2024.06.05AI-OCR
【無料あり】文字読み取りができるOCRツールを紹介|機械学習付きの「AI-OCR」も!
OCR(光学文字認識)技術は、紙の書類をデジタル化する際に非常に便利です。特に、最近ではAI(人工知能)技術を活用したAI-OCRが注目されています。
本記事では、無料で使えるOCRツールから、機械学習機能を備えた高精度なAI-OCRまでを紹介します。さまざまなツールの特徴や活用方法を詳しく解説しますので、ぜひ業務効率化に向けて参考にしてください。
目次
● 【文字読み取り機能】OCRツールとは?
● OCRの仕組み|どうやって画像や写真の文字を読み取るのか?
● OCRの活用メリット・業務改善の具体例
● 【無料】OCRツール4選
● 【有料】OCRツール4選
● 機械学習機能を備えた「AI-OCR」もおすすめ!
● AI-OCRツール3選
● まとめ
OCR(Optical Character Recognition)機能とは、紙の書類や画像に印刷された文字をデジタルデータとして読み取る技術です。この文字読み取り機能を利用することで、業務効率が飛躍的に向上します。具体的には、以下のようなメリットがあります。
手入力の手間を大幅に削減
人為的なミスの減少
コスト削減
次に、具体的な活用方法について詳しく説明していきましょう。
OCR技術は、画像や写真に含まれる文字をデジタルデータとして抽出するためのプロセスを提供します。この技術は、紙の書類をデジタル化し、データベースでの検索や編集を容易にするために広く使用されています。
OCRの仕組みを理解することは、その利便性と適用範囲を最大限に活用するために重要です。OCRが文字を読み取る主要なステップを詳しく説明しましょう。
OCRプロセスの最初のステップは、画像の取り込みです。取り込みとは、スキャナーやデジタルカメラを使用して、紙の書類や印刷物の画像をデジタル形式で取得する作業です。
このステップは非常に重要であり、取り込む画像の解像度や品質が後続の文字認識精度に大きな影響を与えます。通常、300dpi以上の高解像度でスキャンすることで、より鮮明で正確なデータを得ることが可能です。
これにより、OCRソフトが画像内の文字をより正確に認識できるようになります。また、薄い紙の場合は裏紙をあてることで、透けて見える文字を防ぎ、認識精度を向上させることができます。
次に、取り込んだ画像から文字の部分を抽出し、他の要素と分離します。これをレイアウト解析と呼びます。画像には、文字以外にも図や表、背景などが含まれることが多いため、OCRソフトはこれらを識別し、文字の領域だけを抽出します。
この過程では、段組みの解析も行われ、文章がどのように構成されているかを把握します。
文字を分離した後は、実際に文字を解析するステップに進みます。この段階では、まず文字の行を切り出し、その後、各行を1文字ずつ分解します。
OCRソフトは、この分解された文字を正規化し、特徴を抽出します。正規化とは、文字を一定の大きさにそろえる処理で、特徴抽出とは、文字の形状をパターンとして抽出することです。抽出された特徴は、事前に登録された標準パターンと比較され、どの文字であるかが特定されます。
このプロセスには、AIや機械学習が利用されることが多く、文字の形状や傾き、字体の違いを考慮しながら高精度で認識を行います。
最後に、解析された文字データを出力します。このステップでは、認識された文字をテキストデータとして保存し、必要に応じてPDFやWord、Excelなどのドキュメント形式に変換します。
多くのOCRソフトは、元のレイアウトを維持したままテキストを再配置する機能を持っており、これにより、元の文書の見た目や構造を保ったままデジタルデータとして利用できます。出力されたデータは、簡単に検索や編集が可能であり、業務効率の向上やデータ管理の改善に大いに役立ちます。
光学文字認識(OCR)の技術は、ビジネスのさまざまな場面で活用され、業務効率の向上とコスト削減に大きく貢献しています。OCRの導入によるメリットと、実際の業務改善の具体例について詳しく見ていきましょう。
OCR技術を利用することで、紙文書の内容をデジタルデータとして取り込むことができます。これは、業務において非常に大きな利点です。例えば、契約書や請求書などの紙文書をテキストデータとして保存すれば、紙の保管スペースを大幅に削減できます。さらに、データ化された文書はデジタルフォーマットで保存されるため、簡単に検索・参照が可能です。
