コラム

2021.01.26AI-OCR

これからは電子署名の時代。電子書類と印鑑の関係

ペーパーレス化が進む現在、電子署名(電子印鑑)の利用が以前よりも一般的になってきました。契約書類などを電子書類化するうえで、電子署名の導入は必要不可欠です。本記事では、そんな電子署名(電子印鑑)の概要や導入するメリット・デメリットについて解説していきます。

 

 

 

電子署名とは

「電子署名」とは、その名の通り、紙の書面ではなく電子文書に対して署名・捺印を行うことを指します。電子署名にはもっと細かな定義があり、「その電子文書が正式なものであり、かつ改ざんされていないことを証明するもの」とされています。

 

従来では、契約書類などに署名をする際、紙面に直筆でサインと捺印をするのが一般的でした。しかし、昨今はそういった契約業務においてもペーパーレス化が進められており、電子署名の需要が高まってきています。

 

現在、海外諸国ではすでに各種業務のペーパーレス化が浸透しており、日本は「ペーパーレス後進国」ともいわれているそうです。そのような背景もあり、今後ペーパーレス化を推進していくためにも、電子署名の導入は必要不可欠といえるでしょう。

 

電子署名の仕組み

電子署名の仕組みを知るうえで重要となってくるのは、電子証明書発行のプロセスとタイムスタンプ付与のプロセスです。

 

電子証明書を発行する際、最初に認証局へ電子証明書の発行申請を行います。発行手続きが完了したのち、電子証明書を取得し電子署名を行ったうえで、契約者へと送信します。その契約書は電子証明書によって暗号化されており、これを受け取った契約者は、電子証明書の改ざんや偽装がないことを確認できるようになっています。

 

電子証明書を暗号化する際に用いられるのが、「ハッシュ値」と呼ばれる関数です。このハッシュ値を用いることによって、元のデータを手掛かりなしに復元することが難しくなります。したがって、このハッシュ値を用いて暗号化することにより、電子証明書の内容及び電子署名に偽装がないことを確認できるのです。

 

また、電子署名の仕組みを説明するうえで、タイムスタンプ付与の仕組みも忘れてはなりません。タイムスタンプとは、それが刻印されている時刻以前にその文書が存在し、その時刻以降文書が改ざんされていないことを証明するためのものです。

 

タイムスタンプ付与の際は、電子証明書のハッシュ値とタイムスタンプのハッシュ値が一致するように発行されるので、タイムスタンプを確認することによって、内容に改ざんがないことを証明できます。

 

一見、直筆の署名や押印に比べて、偽装や改ざんがされやすいように感じられる電子署名ですが、このような仕組みにより安全に利用することが可能です。

 

電子署名と電子サインの違い

しばしば混同されやすい「電子署名」と「電子サイン」ですが、これらの間には明確な定義の違いがあり、証拠力としての強力さも異なります。結論からいうと、電子署名と電子サインでは、前者のほうが証拠力は強くなります。

 

まず、電子署名は導入時の段階で「電子証明書」が必要になります。電子証明書は、先ほど簡単に触れたように、認証局から発行されるものです。さらに、ハッシュ値で暗号化されることによって、改ざんや偽装を防ぐという効果もあります。

 

そして、電子署名と電子サインとでは、本人確認の方法にも違いがあります。電子署名の場合は、本人確認をする際に認証局による本人確認(印鑑証明や企業DB+電話確認)が必要ですが、電子サインの場合はメール認証のみとなっています。

 

上記のような理由から、電子署名と電子サインは状況に応じて使い分ける必要があり、本人性の担保という面でも電子署名のほうが、証拠としての効力が高いとされているのです。

 

 

電子署名の法的な効力

続いては、電子署名の法的な効力について詳しく見ていきましょう。

 

ペーパーレス化が以前にも増して推進されているという背景もあり、日本の契約上で電子署名は適法です。例えば、法人間の商取引契約や不動産の一般賃貸・売買契約、人事関連文書など、以前は紙の契約書が主流だった各種契約においても、電子署名を使用することができます。

