コラム

2023.08.16AI-OCR

OCR処理とは? 基本の仕組みやメリット、画像認識を向上させる方法など徹底解説

企業が保管する紙資料や手書き資料の中には、ビジネスに役立つインサイトが含まれている可能性があります。しかし、こうした資料の情報を手作業でデータ入力するのには、多くの時間と労力が必要です。

 

OCRの導入は、こうしたジレンマを抱える企業にとって有力な選択肢となります。本記事では、OCRの概要について分かりやすく解説します。
 

 

 

 

AI-OCR 選定ガイド

OCR処理とは?

 

OCRとは「Optical Character Recognition」の略称で、「光学的文字認識」と訳されます。これは、紙に手書きや印刷で記された文字情報や、PDFなどの画像データに含まれている文字情報を、テキスト形式のデジタルデータとして認識・変換処理する技術のことです。

 

つまりOCR処理とは、手書き文字や印刷文字、あるいは画像データの文字を読み取り、それをテキストデータとして扱えるようにすることを意味します。

 

 

OCRツールは、ベンダー企業から有料のツールとして提供されている場合もあれば、ウェブサービスとして提供されている場合もあります。

 

 

ペーパーレス化やデータ活用、そしてDXを進めるための手段のひとつとして、OCRは近年注目を集めています。以下で紹介するように、このOCR処理には大きく分けて3つのタイプがあります。

 

 

1.紙帳票などをテキストデータ化すること

 

 

第一のタイプは、紙帳票をはじめとする紙媒体に記載された文字をスキャンし、テキストデータとして読み取るものです。契約書や保管が必要な資料、あるいは書籍などをスキャンし、それらをデジタルデータ化することで、容易に管理・検索・編集ができるようになります。

 

 

テレワークが普及したこともあり、紙資料は携帯性や共有の点でも不便を感じることが増えています。しかしテキストデータ化されていれば、たとえ業務マニュアルのような分厚い資料でも、わざわざ持ち運ぶことなく簡単に活用可能です。

 

 

また、近年では電子帳簿保存法が改正された影響もあり、経理業務のデジタル化が進んでいることから、紙の帳票類を効率的にテキストデータ化できるOCR処理の需要はますます高まっています。

 

2.PDFからテキスト抽出すること

 

第二のタイプは、PDFからテキストデータ化するタイプのOCR処理です。この場合、すでにスキャンされてPDF化されたデータから文字情報を読み取ることになります。

 

 

PDFの特徴は、作成した端末やOSが異なる場合でも、同一のレイアウトやフォントで表示可能な点です。これにより、印刷物などの文字情報を同じ見た目で保存・配布できるため、業界を問わず広く利用されています。

 

しかし、PDFは根本的には画像ベースのフォーマットなので、単純にスキャンしただけのPDFファイルでは、テキストの検索や編集ができません。これは、PDF形式で保存された情報を活用するうえでの大きな課題でした。

 

その点、OCRを活用すれば、画像として保存されたPDFWordなどのテキスト形式へ簡単に変換可能です。これによりPDFの文章を編集したり、特定のキーワードを検索したりできるようになります。

 

そのため、PDFOCR処理は、PDFデータの再利用性を高めるうえで有効な手段といえます。

 

 

3.AIによってOCR処理を行うこと

 

第三のタイプは、AI(人工知能)を用いたOCR処理です。AIを用いたOCRツールは、一般に「AI-OCR」と呼ばれます。

 

AIは大量のデータからその特徴やパターンを学習し、それらをもとに、より精度の高い認識や解析ができるようになります。

 

そのためAI-OCRは、大量の学習データを利用することで、従来のOCR以上にさまざまなフォントや書体、レイアウトに柔軟に対応可能です。従来のOCRが苦手としていた手書き文字さえ、AI-OCRならば高精度で正しく認識できます。

 

 

さらに、AI-OCRは自己学習能力も持っているので、使用すればするほど、その識字精度を向上させていくのも特徴です。AI-OCRの登場によって、従来よりも高度で複雑な文書処理ができるようになりました。

