コラム

2024.02.01ワークフロー

承認ワークフロー効率化のためには?承認ルートの重要性と基本型を理解しておこう

承認ワークフローとは、業務の実施や決裁を行う際に承認者を決定し、承認の順序やタイミングを決めることです。承認ワークフローを効率化することで、さまざまなメリットが得られます。業務の効率化を図るためには、適切な承認ルートの設定が重要です。

 

本記事では、承認ルートの重要性と基本型について解説します。また、その4つの基本形についても紹介します。承認ワークフローの効率化に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

 
 

 

 

承認ワークフローとは?

承認ワークフローとは、企業における特定の業務申請が承認されるまでのプロセスを指します。

 

例えば、出張申請の場合、申請者が書類を作成し、上司や経理部門の承認を経て、出張が承認されます。このような一連の手続きが承認ワークフローです。

 

このワークフローがないと、顧客のニーズに迅速に対応できない、誤った経営判断をするリスクが高まるといったことが起こるため、多くの企業で導入されています。業務の効率化と正確性を高め、組織の迅速な意思決定を支援する重要なツールです。

 


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承認ワークフローで重要な「承認ルート」とは

「承認ルート」とは、申請書類や提案がどのような順序で、どの担当者や部署を経由して承認されるかを定めたルートのことです。

 

このルートは、企業や組織の規模、構造、業務の種類によって異なり、効率的かつ適切な意思決定を行うために重要な役割を担います。

 

例えば、新しいプロジェクトの提案の場合、まず担当部署の責任者が内容を確認し、上位の管理職、最終的には経営陣の承認を得るといった具体的な承認ルートが設定されます。

 

適切な承認ルートが設定されることで、申請や提案が適切な判断を受け、企業のリスク管理や効率性が保たれるのです。

 

また、承認ルートは透明性を持ち、全員が理解しやすい形で設定されることが望ましく、業務の迅速化と誤解の防止に寄与します。承認ルートの明確化は、組織内のコミュニケーションをスムーズにし、効率的な業務運営に欠かせない要素です。

 

 

承認ルートが重要な理由

承認ワークフローを業務に取り入れる際、最も考慮するべきことは「適切な承認ルート」を設定することです。なぜ重要とされているのか、その主な理由を2つ紹介します。

 

不正や情報漏洩などのリスク防止になる

理由の1つ目は、不正行為や情報漏洩のリスクを防止する点にあります。

 

明確な承認ルートを設けることで、どの担当者がどの段階で承認を行うのかがはっきりとし、その過程での透明性が確保されます。これにより、不正や情報漏洩のリスクが低減され、業務の安全性が向上するのです。

 

適切な承認ルートがない場合、不正行為や情報漏洩を防ぐためのチェック機能が機能せず、企業にとって重大な問題を引き起こす可能性があります。

 

そのため、承認ルートは常に関係者が簡単に確認できるように公開し、更新することが重要です。このようにして、ワークフローの透明性を保つことで、企業のリスク管理に役立てることができます。

 

承認者の不在時に備えられる

2つ目は、承認者の不在時に備えられる点です。

 

承認ルートが明確であれば、承認者が不在の場合でも、誰が代理で承認を行うのかを把握できます。そのため、承認の遅延や滞留を防ぐことができるのです。

 

例えば、出張申請で上司が不在の場合、経理部長が代理で承認を行うと決めておくと、経理部長は代理として承認を行うことができます。これにより、出張承認の遅延防止になります。

 

このように、承認ルートは承認者の不在時に備えることで、業務の円滑な進行にも役立ちます。

 


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承認ルートには4つの基本型がある

企業が利用する承認ルートには、大きく分けて4つの基本形があります。これらは、承認者の数やスピード感、用途に合わせて使い分けられています。

 

ここからは、4つの基本形について詳しく解説します。

 

①直線型

直線型は、4つの基本形の中で最もシンプルでわかりやすい型です。

 

申請者から決裁者まで、1本の線でつながっています。シンプルなルートのため、管理しやすく、承認までの時間が比較的短いことが特徴です。

 

以下のようなケースで直線型が用いられます。

 

・承認者が決まっていて、承認内容が複雑ではないケース

・迅速な承認が必要なケース

 

例えば、部署内の稟議や社内イベントの開催申請など、承認者が決まっていて承認内容が複雑でないケースに適しています。

 

②指名型

指名型は、承認者が途中で新たに承認者を追加できる型です。

 

申請者が承認を進めていく中で専門的な知識や判断が必要となった場合、新たに承認者を追加することで承認の質を高めることができます。また、従来の紙ベースの承認フローのように柔軟に対応できる点が特徴です。

 

例えば、新商品の開発申請や海外進出の申請など、承認内容が複雑で専門的な知識や判断が必要となるケースに適しています。また、突発的な作業など、承認者が決まっていない場合にも指名型を使用すれば、承認者を柔軟に決めることができます。

 

メール設定により、承認ルートに追加された人はメールで通知を受け取ることができるため、見逃し防止対策も可能です。

 

