2024.06.10AI-OCR
PDFをテキストデータ化する「OCR処理」とは?おすすめのアプリやフリーソフトも紹介
PDFや画像内の文字をテキストデータに変換する「OCR処理」は、データの管理や編集を容易にし、業務効率を大幅に向上させる技術です。本記事では、OCR処理の基本的な仕組みとメリットを解説し、おすすめのアプリやフリーソフトも紹介します。手軽に使えるツールから高精度のものまで、多彩な選択肢をお届けします。
目次
● OCRでPDFをテキストに変換する方法はあるか
● OCRでPDFをテキストデータに変換するメリット
● 【無料あり】OCRアプリ・ソフトのおすすめ7選
● PDFをOCRでテキスト変換する方法
● 大量のPDFをOCR処理する2つの方法
● 「AI-OCR」ならより複雑な文字認識も可能に!
● まとめ
PDFファイル内のテキストを抽出し、デジタルデータとして活用する方法は存在します。それを実現するための技術がOCR(光学文字認識)です。この技術を利用することで、紙媒体やスキャンされたPDFファイル内の文字をデジタルテキストに変換し、効率的にデータ管理や編集ができます。
OCR技術を利用することで、PDFファイル内の文字のテキスト変換が可能です。これは、スキャンされた文書や画像内の文字を自動的に認識し、デジタルテキストとして抽出する技術です。
例えば、PDF形式の書類や写真に写ったテキストを、手動で入力することなく、迅速かつ正確にテキストデータ化できます。この技術は、業務効率化に大いに貢献し、手動入力によるミスを減少させ、作業時間を大幅に短縮します。
この技術を使用することで、PDF内のテキストをダイレクトに編集できるようになり、キーワード検索も可能になります。また、ExcelやWordなどの他のファイル形式に変換することもできます。これにより、データの管理が容易になり、必要な情報を迅速に検索・編集できるため、業務の効率化が図れます。
OCRとは、「Optical Character Recognition」(光学文字認識)の略で、スキャンされた文書や画像内の文字を自動的に識別し、テキストデータとして変換する技術です。文字の形状を解析し、それをデジタルテキストとして認識します。これにより、紙媒体や画像データ内のテキストを効率的にデジタル化できます。
この技術は、書類のデジタル化やアーカイブ化、情報の検索・編集など、多岐にわたる用途で利用されています。
OCR処理を行う際の具体的な流れは、以下の通りです。
まず、OCRを使用するためには専用のソフトウェアが必要です。ソフトには有料版と無料版があり、それぞれに特徴があります。以下に一般的な手順を示します。
・画像の取り込み
スキャンやデジタルカメラで文書を画像として取り込む
※この時点では、文書はまだ画像データ
↓
・画像と文字列の分離
取り込んだ画像データから文字列を抽出するための処理
※この段階では画像内の文字部分を識別しテキストデータとして分離
↓
・文字列の解析
各文字を個別に認識して、文字の形状やパターンを分析しテキストデータに変換
↓
・出力
変換されたテキストデータをPDFやWord、Excelなどの形式で出力・保存が可能
OCRは、PDFや画像内の文字をデジタルテキストに変換する技術です。この技術により、PDFファイルの効率的な管理・編集が可能になります。以下では、具体的なメリットについて詳しく解説します。
最大のメリットは、手入力の手間を大幅に削減できる点です。従来、PDF内の情報をデジタルデータに変換するには、手動で文字を入力する必要がありましたが、OCRを使用することで、PDF内の文字を自動的に認識し、テキストデータとして抽出することが可能になりました。
これにより、手動で入力する手間が省け、入力ミスが減少し、データの正確性が向上します。
PDFをテキストデータ化することで、必要な情報を簡単に検索できるようになります。テキストデータとして認識されたPDF内の文字は、キーワード検索が可能です。これにより、膨大な量のデータからでも、必要な情報を瞬時に見つけ出すことができます。
また、全文検索機能を活用すれば、ファイル名や記入内容に不備があっても、関連する情報を簡単に探し出せます。情報管理が格段に楽になるでしょう。
PDFをテキストデータ化すると、書類の内容を直接編集できます。通常、PDFファイルは画像として保存されているため、直接の編集が難しい形式です。しかし、テキストデータ化することで、PDF内の文字を自由に編集できます。
これにより、書類の修正や追加が容易になり、PDF内の誤字脱字の修正や、最新情報への更新も簡単に行うことができます。
PDFをテキストデータ化することで、ExcelやWordなど他の形式のファイルへの変換が容易になります。これにより、PDFの情報を活用したデータ分析や報告書の作成がスムーズに行えます。
テキストデータとして抽出された情報は、Excelに取り込んでデータ分析に使用したり、Wordに貼り付けて文書作成に活用したりすることが可能です。例えば、請求書や注文書などのデータをExcelに取り込むことで、数値の集計や分析が簡単に行えます。
OCR技術を活用することで、手動で入力する手間を省き、業務効率を大幅に向上させることができます。さまざまなツールが提供されていますが、ここでは、おすすめのOCRアプリ・ソフトを7つご紹介します。
Google DriveにはOCR機能も搭載されています。Google DriveにPDFや画像ファイルをアップロードし、Googleドキュメントで開くだけでテキストデータに変換できます。以下の点が特徴です。
・アプリやソフトのダウンロードが不要
・複数のユーザーと共同編集が可能
Google Driveは、特に小規模なプロジェクトや個人利用には非常に便利です。しかし、ファイルサイズや解像度に制限があるため、大規模なデータ処理には向かない場合があります。
具体的な使用方法は後述します。