 

 

関連記事:AI-OCRとは OCRとの違いや種類、導入メリットについて解説


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OCRの仕組み

 

OCRで文字をスキャンしてからデータ化されるまでには、画像の中から文字を切り出し、1文字ごとに特徴を解析・認識して各種のフォーマットに出力する、という段階的な作業が行われています。この章では、OCRという技術の仕組みをステップごとに解説します。

 

 

STEP.1文字領域を探して文字を切り出す

 

スキャナーやカメラで取り込んだ画像データの中には、背景やイラスト、罫線など読み取りたい文字とは関係のない情報も含まれています。

 

OCRの最初のステップでは、それらと文字情報を識別するために、画像処理技術によって文字領域を探し、1文字ごとに切り出しを行います。

 

STEP.2切り出した文字を1文字ずつ解析する

 

次のステップでは、ブロック内の行、さらには行内の文字を解析していきます。

 

文字領域の範囲は手動でも設定できますが、近年はほぼ自動で解析が可能です。文字領域を特定したら、縦書きか横書きか、どこからどこまでが一行なのか、文字列が何行あるのか、ルビは振られているかといったレイアウトを解析し、一行のひとまとまりとして切り抜きます。

 

そのうえで、事前に登録されているフォントデータをもとに、文字のバランスや特徴などを1文字ずつ照合し、文字の種類を識別していきます。

 

STEP.3認識された文字がデータ化される

 

識別された文字から、前後の文字や行などのつながりを読み取り、辞書などの情報をもとに訂正を行います。ソフトによって訂正機能の精度や仕組みは異なりますが、先述のように、最近ではAI技術を用いることで認識率を向上させたOCRも登場してきています。

 

訂正が終わると、文章がテキストデータとして出力されます。一部のOCRソフトでは、単にテキストデータに変換するだけでなく、PDFWordExcelなど任意のファイル形式を選択して出力・保存することも可能です。

 

Wordの形式で保存しておけば、PDFとして保存するよりも大幅にファイルサイズを縮小できるため、保存に必要なデータ容量の削減にも効果的です。

入力業務のDX化PDF

OCR処理をするメリット

 

紙資料や画像データをOCR処理することには、「検索性の向上」「入力・転記作業の効率化」「保管コストの削減」「データ活用の推進」といった数多くのメリットがあります。

 

この章では、OCR処理をすることで得られるこれらのメリットについて解説します。

 

メリット1:情報を瞬時に検索できる

 

紙の書類を保管する場合、過去のデータをさかのぼって調べるとなると、保管場所を探し当てるだけでも大変な手間になります。分厚い資料の中から特定の記述を探すとなれば、その労力はなおさら大きいでしょう。

 

しかし、OCR処理を用いてテキストデータ化すれば、キーワード検索などを使って迅速に必要な情報を探せます。

 

また、Excelなどの表計算ソフトに落とし込めば、年度別や取引先別に整理したり、並べ替えたりすることも容易にできるため、効率的な情報管理が可能です。

 

こうした検索性の高さは、改正電子帳簿保存法に対応するためにも重要です。改正電子帳簿保存法では、帳簿類を特定の項目で検索できるようにすることが求められています。

 

これは、単純にスキャナーでデジタル化しただけの画像データでは実現できない要求です。このような検索性の向上は、情報の迅速な取得やデータ活用の推進、業務効率化などにつながります。

 

メリット2:入力・転記の手間を省ける

 

紙媒体の情報をOCRで自動的にテキストデータへ変換することで、担当者は手作業で情報の入力や転記をする必要がなくなります。こうした単純作業に携わる時間を極力減らすことは、より付加価値の高い業務に人的リソースを割くために重要です。

 

これは従業員のモチベーション向上や、作業時間の短縮によるワークライフバランスの改善などにもつながります。

 

