コラム

2021.01.26AI-OCR

電子帳簿保存法でかわる電子書類の保存方法とは?

インターネット技術の進展や、スマートフォンなどの端末の普及により、今では様々な書類が電子保存されるようになりました。中でも、電子帳簿保存法の施行・改正により、帳簿などの書類の電子保存が認められるようになったことは記憶に新しいでしょう。本記事では、電子帳簿保存法の概要や、これによって認められている保存方法について解説します。

 


改正電子帳簿保存法への対応と注意点

 

 

 

 

 

電子帳簿保存法とは

「電子帳簿保存法」とは、国税帳簿書類を電子データとして保存することを認める法律です。正式には「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」と呼ばれ、19987月に制定されています。その後、2005年にe-文書法が施行されたことに伴い、「電子帳簿保存法」は改正され、従来は紙媒体であった国税関係の書類の電子化した保存が認められるに至りました。

 

電子帳簿保存法の背景には、インターネットの普及などで情報が高度化、あるいはペーパーレス化が進展する中、会計処理においても電子的な帳簿書類の作成が導入されたことで、企業などから帳簿書類の電子保存の容認に対する強い希望がありました。このような声に応える形で、適正公平な課題を保ちつつ、帳簿保存の負担軽減などを目的として同法の創設が行われています。

 

大きなメリットとしては、やはり紙媒体を保存・管理するコストや手間を削減できることです。紙として形のあるものなので、当然保存のスペースが必要となり、かつ必要時に取り出せるようファイリングもしなければなりません。

 

帳簿書類をすべて電子化できれば、これらのコストは不要となります。他にも、外部への送付にかかる郵送コストや、紛失リスクも抑えることが可能です。

 

対象となる書類

電子帳簿保存法に対応していくには、対象となる書類を把握しておくことが大切です。また、法律の名前からして「帳簿」のみが対象と捉えられがちですが、他の書類も対象になっているので確認してみましょう。

 

まず、「帳簿」については仕訳帳・現金出納帳・売掛金元帳・固定資産税台帳・売上帳・仕入帳・経費帳など、国税関係の帳簿が電子データとしての保存を認められています。その他の「書類」については、注文書・契約書・見積書・納品書・領収書・請求書などが対象です。

 

 


 

 

 

電子帳簿保存法で認められる保存方法

ここでは、電子帳簿保存法により認められている「保存方法」について解説します。電子帳簿保存法以前は、基本的に紙媒体での保存が主流で、保管スペースや管理コストがかっていましたが、それがどのように変化していったのでしょうか。

 

電磁的記録による保存

まずは「電磁的記録」ですが、この中でも「電子データによる保存」と「マイクロフィルムによる保存」の2つに分類できます。

 

いずれもコンピュータで作成したデータを何らかの媒体で保存しますが、「電子データによる保存」はPDFなどの電子ファイルやDVDCDなどで保存することを指します。「マイクロフィルムによる保存」は、そのままマイクロフィルム(通称:COM)で保存することを指します。手書きの帳簿などは「電磁的記録による保存」の対象にはなりません。

 

スキャナ保存

一方「スキャナ保存」は、紙媒体の書類を電子データで保存することを指します。2005年に行われた電子帳簿保存法改正に際して、スキャナ保存制度が導入されたことにより可能となりました。

 

もともとスキャナ保存にも制約があり、契約書や領収書に記載された金額が3万円未満に限定されていましたが、2016年には要件が緩くなり、金額の制約はなくなりました。さらに、近年のスマートフォンにおけるカメラ機能の高度化を受け、2018年からはスマートフォンなどにより撮影したデータも認められるようになりました。


改正電子帳簿保存法への対応と注意点

 

電子帳簿保存法に伴う企業に求められる管理体制

電子帳簿保存法の導入や改正を受け、企業内で求められる書類の管理体制も変化しています。

 

管理システムの選定・準備

まずは、企業で扱う様々な書類を、電子データとして一元管理するシステムがあると便利です。特に経費精算については、企業規模が大きいほど領収書の種類も膨大となり、それらを管理するのは大変です。一方、従業員としても、経費精算にあたり申請書の記入や領収書の貼り付けなど、面倒に感じる側面もあるでしょう。

 

これらを経費精算システムに代替し、スキャンも活用することで、経費精算や上がってきたデータの承認・管理の効率化につながります。

 

なお、経費精算のような管理システムを選定する際に注意すべき点もあります。

 

まずは、そのシステムが対応できる範囲を確認しておくことです。システムによって、経費精算に特化したサービスもあれば、あらゆる書類に対応したシステムなど種類は幅広く存在します。自社で求める要件を明確にし、それに対応したシステムを選定しましょう。

 

また、システムの「提供形態」も事前に確認すべき事項です。大きく分けて「クラウド」と「オンプレミス」があり、前者は初期導入コストやモバイルアクセスの利便性に、後者はカスタマイズの柔軟性やセキュリティ面などに優位性があります。その他、スマートフォンに対応したものもあるため、自社での運用に適した形態を検討することが大切です。

 

事前の承認申請

電子帳簿保存法に基づき、書類の電子保存を活用していくには、これを開始する3ヶ月前までに、所轄の税務署長などに必要書類を提出しなければなりません。提出するのは、スキャナ保存の承認申請書や、電子保存に際して使用するシステムの概要の説明書などです。

 

この承認手続きを経たうえで、さらにいくつかの要件を満たすことにより、初めて同法が適用されます。

 

 


 

 

まとめ

電子帳簿保存法に基づき、文書を適切に電子保存し管理することで、企業としても管理が円滑になり、従業員としても経費の申請などがスムーズになります。電子帳簿保存法の施行当初から比較しても、スキャナ保存が認められるようになったり、スマートフォンによる撮影データも認められたりなど、利便性が向上しています。今後は、これらの電子データを効率よく、かつ適切に保存・管理することが重要となります。

 

無限が提供する「AI入力ソリューション」は、まさに書類の電子保存・管理に適したツールです。AIを駆使して手書きの帳票などの書類を取り込み、社内の関連システムとも連携しながら、効率的に管理・運用できます。特に、人為的なミスが起こりうる手書き書類の手入力による電子データ化を、機械学習も搭載したシステムが精度を高めながら自動で読み取ってくれるメリットは大きいでしょう。

 

本来は人が担わなくてもよい業務をAI入力ソリューションで代替することで、従業員はより生産性の高い業務に集中することができ、企業の業績向上にもつながります。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

 


 

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