データ化された文書は、他のシステムと連携してさらなる活用ができます。例えば、顧客情報を含む契約書をデータベースに取り込むことで、CRM(顧客関係管理)システムに自動的に情報を反映させることができます。
OCRの大きなメリットの1つは、手入力よりも圧倒的に速いことです。OCRを使用することで、スキャンした画像から文字を瞬時に読み取り、デジタルデータとして変換できます。OCRの導入により手作業でのデータ入力業務を自動化し、作業時間を大幅に短縮することができます。
さらに、OCRを使用することで、業務プロセス全体のスピードが向上します。例えば、物流の現場では、商品のバーコードをスキャンして即座に情報をシステムに反映させることで、入出庫作業の効率を高めることができます。
手作業でのデータ入力には、必ずヒューマンエラーのリスクが伴います。OCRを使用することで、このようなヒューマンエラーを大幅に削減できます。OCRは、高精度の文字認識アルゴリズムを使用しており、手書き文字や印刷文字を正確に認識します。
例えば医療業界では、患者のカルテや処方箋をデジタル化する際にOCRが活用されています。手書きのカルテをスキャンし、OCRでテキストデータに変換することで、誤記や誤入力のリスクを減らし、正確な情報管理が可能になります。
このように、OCRを導入することで、手作業によるミスを減らし、データの正確性を高めることができます。
無料のOCRツールは、まずは試してみたいという企業にとっても、多くのビジネスパーソンや学生にとっても非常に便利です。これらのツールを活用することで、紙の書類をデジタルデータに変換し、簡単に編集・検索が可能になります。ここでは、特におすすめの無料OCRツール4つを紹介します。
Googleが提供するクラウドストレージサービスです。Googleドライブに保存された画像やPDFファイルは、自動的にOCR処理され、テキストとして抽出されます。使い方は非常に簡単で、デジタル化したいファイルをGoogleドライブにアップロードし、Googleドキュメントで開くだけです。
このOCR機能の大きなメリットは、特別なソフトウェアをインストールする必要がないことです。Googleドライブにアクセスできる環境さえあれば、OCR機能を利用できます。また、複数のユーザーと共有して共同編集ができるため、チームでの作業にも最適です。
Googleが提供する画像検索アプリです。カメラで撮影した画像やデバイス内の写真から文字を認識し、テキストとして抽出できます。
Googleレンズの大きな特徴は、撮影した文字列をすぐにパソコンにコピーできる機能です。同じGoogleアカウントでログインしているパソコンにテキストを転送できるため、レポート作成や調査の際に非常に便利です。また、読み取ったテキストを音声で読み上げる「聴く」機能もあります。
Microsoftが提供するデジタルノートアプリです。OneNoteに保存した画像やPDFファイルは、自動的にOCR処理され、テキストとして抽出されます。特に、名刺のスキャン機能が便利で、名刺管理を効率化できます。
OneNoteのOCR機能は、単一の画像だけでなく、複数ページのファイルにも対応しているため、大量のデータを扱う際にも有効です。また、OneNoteは、他のMicrosoft 365アプリとシームレスに連携できるため、WordやExcelへのデータ転送も簡単です。
Microsoftが提供する無料のスキャンアプリです。このアプリを使うと、カメラで撮影した画像から文字を認識し、テキストデータを抽出できます。OneNote、Word、PowerPointなどの形式で保存できるため、ビジネスドキュメントの管理が非常に便利です。
Microsoft Lensの特徴として、キャプチャした画像のテキストを音声で読み上げる「イマーシブリーダー」機能があります。これにより、視覚に頼らずにテキストを確認することができ、アクセシビリティが向上します。また、メールアドレスや電話番号などの情報を認識して、連絡先に直接追加することも可能です。
