コラム

2022.08.08インボイス制度

インボイス制度と電子帳簿保存法で経理業務がどう変わるかわかりやすく解説

経理部門の管理職の中には、インボイス制度のスタートに向けて準備を始めたいと考えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、本制度の概要から必要な準備、電子帳簿保存法への対応、経理業務の変化と企業が求められる対応までご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

 

 

 


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インボイス制度とは?

 

インボイス制度とは、軽減税率の導入によって複雑化した消費税を正しく把握し、納税するための制度です。正式名称は「適格請求書等保存方式」といい、「適格請求書」と呼ばれる書類がインボイスのことで、仕入税額控除を受けるために必要となります。インボイスでは消費税税率ごとに品目を分けて記載しなければなりません。

 

本制度は2023年10月から施行されますが、導入に伴い書類のフォーマット作成や変更、会計システムの入力業務など、経理担当者の業務負担が増加することが予想されます。そのため、各企業は前もって準備を進めておく必要があります。

 

制度の詳しい内容について知りたい方は、下記記事をご覧ください。

 

 

 

インボイス制度に対応するために必要な準備とは

 

インボイス制度に対応するために準備すべきこととして、次の3つが挙げられます。

・適格請求書発行事業者の登録

・適格請求書のフォーマット作成

・適格請求書の控えを保存する環境の構築

 

適格請求書発行事業者の登録を期限内に行わなければ、適格請求書の発行が制度の施行に間に合わないため注意が必要です。施行後にスムーズに業務を行えるよう、書類や環境の準備もしておく必要があります。

 

 

適格請求書発行事業者の登録

 

適格請求書を発行するためには、税務署に適格請求書発行事業者の申請書類を提出し、登録番号の交付を受ける必要があります。

 

制度自体は2023年10月から施行されるものの、制度開始から適格請求書を発行するには、2023年3月31日までの登録が必要です。申請が2023年3月31日を過ぎると次年度からの登録となり、制度開始年度は適格請求書を発行できません。なお、申請は2021年10月から可能となっています。

 

また、適格請求書を発行しないと仕入税額控除を受けられないことから、免税事業者であっても取引先から適格請求書発行事業者への登録を求められることも考えられます。

 

ただし、免税事業者が適格請求書発行事業者に登録すると、消費税の申告が義務化する点には注意が必要です。申請方法はe-Taxか書類の郵送、または税務署へ直接提出することで行います。

 

 

適格請求書のフォーマット変更

 

インボイス制度の導入によって、適格請求書に記載すべき項目が増えることから、請求書のフォーマットを変更する必要があります。記載が必要な項目は以下の通りです。

 

・自社の名称または氏名

・登録番号

・日付

・取引の内容

・税率ごとの税抜または税込価格の合計金額

・税率ごとの消費税額

・適用税率

 

 

適格請求書の控えを適正保存

 

適格請求書発行事業者は、取引先から依頼があれば適格請求書等の交付に応じること、および交付した請求書の控えを定められた期間、保存することが義務付けられます。

 

適格請求書等とは、適格請求書の記載事項が確認できる写しや明細書、電磁的記録などのことです。インボイス制度が施行される前に、適格請求書の控えを保存できる環境を構築する必要があります。
 

 

 

経理業務の効率化へ向け注目されるインボイス電子保管

 

インボイス制度が施行されると、手続きや処理が複雑となることから、「電子インボイス」が注目されています。電子インボイスとはインボイスを電子化したもののことで、導入により煩雑な経理業務をスムーズに行えます。

 

電子インボイスのメリットなどについて詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

 

 
 

 


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インボイスの電子保管には電子帳簿保存法への対応が必須

 

インボイスの電子保管にあたっては、電子帳簿保存法を順守しなければなりません。システムを導入すれば、インボイスの電子保管がスムーズに行えます。

 

 

電子インボイスと電子帳簿保存法との関係

 

電子帳簿保存法に則って電子インボイスを扱わなければ、仕入税額控除ができないため、電子帳簿保存法を理解しておく必要があります。

 

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿または書類について、一定の要件を満たす場合に限り、電磁的記録による備え付けおよび保存を認めるというものです。同法は2022年1月に改正され、電子取引における国税関係書類をデータで保存することが義務化されました。

 

また、電子データはタイムスタンプを付与することで真実性を確保すること、および日付や取引先などの情報で検索できる可視性のある状態とすることが求められます。電子インボイスは国税関係書類であることから、これらのルールに従うことが必要です。

 

 

電子帳簿保存法と電子インボイスに対応したシステム導入がおすすめ

 

電子帳簿保存法では、電子取引の紙での保存が認められていないため、管理システムの導入がおすすめです。システムであれば、電子データの管理や検索、入力が便利に行えます。

 

電子データは真実性を担保するために、タイムスタンプを付与する必要があるので、その機能が実装されているシステムを選びましょう。データ改ざんを防止する仕組みも、真実性の担保には必要です。

 

また、可視性をもたせるために、日付や取引先などの情報から検索できることもシステム要件として求められます。そのほか、既存システムとの連携機能や関連業務における入力内容の自動反映機能が搭載されていたり、電子取引と郵送の両方に対応していたりすると便利です。
 

 

 

 
 

 


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経理業務はどう変わるのか? 企業に求められること

 

インボイスの電子取引が行われることを想定すると、電子帳簿保存法に則ったデジタル運用が経理業務に求められるようになり、インボイス制度と電子帳簿保存法に対応したシステムの導入が不可欠です。紙と電子データの混在により管理が複雑になることから、デジタル運用を行う際、紙を電子データにまとめられると効率がよくなります。

 

そこで便利なのが、紙の文字情報をOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)によってスキャンし、電子データにする方法です。ただし、OCRは文字の読み取り精度が高くなく、決められたフォーマットや規則で書かれた文字でないと認識しづらいというデメリットがあります。

 

OCRの問題点である認識精度を解決するのが、「AI-OCR」です。AI-OCRとはAIを搭載したOCRのことで、非定型なフォーマットや文字列であっても自動認識できます。AIによる学習も行われるため、運用期間が長くなるほど認識精度も向上していきます。

 

さらに、定型業務を自動化するシステムであるRPAと連携することで、AI-OCRで読み取ったデータを自動処理することが可能です。RPAとの連携によって、分類などのデータ管理も自動化できます。このように、AI-OCRの導入により煩雑な経理業務の負担を軽減でき、インボイス制度導入後の業務効率まで向上させることが可能です。

 

AI-OCRについてより詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

 

 

 

 


 

 


改正電子帳簿保存法への対応と注意点

 

まとめ

 

消費税額を明確にして納税しやすくするインボイス制度が導入されると、フォーマット変更をはじめとする経理業務の負担増加が懸念されます。

 

メールなどの電子取引におけるインボイスは、電子帳簿保存法により定められた方法で電子データとして保管しなければなりません。インボイスを電子保管する体制の構築が求められ、対応にはシステムの導入がおすすめです。

 

AI-OCRシステムを導入すれば、紙データを高精度で電子データにまとめたり、RPAシステムとの連携により、書類の分類や次工程への受け渡しを自動化したりできます。インボイスの電子保管に備えることはもちろん、インボイス制度施行後の業務プロセスの効率化も見据えて対応を進めることが重要です。
 


 

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