また、人間は単純作業をしていると、作業への飽きや疲れからヒューマンエラーを起こしやすいものですが、OCRならばその心配もありません。データ活用をするにあたって、元データの正確さは非常に重要なことなので、この効果は大きな意義があります。

 

さらに、OCRで出力されたデータは、WordExcelといったアプリケーションで再利用が可能です。OCRで変換したデータをRPAで基幹システムへ入力したり、会議資料としてグラフに加工したりもできます。

 

メリット3:保管が簡単になる

 

さまざまな観点で保管に割くリソースを節約できるのも、OCR処理を利用するメリットのひとつです。紙媒体の保管は、ファイリングの手間や保管場所の確保、そして資料の経年劣化や汚損・紛失などのリスクを伴います。

 

これに対して、OCRを利用してデジタルデータとして保管すれば、これらのリソースやリスクは大きく軽減できます。デジタル形式ならば、アクセス制限などのセキュリティ機能を用いて、特定の人しかそのデータを開けないようにすることも可能です。

 

さらに、OCR処理することは、デジタルのストレージリソースを節約することにもつながります。基本的に画像データはテキストデータに比べてデータ容量が大きいので、データストレージを圧迫しがちです。

 

 

そうした意味では、OCR処理によりテキスト形式でデータを保存することは、物理面でもデジタル面でも保管スペースを節約できるという魅力があります。

 

メリット4:データの編集や活用が可能になる

 

過去のデータをグラフなどにして分析したい場合、紙の資料だと、まずデータをパソコンに打ち込むところから始めなければなりません。しかし、OCRツールであらかじめデータに変換しておいた書類であれば、表計算ソフトなどを使って簡単に二次利用が可能になります。

 

また、「○○区の顧客だけをまとめる」といった特定のテーマに基づくデータの編集作業や修正作業なども容易です。これまで保管するだけで放置されていた過去データを活用することで、より幅広い分析や細かなマーケティングができるようになります。

 

さらに、デジタルデータは紙媒体よりも遥かにテレワークとの相性に優れます。自宅でも外出先でも、テレワークで社内の資料を使いたい場合、紙媒体だとその資料を持ち歩かないといけません。

 

これは情報セキュリティの面でも、単純な手間の面でもあまり推奨できることではありません。

 

その点、クラウドストレージにデータを保存しておけば、インターネットを通して安全かつ簡単に、どこからでもそのデータを活用できます。チーム内でデータを共有したり共同編集したりする場合も、紙媒体よりもデジタルデータのほうが便利です。

図解でわかる!入力業務効率化の要(かなめ)AI OCR入門ガイド

 

画像認識に失敗しOCR処理ができない原因

 

 

上記のように、効果的に活用すれば大きなメリットを発揮するOCRツールですが、状況によっては画像認識に失敗して、うまく資料をテキストデータ化できないことがあります。

 

この章では、なぜそうした事態が生じてしまうのか、OCR処理が失敗しやすくなる主な原因を2つ解説します。

 

1.帳票や伝票がずれている

 

第一に考えられる原因は、スキャンをする帳票や伝票が事前に設定したものとはレイアウトが違っていたり、ずれていたりすることです。もともと、OCRは帳票のような定型資料の読み取りを目的に開発されました。

 

そのため、事前に設定したものとはレイアウトが異なる他社の帳票や、何らかの事情で読み取り位置(記入位置)が通常とはずれてしまった文字情報などは、正確に認識できなくなってしまいます。

 

画像認識に失敗した場合は、読み取り位置の再設定作業などが必要です。誤認識した文字の修正なども合わせると、最初から手入力するよりもかえって手間がかかってしまうこともあるかもしれません。

 

このように、柔軟な運用が難しい点はOCRツールのデメリットです。

 

2.文字が斜め・かすれている

 

スキャナーで読み取る紙資料、あるいは画像データ側の品質に問題がある可能性も考えられます。OCRツールの文字認識の精度は100%ではありません。

 

とりわけ、クセのある筆跡やフォント、FAXで受信した歪んだ書面、斜めに傾いた字やかすれがある文字などは、正確に認識できない可能性が高まります。蛍光色のように、もとから文字の色が薄い場合も同様です。