 

もちろん遺言書や定款、定期不動産賃貸借契約など電子署名の使用が適切でないとされている契約内容もあるため、その点には注意が必要ですが、電子署名を使用した契約は今後、より一般的になっていくでしょう。

 

電子署名導入のメリット

電子署名導入には、数多くのメリットがあります。ペーパーレス化が進むことによって、地球の環境問題改善に効果的なのはもちろんのこと、企業にとっても様々なメリットが期待できます。ここからは、電子署名導入のメリットについて解説していきます。

 

書類電子化で大幅なコストカット

電子署名導入の大きなメリットとしては、まず大幅なコストカットができるという点が挙げられます。紙の契約書を使用する場合、紙代やインク代はもちろんのこと、印紙代や切手代、契約書の保管場所の確保に掛かる各種経費など、数多くの支出があるでしょう。さらに、多くの契約書を扱えば扱うほど、保管するためのスペースも必要となります。

 

しかし、書類を電子化できれば、紙を毎回印刷したり、スペースを費やして契約書を保管したりする必要がなくなり、大幅なコストカットが期待できます。

 

例えば契約関連書類だけでなく、見積書や請求書、納品書なども電子化することによって、今まで印刷などに費やしていた額を大幅にカットすることが可能でしょう。

 

契約業務のスピード向上

契約業務のスピード向上という面でも、書類電子化にはメリットがあります。

 

紙の契約書を使用する場合、印刷⇒押印⇒郵送⇒押印⇒返送というプロセスを踏まなければなりません。さらに、紙の契約書の場合は、印刷や封入、郵送のプロセスを踏むためにどうしても人の手が必要となるため、人件費も余計に掛かってしまうというマイナスポイントがあります。

 

しかし、契約書類を電子化することによって、印刷や郵送などのプロセスを省略し、かつ法的効力のある契約書類を作成できます。したがって、契約業務における各種書類を電子化することは、業務の効率・スピードアップを見込めるだけでなく、余計に掛かってしまっている人件費の削減にもつながるでしょう。

 

電子署名導入のデメリット

このように様々なメリットがある電子署名ですが、いくつかデメリットも存在します。メリット・デメリットを正しく理解したうえで、導入を検討することが大切です。

 

契約フローの変更が手間

まず、電子署名導入のデメリットとして挙げられるのは、契約フローの変更に手間が掛かるという点です。書類の電子化や電子署名を一度導入して、それらを扱った業務が業務フローとして定着してしまえば問題ないのですが、やはり大幅な変更を要するため、手間が掛かるのも事実です。

 

電子署名を導入する際は、電子契約ツールの導入や、従来の業務プロセスの変更、社内の全部門の変更などに伴い、どうしても大きな作業工数が掛かってしまうことを念頭に置いておきましょう。

 

電子契約できない契約書が存在する

契約書の中には、定期建物賃貸借契約や定期借地契約などのように、電子契約できないものもあります。というのも、この手の契約では、法律に基づき書面による契約・書面による契約書の交付が義務付けられているからです。

 

電子署名を導入する際は、このように紙での契約が必須とされ、電子契約できない契約書が存在することにも注意しなければなりません。

 

 

まとめ

今回は、電子署名(電子印鑑)の概要や導入時のメリット、デメリットについて紹介しました。ペーパーレス化が進み、テレワークなどの新しい業務形態が一般化しつつある現在、業務の電子化がより必要性を増しています。契約業務などの電子化を推進していきたいものの、業務フローの変更などの手間を考えると尻込みしてしまうという方には、無限の「AI入力ソリューション」がおすすめです。

 

AI入力ソリューションでは、入力業務全体のプロセスに対して、多方面からの課題解決が可能です。例えば、これまで手書きで作成されてきた帳簿などがあれば、それらの書類の電子化をサポートしてくれます。業務の大幅な見直しが必要な場合、ぜひ一度、このようなITを用いたソリューションを利用してみてはいかがでしょうか。

 

 

 


 

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