2020.07.01AI-OCR
AI-OCRのツール比較
企業が「働き方改革」を成すためには、目先の施策に飛びつくのではなくまず業務量の削減に取り組むことが先決です。無理な労働時間削減やリモートワーク、プレミアムフライデーなど社員のプライベート充実を図るような施策は、業務量が削減されていなければ社員の首を絞める結果になります。
では、業務量を削減するために必要なことは何か?その答えは業種によって様々ですが、いくつか導入しておきたいツールがあります。最近のトレンドでいえばRPA(Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション)です。RPAはパソコン上で完結する作業をほとんど自動化してくれるため、定形型業務(いわゆるホワイトカラー)の業務量削減に大きく貢献します。
そして本記事でご紹介するのがAI-OCRです。RPAと共に注目されているツールで、今後は多くの企業にとって業務量削減並びに「働き方改革」を支援するツールとして活躍するでしょう。そんなAI-OCRを一挙比較してみましたので、導入検討時の参考材料としていただければと思います。
各ツールの比較へ入る前に、少しだけAI-OCRについて説明しておきます。AI-OCRは「AIを搭載したOCR(Optical Character Reader/光学的文字認識)」のことで、AIはご存知の通り人工知能を指します。
一方OCRは光学式文字識別といって、噛み砕いて言えば書類をスキャンして文字をデータ化する技術のことです。複合機のスキャン機能とちょっと違う点は、スキャンした書類を画像データとして保存するのではなく、ワードやエクセル、PDFなど所定のフォーマットに合わせて保存できる点です。
つまりOCRを使えば、紙で作成したり取引先から受領した書類をデータ化し、保存・編集・活用・共有できるようになるわけです。これによりペーパーレス化を実現して日々の業務効率をアップさせたり、手動で書類をデータ化する手間を大きく省いたりと大活躍します。
ただし、従来のOCRには高度な文字識別技術が無かったため、スキャン後にレイアウトの崩れや識別された文字を確認しなければならず、業務量の削減効果が薄いという課題がありました。それを解消したのがAI-OCRであり、OCRにAI技術を搭載したことで、識字率が格段にアップし、さらには手書き文字もスキャン可能になっています。
極め付けにはAIが書類のフォーマットを自動で認識してデータ化してくれるので、書類をデータ化する手間とコストを大きく削減することに成功したのです。
AIReadはアライズイノベーション株式会社が提供するツールであり、クラウドとオンプレミス、どちらの運用形態も選べるため企業のシステム環境に合わせた最適な導入が行えます。クラウドならコストの適正化を、オンプレミスならセキュリティの適用が可能です。
多くのツールは学習済みのエンジンを提供して終わりのケースが多いところ、AIReadは学習機能自体を提供しているため企業ごとの業務に特化した文字認識エンジンが作成可能であり、他のツールよりも高い識字率を実現します。手書き文字のスキャンはもちろん、AIを活用した非定型書類のスキャンにも対応しています。
日本語、英語、中国語、タイ語。その他多くの言語へ順次対応予定。
手書き文字は日本語に加えて英語と金額にも対応。
■サーバー
Windows Server 2012 R2 / 2016 Linux
C P U 2Core 以上
メモリ 4GB 以上
H D D 50GB 以上の空き領域
■クライアント
Windows 7 / 8.1 / 10
IE、Edge、Chrome、Firefox、Safari
■価格
AIRead Standard Subscription 18万円/vOS
AIRead Enterprise Subscription 24万円~/vOS
印刷状態の悪い文字の識字率が強化されており、読み取り精度を向上しています。PDF変換ソフトの「簡単!PDF変換」、ファイル変換ソフトの「簡単!PDF for Office」、指定したフォルダにファイルが追加されると自動で文字識別する「ファイルウォッチャー」等から構成されているのが特徴です。
日本語、英語、ギリシャ語の一部。
Windows、Mac OS
製品版 12,190円
バージョンバップ版 6,476円
読み込んだ画像をワードやエクセ等のファイルに変換するツールであり、紙の書類手軽に整理できるのが特徴です。パナソニック製の高精度OCRエンジンを搭載し、識字率を向上しています。画面上の文字を囲むことでテキスト化できる「瞬間テキスト」、名刺をスキャナで読み込んで自動でデータ化する「本格読み取り名刺管理3」などから構成されています。ただし、PDF出力はできないので注意が必要です。
日本語のみ
Windowsのみ
3,980円
斜体文字やつぶれ文字等にも対応するようにOCRエンジンを強化したツールです。電子書籍や外部クラウドサービスとの連携を通じ、機能を向上させています。また、シリーズ内では日本語と英語のみに対応したツールと、58カ国語に対応したツールがあるため、多言語の書類を扱うような業種で有効活用できるといえます。
英語、日本語。
またはそれを含む58カ国語
Windowsのみ
2カ国語対応版 12,190円
58カ国語対応版 19,800円
外国産ツールなので、外国語の識字率が非常に高くなっています。このため、主に外国語を取り扱う業種におすすめであり、特定の機能をボタン一つで利用できるようにする「スマートタスク」といった効率化機能を搭載しているのが特徴です。
日本語、韓国語など15のアジア圏言語を含めた130言語以上。
Windows、Mac OS
51,361円(Amazonでの購入)
いかがでしょうか?一口にAI-OCRと言ってもツールごとに特徴は異なり、業種や日頃から扱っている書類などによって適切なツールが存在します。また、トライアル版などを提供しているツールもあるので、一度使用してみてからAI-OCRの導入を検討してみるのも良いかと思います。
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