 

さらに、「異なる言語が混在している」「行間が狭い」「特殊文字や環境依存文字が含まれている」「網掛けがされている」「図が含まれている」といった場合も読み取り精度が低下しがちです。

 

要するに、人間でも読みにくさを感じるものは、OCRにとっても苦手であると考えてください。

 

誤認識が多い場合は、それを修正する手間も相当なものになります。誤字がないか文章全体を確認する必要が生じるため、結果的に手入力と変わらない労力を要するかもしれません。

 

OCRツールの購入費に加え、こうした人的コストがかかることも考えると、せっかく導入したのに費用面や労力面でのメリットが少ないと感じてしまうこともあり得ます。

図解でわかる!入力業務効率化の要(かなめ)AI OCR入門ガイド

 

OCR処理の画像認識を向上させる4つの方法

 

OCRの認識精度は、少し工夫を加えることで向上できる場合があります。既存のOCRでうまく文字を読み取れないときには、以下の点に気をつけてみてください。

 

方法1:高解像度でスキャンする

 

画像が不鮮明だと文字の認識率が落ちるため、書類のスキャンはなるべく高い解像度で行う必要があります。ただし、解像度があまり高すぎても読み取りに時間がかかりすぎるため、300dpi600dpiに設定するのがおすすめです。

 

また、読み取り用の用紙が薄いと、裏写りしてうまくスキャンができない可能性があるため、裏紙を当てることも有効です。

 

方法2:傾きや網掛け文字に注意する

 

書類を読み込む際は、文字が一定方向にまっすぐ揃っている状態にし、文字が斜めにならないように注意しましょう。

 

スキャン後に文字の傾きを水平に調整してからOCRを使用することも可能です。大量の書類の調整を手作業で行うと多大な手間がかかるため、傾き補正の機能がついたスキャナーを利用するのがおすすめです。

 

また、OCRは網掛け文字の読み取りを苦手としていますが、中には網掛け部分を自動で除去する機能がついた高性能なスキャナーもあります。

 

これから新たにスキャナーを購入するのであれば、こうした機能が搭載されたものを選ぶことで、作業時間の短縮や精度の向上を図れます。

 

方法3:白黒でスキャンをする

 

OCRには、黒くはっきりと印刷された文字ほど認識しやすく、逆にカラー印刷された文字は読み取りにくいという特徴があります。そのため、スキャナーをモノクロに設定し、白黒でスキャンするのがおすすめです。

 

複写伝票など文字が薄い文書をスキャンする際には、濃度の設定を適度に高めることで認識率の向上が見込めます。また、自社で作成する帳票や書類に関しては、あとでOCRに読み込ませることを前提にしたうえで作成するのがよいでしょう。

 

方法4AI-OCRを使用する

 

書類を自動でテキスト化できる便利なOCRツールですが、上記のように、その認識精度には限界があります。特に、手書きの文字や斜体などクセのある文字は、誤認識が多くなりやすいという弱みがあります。

 

しかし、こうした弱点に関しては、すでに紹介したAI-OCRを導入することで解決可能です。

 

AI-OCRは作業を重ねるごとに学習する機能を備えているため、クセのある手書き文字でもそのパターンを分析し、高い識字率を発揮できます。

 

さらに、従来のOCRではレイアウトが変わると認識できず、認識場所を再設定する必要がありましたが、AI‐OCRの中にはフォーマットが異なっていても読み取る項目を自動的に抽出し、再設定することなく認識できる機能が搭載された製品もあります。

 

つまりAI-OCRならば、フォーマットの異なる複数社の帳票を、その都度設定を変えたりすることなく、まとめてOCR処理できるということです。

 

したがって、AI-OCRならば従来のOCRに比べて、より柔軟かつ効率的に資料のテキストデータ化を進められます。

 

AI-OCR 選定ガイド

OCRツールの導入を成功させるポイント

 