③条件分岐型

条件分岐型は承認の内容・金額など、条件によって柔軟に調整できるため、幅広いケースに適用できます。

 

 

申請金額によってルートが変わる場合

申請金額によって条件分岐し、ルートが変わるワークフローも多く存在します。

 

申請金額が特定の金額を超えた場合に、別の承認者の追加により、承認のレベルを上げることができます。

 

申請金額が10万円未満の場合は、部長の承認で完了する

 

申請金額が10万円以上の場合は、部長の承認の後、役員の承認を得る

 

上記のように申請金額によってルートを変えることで、承認のスピードと質のバランスが取れます。

 

 

申請内容によってルートが変わる場合

申請内容に合わせて条件分岐し、ルートが変更する場合もあります。

 

このケースはどのような申請内容なのか、誰が申請したかによってルートが変わります。

 

備品発注の場合、「現場責任者→係長→課長」にルートが設定されていると仮定しましょう。

 

登録されている係長が備品発注を行った場合は、現場責任者のフローが飛ばされます。

 

グローバルに展開してる企業などでは、国内での業務なのか国外での業務なのかによっても条件分岐されることもあります。

 

④並列型

並列型は、4つの承認ルートの基本形の中でも最も複雑な型です。

 

複数部署、複数プロジェクトにかかわる業務の申請を行う場合に利用されます。

 

部署ごとに責任者を立て、複数人の承認者を設定します。承認者設定後は以下の3パターンで申請の許可/拒否が判断されます。

 

・AND承認・合議

・OR承認

・多数決承認

 

多くの企業では、AND承認もしくはOR承認が採用されています。

 

 

AND承認・合議

AND承認は、複数の承認者の承認を全て得なければ承認が完了しない方法で、合議とも呼ばれます。

 

AND承認は、以下のケースに使用されます。

 

承認内容が複雑で、複数の視点から検討が必要なケース

 

承認者のスキルや判断力が重要となるケース

 

AND承認のメリットは、承認の質を高めることができること、複数の視点から検討できることが挙げられます。

 

一方で、承認者が増えることで、承認までの時間が長くなる可能性があるというデメリットもあります。

 

 

OR承認

OR承認は、複数の承認者の承認のうち、いずれかの承認を得れば承認が完了する方法になります。

 

承認までの時間が短く、効率的な承認が可能な点が特徴です。AND承認とは異なり、承認者が休んでいる場合やワークフローを見逃している場合でもワークフローを進められる点がメリットです。

 

しかし、承認の質が落ちることが懸念されるため、専門知識の求められる業務には不向きといえるでしょう。

 

 

多数決承認

多数決承認は、複数の承認者のうち、過半数の承認を得れば承認が完了する方法です。

 

承認の質を維持しながら承認のスピードを高めたい場合は、多数決承認を用いるとよいでしょう。

 

並列型は、長期プロジェクト、大規模プロジェクトに特に向いている承認ルートです。大きなプロジェクトを担当している責任者はぜひ参考にしてください。

 


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紙ベースの承認ワークフローで発生する課題

現代では、紙ベースではなく、電子化によるクラウド型の承認ワークフローが主流となっています。

ここからは、紙ベースで発生する課題を解説します。

 

承認の進捗状況が見えにくい

紙ベースの承認ワークフローでは、進捗が確認しづらいことが課題として挙げられています。

 

承認のための書類が担当者から担当者に手渡しされるため、現在書類がどこにあるのか、承認状況がどうなっているのか、申請者や担当者が把握することが難しいです。

 

また、進捗が確認できないため、承認にかかる時間が不明確で、遅延するリスクもあります。さらに、承認書類が紛失する可能性もあります。

 

書類の印刷や保管にコストがかかる

紙ベースで発生する課題として、書類の印刷や保管にコストがかかることがあります。

 

紙ベースでは、承認書類を印刷して手渡しが必要です。そのため、大量の書類を印刷する必要がある場合、印刷コストがかさむ可能性があります。

 

また、承認書類は保管しておく必要がありますが、紙の保管場所を確保するコストや、保管するための紙やファイルなどのコストも必要です。

 

さらに、承認書類の検索や取り出しに時間がかかり、業務の効率が低下するというデメリットもあります。

 

承認までに時間がかかる

紙ベースで発生する課題として、承認までに時間がかかることが挙げられます。

 

承認書類が物理的に移動する必要があるため、申請者から承認者まで、承認書類が手渡しで渡されることになります。そのため、承認書類が承認者のところまで届くまでに時間がかかるのです。

 

また、承認者が不在や繁忙の場合には、承認が遅延する可能性があります。さらに、承認者同士で調整が必要な場合には、調整にさらに時間がかかります。

 


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承認フローの効率化にはワークフローシステムが便利!