OCR技術は、ビジネスにおける業務効率化や生産性向上に大いに役立ちます。有料のOCRツールは、無料ツールに比べて高い精度と多機能を備えており、複雑なレイアウトや多言語対応、スピーディーな処理が可能です。ここでは、特におすすめの有料OCRツール4つを紹介します。
Wondershare PDF elementは、PDFの編集とOCR機能を融合した強力なツールです。このソフトは、スキャンしたPDFをそのまま編集できるため、紙の書類を電子化し、そのまま修正や注釈を追加するなど、多用途に活用できます。レイアウトや書式を崩さずに取り込むことが可能です。
また、25言語以上に対応しており、海外の資料にも対応できる点がメリットです。
読取革命は、特に表形式のデータ処理に強みを持つOCRソフトです。このツールは、スキャンした書類をExcel形式で再現する能力に優れています。縦書き、横書き、画像のレイアウトを崩さずに取り込むことができるため、帳票や報告書など、複雑なレイアウトを含む文書のデジタル化に最適です。
また、手書き文字にも対応しており、特に1行の英数字については高い精度で認識します。
特に、手書きの型番や金額の記載された帳票のデジタル化に重宝するツールです。
本格読取は、使いやすさと機能性を両立させた簡易OCRソフトです。このツールは、画面上の文字を範囲選択するだけで瞬時にテキスト化できる機能と、名刺を取り込んで住所録を作成する機能を備えています。料金も手ごろで、必要な機能をシンプルに使いたいというユーザーにとって非常に便利です。
カメラでなんでもスキャン Pro2は、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像をスキャンし、OCR処理することに特化したツールです。スキャナーを持っていない場合でも、カメラで撮影するだけで文字認識が可能です。このソフトは、画像の歪みや冊子の折り目を自動補正する機能を備えており、鮮明なテキストデータを生成します。
会議のホワイトボードやセミナーのスライド、フィールドワークのメモなど、多様な場面で活躍します。
現代のビジネス環境において、紙の書類をデジタルデータ化するOCRは欠かせない技術です。
しかし、従来の技術では対応しきれない手書き文字や複雑なレイアウトの文書が多く存在します。そこで登場するのが「AI-OCR」です。AI技術を活用することで、従来の技術を大幅に進化させ、認識精度や対応力を向上させています。AI-OCRの導入により、業務効率を劇的に改善し、コスト削減や業務品質の向上が期待できます。
AI-OCRとは、AI技術を活用した光学文字認識技術のことです。海外では「ICR(Intelligent Character Recognition)」と呼ばれることもあります。
これは、ディープラーニングや機械学習などのAIの特徴を活用し、文字の認識精度を継続的に向上させる仕組みを持っています。従来は認識が難しかった手書き文字や複雑なフォーマットの文書でも、AI-OCRならば高い精度でデジタルデータ化が可能です。
AI-OCRは、まず大量のデータを学習することで、文字の形状やパターンを識別する能力を高めます。学習データが増えるほど、認識精度も向上し、新しい文字や未知のフォーマットにも対応できるようになります。この学習能力により、使用回数に応じて賢くなり、業務での利用価値が高まるのです。
また、手書き文字だけでなく、多言語対応や専門用語の認識にも優れており、幅広い業界での利用が進んでいます。
従来のOCRとの最大の違いは、AI技術を活用しているかどうかです。従来のOCRは、あらかじめ定義されたパターンやルールに基づいて文字を認識しますが、これには限界があります。
例えば、カタカナの「エ」と漢字の「工」など、形状が似ている文字を区別するのが難しい場合があります。従来の技術では、このようなシンプルな文字は誤認されやすい傾向があります。これは、文字認識プロセスが、文字の線の交差や形状のパターンを基に行われるためです。
一方、AI-OCRは機械学習やディープラーニングを利用して、文字の形状やパターンをより高度に認識します。大量のデータを学習することで、文字の特徴を細かく捉え、認識精度を高めます。
例えば、手書きの文字や複雑なフォーマットの文書でも、その文字のパターンを学習し、より高い精度で認識できます。また、AI-OCRは認識した文字の誤りを学習し、次回以降の認識精度を向上させることが可能です。