せっかくOCRツールを導入するなら、最大限の成果を出したいところでしょう。「導入したまではよいものの、結局あまり使わないで放置している」という状態では意味がありません。

 

そこで以下では、OCRツールの活用を組織に定着させ、成果を上げていくために重要なポイントを解説します。

 

1.手書き文字をデータ化するシーンを想定する

 

まずは、手書き文字をデータ化するシーンを想定してください。そのうえで、本当にOCRの導入が必要なのか、必要だとして、どのくらいの性能がOCRに求められるのかなどを判断し、あらためて手書き資料のデータ化に対する意欲を確かめます。

 

ひと口に手書き文字をデータ化するといっても、企業ごとにデータ化するシーンや必要性は多種多様です。

 

たとえば、シンプルな帳票を扱うのと、びっしり文字が書き込まれた自由回答のアンケート用紙を扱うのとでは、OCRが処理すべき情報量も要求される性能もまったく異なります。

 

そもそも、OCRを導入・運用してデジタル化するほど重要な手書き資料が社内に存在しない、ということもあるかもしれません。

 

 

したがって、OCRの必要性や活用イメージが不明瞭のまま導入・運用を進めてしまうと、期待していたような成果を得られない可能性が高くなります。

 

2.OCRアプリやウェブサービス利用の目的を明瞭にする

 

次に、OCRツールやウェブサービスを何のために使うのか、その目的を明瞭にしましょう。明瞭な目的があるかないかで導入後の効果は大きく変化しますし、目的が定まっていなければ、自社にとって最適なOCRツールやウェブサービスを選ぶことは困難です。

 

OCRに限らず、ITツールはあくまでもビジネス上の目標や課題を解決するための一手段にすぎません。ツールの導入自体が目的化してしまわないように、OCRツールやウェブサービスを利用する目的は明確に定めておきましょう。

 

3.いろいろなアプリやサービスを見て特徴を知る

 

初めてOCRツールやウェブサービスを利用する方にとって、その導入には不安なところも多いことでしょう。果たしてどんな機能が提供されているのか、大まかな費用感はどうなのかなど、途方に暮れている方もいるかもしれません。

 

そのような状態のまま導入を進めてもうまくいかないことは明白なので、まずはいろいろなツールやサービスについて調査し、それぞれの特徴を整理してみましょう。

 

こうした調査を通して、ツールやサービスごとにさまざまな違いがあることや、どういったユースケースに適しているのかが分かるはずです。

 

4.トライアル版で実際の使用感を確かめてみる

 

上記の調査の一環として、トライアル版が提供されている製品に関しては積極的に利用してみましょう。OCRツールもウェブサービスも、やはり実際に触れて見ないことには、どんなアプリやサービスなのかが分かりません。

 

また、アプリやサービスによってそれぞれ特徴が異なるので、自社にマッチしたものを選択するためにも、これは必要なステップです。いくら優れた機能や性能を持っていても、使いこなせなければ意味がありません。

 

額面のスペックだけでなく、実際に利用して感じた使いやすさも重視しましょう。

 

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OCRツールを検討する時にチェックしたい機能

 

OCRツールの導入に成功するか否かは、ツール選びを適切にできるかどうかに大きく左右されます。そこで以下では、ツール選定時に優先的にチェックしたい機能を解説します。

 

1.読み取り精度

 

せっかくOCRツールを導入しても、誤認識が多くて修正作業に手間取っていては意味がありません。読み取り精度は製品や使用環境によって違い、海外メーカーの製品の中には日本語認識に長けていないものもあります。

 

そのため、自社のニーズに合った製品を選ぶことが重要です。

 

かすれたり、低解像度のものを読み込んだりすることが多い場合は、高精度OCRエンジンを搭載しているものをおすすめします。また、FAXなどの歪んだ文字を読み取ることが多い場合は、補正機能がついている製品を導入すると便利です。

 

読み取り精度は具体的に数値化できるものではないため、口コミなどを参考にするのもひとつの方法です。

 

