コラム

2022.09.05AI-OCR

電子インボイスのPeppol(ぺポル)とは? わかりやすく標準仕様を解説

インボイス制度は2023年10月から開始されます。制度開始による業務負荷軽減のため、電子インボイスが推進されています。電子インボイスを扱う場合、関わりのある「Peppol」についての把握が必要です。

 

本記事ではインボイス制度、電子インボイスの概要、Peppolの仕組み、Peppolに対応した電子インボイスを取り入れるメリットを解説します。

 

 

 

 

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電子インボイスとは?

電子インボイスとは、一定事項が記載された納品書や請求書などの適格請求書を電子化する仕組みのことです。ここでは、2023年から導入される「インボイス制度」や「電子インボイス」の概要について解説します。

 

 

インボイス制度が2023年から導入される

インボイス制度とは、仕入税額控除の適用を受けるため、決められた記載要件を満たした適格請求書(インボイス)の発行・保存が必要になる制度のことです。

 

適格請求書(インボイス)とは、売り手が買い手に対して正確な適用税率および消費税額などを知らせる書類、またはデータなどを指します。インボイス制度は、2023年10月からの開始が決定されました。

 

インボイス制度導入の背景には、2019年に消費税率が引き上げられた際に導入された軽減税率の存在があります。10%と8%に分けられた課税による複数税率が導入されたことで、従来の区分記載請求書では正確な消費税額の計算が難しくなりました。

 

現行の請求書でも記載事項が増えたものの、より正確な適用税率・消費税額を明らかにしなければなりません。そのためインボイス制度が導入されることになりました。

 

 

電子インボイスとは?なぜ必要?

電子インボイスとは、インボイス制度により仕入税額控除を受ける際に必要となった適格請求書を、電子化する仕組みのことです。2023年10月からインボイス制度が開始されると、買い手業者と売り手業者の会計処理が複雑化し、業務負荷の増大が予想されます。

 

電子インボイスでは、請求書データの自動入力や分類、多くの労力が必要とされる仕入税額控除の計算も自動で行うことが可能です。電子インボイスを取り入れることで、業務負荷の軽減だけでなく、ミスや不正の防止、取引の透明性を高めることなどに繋がります。

 

 

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Peppol(ペポル)とは?

Peppol(ペポル)とは、PanEuropeanPublicProcurementOnlineの略であり、電子文書の取引をネットワーク上で行うための国際標準規格のことです。「文書仕様」「ネットワーク」「運用ルール」に関わる標準規格であり、非営利団体「OpenPeppol」により管理されています。

 

Peppolのネットワークは、送信者と受信者の間に2点のアクセスポイントを設けた「4コーナーモデル」と呼ばれる構造です。

 

現在の日本では、各企業や業界ごとに異なる会計システムおよびEDIなどが採用されており、現行の請求書を電子化しただけでは相互にやり取りできません。Peppolを導入し、各システムやEDIを繋げることで相互にスムーズなやり取りが可能になります。

 

Peppolは近年、数多くの国々が導入しており、日本のデジタル庁も2021年9月に正式メンバーになっています。現在、日本ではインボイス制度に向けて、Peppolに準拠したシステムの運用を、2022年秋を目安に準備が進められている状況です。
 


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Peppolに対応した電子インボイスのメリット5つ

Peppolに対応した電子インボイスの導入は、企業にとって多くのメリットが得られます。その中の大きなメリットとして5つの項目を以下で解説します。

 

 

データの入力が自動化できる

電子インボイスによるひとつ目のメリットは、データ入力の自動化ができることです。紙で行っていた経理業務では、請求書ごとの手入力や税金計算も手作業で行うなど、業務負荷もかかります。

 

そのことから業務全体の作業効率が悪くなり、ミスが起きてしまうなどのトラブルも発生しやすいです。

 

電子化することで請求書を自動で取り込むことができ、申請処理も不要になります。また、データ入力が自動化されることで作業にかける時間が短縮され、その時間を他の重要業務に当てることが可能です。人手によるミスも無くなり、業務効率化に繋がります。

 

 

データの改ざんを防げる

請求書のやり取りにおける心配事として、「データ改ざんの恐れ」の問題があります。これは紙や電子化に関わらず、重要書類のやり取りにおいて懸念されることのひとつです。

 

電子インボイスではデータの真正性を守るため、「eシール」を導入する取り組みが進められています。eシールとは、電子文書における発信元の組織などを示す目的である暗号化措置です。企業や組織で使用される「角印」の電子版として定義されており、EUにおいては法整備が行われ実用化されています。

 

このようなことを踏まえて総務省では、eシールをはじめとした非改ざん性およびデータのやり取りにおける高い安全性の確保に重点を置き、検討を進めています。

 

 

海外との取引をスムーズに行える

Peppolに対応した電子インボイスの導入は、国内の企業はもとよりグローバル企業とのやり取りもスムーズに行うことができます。なぜなら、Peppolは欧州を中心に世界の約40か国で利用されており、現在もその範囲は広がっているからです。

 

Peppolは現在、多くの国でBtoGならびにBtoB取引に活用されています。国内だけでなく、国を超えた取引にも大きなメリットをもたらすでしょう。

 

 

管理や検索が容易になる

基本的に適格請求書(インボイス)の保存期間は7年間です。発行する側は控えを、受領する側は原本を保管しなければならず、怠ってしまうと消費税の仕入税額控除が適用されません。

 

紙の請求書の場合、ファイルに閉じる作業や量が多い際には、保管場所の確保も必要になります。また、何らかのトラブルにより請求書の確認が必要になった場合には、目当ての請求書を探すのにも手間がかかるでしょう。

 

電子インボイスでは、保管場所が不要です。また、請求書の検索も容易になることで探す手間が省け、トラブルにもスムーズに対応できるようになります。

 

 

テレワークでも簡単に請求書業務ができる

働き方改革により、テレワークなどを導入する企業が増えています。電子インボイスはコンピューターネットワーク上で管理されるため、どこにいても請求書業務を進められることが大きなメリットです。ま

 

た、複数の人がそれぞれの場所でリアルタイムに管理・作業することもできます。

 

一方、テレワークなどのオフィス外での作業に重要なのは、セキュリティに対する配慮です。端末やIDの管理、アクセスポイントへの接続においてのセキュリティなど、確実な安全性を担保しておく必要があります。
 


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まとめ

2023年10月のインボイス制度導入による業務負荷の増大は、業務効率や生産性にも影響を及ぼします。電子化は、業務負荷の軽減や人手によるミスの防止ができ、管理や検索も簡単です。

 

また、標準規格であるPeppolに対応する電子インボイスの導入は、データ改ざんの危険性を軽減し、海外とのやり取りもスムーズに行うことができます。

 

総務省では、現在Peppolに準拠するシステムの運用の準備を進めています。請求業務の手間を軽減する手段として、ぜひPeppol対応の電子インボイスの導入を検討してみてください。
 


 

 

 


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