承認フローの効率化には、「ワークフローシステム」の導入が有効です。

 

ワークフローシステムは、申請から承認までの手続きを電子化・自動化するシステムです。紙ベースの承認フローと比べて多くのメリットがあります。

 

ここでは、主なメリットを3つ紹介します。

 

承認の進捗を可視化できる

紙ベースの承認フローの場合、申請書が承認者の元に届いたかどうか、承認作業は進んでいるかどうか、といった進捗状況が把握しづらいという課題があります。

 

そのため、申請者が承認の進捗状況を把握するために、承認者に問い合わせをしたり、承認フローを管理する担当者に確認したりするといった手間がかかっていました。

 

ワークフローシステムでは、システム上で承認フローの状況をリアルタイムで確認できます。

 

申請者は、自分の申請がどの承認者のところまで進んでいるのか、いつ承認されるのか、といった情報をいつでも確認できます。

 

印刷や保管にかかるコストを削減できる

印刷や保管にかかるコストの削減は、ワークフローシステムの大きなメリットの1つです。

 

紙ベースの承認フローの場合、申請書を印刷して、承認者に回覧する必要があります。また、承認された申請書の保管も必要です。

そのため、以下のようなコストが発生していました。

 

印刷代

紙代

郵送代

保管場所の確保

保管管理の工数

 

ワークフローシステムでは、申請書を電子化してシステム上で承認作業を進めることができるため、上記のようなコストが削減できます。

 

承認までのスピードが速くなる

承認までのスピードアップは、ワークフローシステムの大きなメリットの1つです。

 

紙ベースの承認フローは、申請書が承認者に届くまでに時間がかかったり、承認者が不在で承認作業が滞ったりといったケースが少なくありません。そのため、承認までのスピードが遅くなってしまうという課題がありました。

 

ワークフローシステムでは、申請書を電子化して、システム上で承認作業を進められます。そのため、申請書が承認者に届くまでの時間を短縮できます。

 

さらに、クラウド型のワークフローであれば、承認者が外出中でもリモートワークを行っていても承認作業を進めることができます。
 


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承認ワークフローシステムなら「ツナグ・ワークベース」がおすすめ!

承認ワークフローシステムでおすすめのサービスが「ツナグ・ワークベース」です。ここからは、ツナグ・ワークベースの特徴を紹介します。

 

既存の紙の申請書を電子化できる

ツナグ・ワークベースは、ブラウザを利用するタイプのワークフローシステムです。

 

OCR(光学文字認識)機能と連携することで、既存の紙の申請書を電子化できる点が特徴の1つです。

 

この機能を使うと、紙の申請書をスキャンしてツナグ・ワークベースにアップロードするだけで、簡単に電子化が可能です。アップロードした申請書は、ツナグ・ワークベースの画面上で閲覧、編集、承認ができます。

 

さらに、紙ベースのワークフローで課題となっていた、紙代、印刷代、書類の保管場所といったリソースやコストの削減が可能になります。

 

低コストで導入・運用できる

ツナグ・ワークベースは、1ユーザーあたり月額300円、環境構築のための初期費用として50万円で利用可能です。

 

これまで紙の保管や印刷代、郵送費にかかっている費用を考慮するとコスト的なメリットを感じるのではないでしょうか。また、承認までのスピードも意思決定のスピードも速くなるため、効率化による企業の業績アップも見込めるでしょう。

 

他の業務システムと連携できる

ツナグ・ワークベースは、API連携に対応しています。API連携とは、異なるシステムを連携させるための仕組みです。

 

ツナグ・ワークベースのAPI連携は、既存のシステムを活用しながら業務効率化を図りたい企業におすすめです。

 

スマートフォンやノートパソコンからも使える

最近では、大規模プロジェクトほどリモートワークを推奨していたり、フレックスタイム制の導入を積極的に行ったりしています。

 

ハイブリッド出社やテレワークといった柔軟な働き方を実現したいという企業にもツナグ・ワークベースがおすすめです。

 

ブラウザを経由したシステムにより、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンで利用可能なため、申請や承認作業を会社に出社していなくても操作できます。

 

インボイス制度や電子帳簿保存法に対応

最新の制度である、インボイス制度や電子帳簿保存法に対応していることも特徴の1つです。

 

ツナグ・ワークベースでは、インボイス登録番号が記載された請求書にも対応しています。

 

電子帳簿保存法の要件を満たしながら、申請から承認までを行い、さらに電子帳簿保存までの対応が可能です。

 

 


 

 

まとめ

承認ワークフローの効率化には、承認ルートの重要性と基本型を理解することが欠かせません。承認ルートは、誰が承認・決裁に携わるのかを示すもので、承認フローを構成する重要な要素です。承認ルートを適切に設定することで、業務の円滑化、承認者の負担軽減、ミスや不正の防止といったメリットが得られます。

 

承認ワークフローの効率化は、企業の生産性向上や業務の改善につながる重要な取り組みです。ワークフローシステム導入によって、承認ワークフローの効率化をさらに進めることができます。

 

本記事で紹介した内容を参考に、自社の承認ワークフローの見直しを検討してみてはいかがでしょうか。承認ワークフローシステムを導入するならツナグ・ワークベースがおすすめです。
 

 


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