であっても契約を解除できる」「期間を延長する必要性が生じたときには契約延長ができるようする」といった内容も盛り込むのが望ましいでしょう。

 


なお、自社が親事業者となる業務提携(連携)を行う場合、相手企業の規模によっては下請法(下請代金支払遅延等防止法)の対象になる可能性があります。下請法は親事業者による下請事業者に対する優越的地位の濫用行為を取り締まるための法律です。

 


もちろんすべての企業に適用されるわけではなく、特定の資本金規模および取引内容に該当する場合に限ります。
対象となる場合、業務提携(連携)契約の内容によっては下請法が定める禁止事項に触れることがあるので、注意が必要です。 

 

まとめ 

技術の進化がめざましく変化の大きいビジネス環境において、今後さまざま業務提携(連携)が展開されることが予想されます。業務提携(連携)は企業としての独立性を保ちつつ、自社にないものを他の企業と補い合って収益を上げるという大きなメリットがあります。

 

しかし、「相手企業の担当者が信頼できるから」と内容をよく検討せずに業務提携契約書を締結すると、利益が入ってこない、自社の技術や顧客情報が流出するなどのトラブルを引き起こすリスクがあります。

 

契約書を締結する際は自社内で精査することはもちろん、企業弁護士のリーガルチェックを受けることも視野に入れましょう。

 

まずはしっかりとした契約書を締結し、有意義な業務提携を目指してください。 

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