さらに、AI-OCRは業界用語や専門用語の認識にも対応しています。これは、特定の業界や用途に合わせたトレーニングデータを用意することで、特有の言葉や書式に対応できるためです。このように、単なる文字認識にとどまらず、業務全体の効率化に大きく貢献します。
AI-OCRの導入により、企業は紙の書類をデジタルデータ化するだけでなく、データの検索や編集が容易になり、業務プロセスの効率化を図ることができます。また、ミスの低減や人手不足の解消にもつながり、総合的な業務品質の向上が期待できます。
AI-OCRについて詳しくは以下の記事で解説していますので参考にしてください。
AI-OCRは、従来の技術にAI(人工知能)を組み合わせることで、手書き文字や複雑なレイアウトの文書も高精度でデジタルデータ化できる先進的な技術です。ここでは、特におすすめのツールを3つ紹介します。
AI入力ソリューションは、無限が提供する高精度で使いやすいAI-OCRツールです。このソリューションは、業務全体の効率化を高精度で実現し、コスト面でもリーズナブルな点が特徴です。30年以上の開発実績を持つ無限は、650社以上の企業にAI入力ソリューションを提供しており、その信頼性と実績は折り紙付きです。
このソリューションは、以下のような多くのメリットを提供します。まず、入力業務の効率化においては、業務削減実績が75%に達し、人材不足に対応するための対策として、従来5人で行っていた業務を2人で処理できるようにした実績があります。また、ミスの低減による品質向上も実現し、ペーパーレス化の推進にも大いに役立っています。
AI入力ソリューションは、専用のOCRエンジンを用いて帳票を読み取り、その結果をマスタ参照・補正・ノイズ除去を行いデータベースに登録します。
さらに、読み取り結果の修正や確定作業を専用画面から行えるため、操作が簡単でありながら高精度なデータ化を実現します。これにより、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応可能です。
また、無限のAI入力ソリューションは、BtoBの受注取引や請求支払い業務など複雑な運用にも対応できる柔軟性を持っています。コストパフォーマンスが高く、導入後のサポート体制も充実しているため、安心して利用できる点も大きな魅力です。
DX Suiteは、さまざまな業務プロセスを効率化するツールです。このツールは、特に手書き文字の認識に強みを持ち、契約書類や申請書、アンケート用紙などのデジタル化をスムーズに行うことができます。高精度な文字認識を実現するため、業務のデジタル化やペーパーレス化を加速させることができます。
DX Suiteの利点としては、柔軟なカスタマイズ性と高度なセキュリティ機能が挙げられます。業界や業務に特化したテンプレートを作成することで、より効率的な文字認識とデータ管理が可能です。
LINE WORKS OCRは、LINEが提供するビジネス向けのツールです。このツールは、LINEアプリとの連携が強みであり、手軽に使えるインターフェースが特徴です。特に、中小企業や個人事業主にとって、導入が簡単で即効性のあるソリューションとして人気があります。
LINE WORKS OCRは、手書き文字や印刷文字の高精度な認識が可能で、契約書や請求書、名刺などのデジタル化に役立ちます。また、LINEアプリとの連携により、認識したデータを簡単に共有したり、チーム内でのコミュニケーションを円滑に行ったりと利便性が高いです。
OCR技術は、紙の書類を効率的にデジタル化するための強力なツールです。無料で使えるツールから、AIを活用した高精度なソリューションまで、多種多様な選択肢があります。本記事で紹介したツールは、それぞれ異なる強みを持ち、さまざまなビジネスニーズに応えられるツールです。
業務効率化やコスト削減、データの品質向上を目指すなら、これらのツールの導入を検討してみてください。AI-OCRを活用することで、手書き文字のデジタル化も容易になり、さらなる業務改善が期待できます。最適なツールを見つけ、業務効率を大幅に向上させましょう。
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