2.読み取れる言語

 

読み取り対応言語も製品によってさまざまです。日本語にしか対応していない製品もあれば、多言語に対応しているものもあります。

 

日常業務において日本語の伝票や資料しか扱っていないのであれば、対応言語が日本語のみの製品でも十分だと考えられます。しかし、英語が入った資料を読み取る場合は、英語に対応していなければ正しく認識できず、修正が多くなりがちです。

 

そのため、もし仕事で外国語の書面や資料を日常的に扱う場合は、その言語に対応できる製品を選ばなければなりません。日本語と英語に対応している製品は多いですが、その他の言語については対応できる製品が限定されるため、事前に確認しておく必要があります。

 

海外メーカーの製品は多言語に対応しているものも多く、中には100を超える言語の読み取りができる製品もあります。ただその分、日本語読み取りの精度は日本メーカーに劣るかもしれません。

 

このように、OCRツールを選定する際は、自社が扱う資料の言語的性質を考慮することが重要です。

 

なお、外国企業のOCRツールを導入する場合は、サポートが日本語対応しているか、サポート窓口が日本時間に対応(あるいは24時間対応)しているかなどもチェックしておくようにしましょう。

 

3.他システム・ツールとの連携

 

テキスト形式やCSVJSONなど、OCRの出力形式は製品ごとに異なります。そのため、導入前に自社での運用シーンを想定して、必要な出力形式に対応しているかどうかを確認しておく必要があります。

 

また、拡張性を考慮して、OCR機器・サービスからほかのアプリケーションへと連携可能かどうかも事前にチェックしておくと安心です。その他の面では、導入サポートや運用サポートの充実度なども重要になります。

 

 

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OCR導入によるDX化には「AI入力ソリューション」

 

OCRは非常に便利な技術ですが、もととなる紙の画質や印字品質が悪いと、文字認識の精度も下がる点に注意が必要です。加えて、従来のOCRでは縦横が混在した複雑なレイアウトや、手書き文字の認識精度は低い点にも留意すべきです。

 

特にデジタル文字の場合、従来のOCRでは識字精度に多々問題が生じることが予想されます。しかし、業務のデジタル化や業務効率化を考えるのであれば、手書き文字への対応は欠かせません。

 

手書き文字にも対応したOCRを導入し、DXを推進したい方におすすめなのが、無限が提供するAI-OCRAI入力ソリューション」の導入です。

 

 

AI入力ソリューション」では、99.22%という高い認識率を達成した読み取りエンジン「Tegaki」を採用しているため、スムーズに読み取りができます。

 

また、長年にわたり培ってきた開発力を活かしたシステムの作り込みや、手厚い導入・運用サポートなど、OCR導入が初めての企業でも安心できるサービスを提供しているのが特徴です。

 

 

クラウドサービスでも提供しているため、導入が容易なのもメリットとして挙げられます。

 

FAXで届く帳票の電子化や、RPA連携による業務効率化、電子帳簿保存法への対応など、AI-OCRの活用を考える企業にとって「AI入力ソリューション」は最適な選択肢になります。

AI入力ソリューション無料パンフレット

まとめ

 

手書きの帳票類をはじめ、大量の紙資料やPDFの文字情報をデジタルデータ化する作業は、多くの企業を悩ませている課題です。データ活用やDXを推進するには、これらの情報をデジタル化することが欠かせません。

 

その一方で、手作業でこれを行おうとすると、大変な労力が必要です。

 

OCRツールの導入は、こうした企業にとって最適な解決策になり得ます。OCRを活用することで、人間がわざわざ手間暇をかけなくてもスムーズにデータ化を進めることが可能です。

 

OCRによってテキスト化されたデータは検索性に優れており、二次利用が容易であるなどの特長を持っています。

 

特にAI-OCRは、手書きの文字や異なったフォーマットの帳票なども問題なく読み取れるので、非常に便利なソリューションです。本記事を参考に、ぜひ自社のニーズに合ったOCRツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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