Renee PDF Aideは、無料で利用できる高機能なOCRソフトです。PDFを高速でテキストに変換し、ダイレクトに編集することが可能です。さらに、以下の特徴があります。
・複数の形式に変換:PDFをWord、Excel、PowerPointなどに変換可能
・高速処理:最大1分間で200ページをスキャン
・多言語対応:日本語を含む多言語に対応
このソフトは、個人利用だけでなく、中小企業でも活用できる高性能なツールです。簡単な操作で高精度のOCR処理ができるため、初めてOCRを利用する方にもおすすめです。
Adobe Acrobatは、PDFの編集・管理における業界標準ツールです。高度なOCR機能を搭載しており、PDF内の文字を高精度で認識し、テキストデータとして抽出します。Adobe Acrobatの主な特徴は以下の通りです。
・高い再現性:PDFを他のファイル形式に変換する際も高い再現性を保持
・セキュリティ機能:パスワード保護や電子署名に対応
・多機能:ページの追加・削除、注釈の挿入などの機能を搭載
Adobe Acrobatは、その多機能さと高い信頼性から、多くの企業で利用されています。特に、PDFを多用する業務環境においては欠かせないツールです。具体的な使用方法は後述します。
PDFelement Proは、Wondershareが提供する高機能なPDF編集ソフトです。直感的な操作でPDFの作成、変換、編集が行えるため、多くのユーザーから高い評価を得ています。PDFelement Proの主な特徴は以下の通りです。
・使いやすいインターフェース:Word感覚で操作できる
・高度な編集機能:テキスト、画像、リンクの編集が可能
・安全性:パスワード保護や電子署名に対応
このソフトは、PDFを頻繁に編集・管理する必要があるビジネスユーザーに最適です。また、買い切りタイプのため、長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
本章では、Google DriveとAdobe Acrobatを使ったPDFのテキスト変換方法について詳しく解説します。
以下の手順で、Google Driveを使ってPDFをテキスト変換できます。
Google DriveにPDFをアップロード
↓
Google Driveにログインし、変換したいPDFファイルをドラッグ&ドロップでアップロード
↓
PDFファイルをGoogleドキュメントで開く
↓
メニューから「アプリで開く」を選び「Googleドキュメント」をクリック
↓
Googleドキュメントが自動的に開きPDF内のテキストが認識され、テキストデータとして表示
↓
テキストを編集・保存する
↓
Googleドキュメントで開いたPDFのテキストを自由に編集可能
↓
編集完了後、「ファイル」メニューから「ダウンロード」を選び、WordやPDFなどの形式で保存
Googledriveを利用した方法のメリットは、無料で利用できることと、手軽に操作できる点です。
以下の手順で、Adobe Acrobatを使ってPDFをテキスト変換する方法を説明します。
・Adobe Acrobatを起動し、PDFを開く
Adobe Acrobatを起動し、変換したいPDFファイルを開く
↓
「ファイル」メニューから「開く」を選び該当のPDFファイルを選択
・OCR機能を適用する
PDFが開いたら、右側のツールパネルから「スキャンとOCR」を選択
↓
「ファイル」メニューから「開く」を選び該当のPDFファイルを選択
↓
画面に表示されるオプションで、OCRの言語や出力形式を設定
↓
設定後「スキャン」ボタンをクリックし、OCR処理を開始
・テキストを編集・保存する
OCR処理完了後、PDF内のテキストが編集可能
↓
テキストを編集し「ファイル」メニューから「保存」を選択
↓
画面に表示されるオプションで、OCRの言語や出力形式を設定
↓
PDFを他の形式(Word、Excelなど)に変換したい場合は「ファイル」メニュー「変換」から希望の形式を選択
大量のPDFを効率的にOCR処理することは、業務の効率化やデータ管理の向上に欠かせません。本章では、大量のPDFを効果的に処理する2つの方法について詳しく解説します。
バッチ処理は、大量のPDFを一括してOCR処理するための方法です。
この方法では、複数のPDFファイルをまとめて処理することで、個別に処理する場合に比べて大幅な時間短縮が可能です。バッチ処理を実現するためには、専用のOCRソフトやツールを使用します。以下にバッチ処理の具体的な手順とメリットを説明します。
・手順
(1)PDFファイルの準備
処理したいPDFファイルを1つのフォルダにまとめる
(2)OCRソフトの設定
バッチ処理が可能なOCRソフトを起動しバッチ処理モードに切り替える
(3)処理対象の指定
フォルダ全体または特定のファイルを選択
※必要に応じて言語設定や出力形式を設定
(4)OCR処理の実行
バッチ処理を開始
※ソフトは自動的にすべてのPDFファイルに対してOCRを実行しテキストデータを抽出
(5)結果の確認と保存
結果を確認し必要に応じて修正して保存
・メリット
(1)時間の節約
1度に多くのファイルを処理するため、個別処理に比べて大幅に時間節約できる
(2)一貫性の確保
全てのファイルに同じ設定で処理を行うため、データの一貫性を確保
(3)自動化
手動によるエラーを減らし作業効率を向上
AI-OCRは、人工知能技術を利用してOCR処理の精度と効率を向上させた方法です。
従来のOCR技術に比べ、手書き文字の認識や異なる書式の文書に対しても高い精度で対応できます。さらに、ディープラーニング技術を利用して、大量のデータを学習するため、文字認識の精度を継続的に向上させます。
これにより、従来のOCRでは認識が難しかった手書き文字や複雑な書式にも対応可能です。AI-OCRについて詳しくは後述します。
AI技術を活用したOCR、通称AI-OCRは従来の技術では難しかった複雑な文字認識を可能にする新しい技術です。以下では、AI-OCRとは何か、そして従来の技術との違いについて詳しく解説します。
AI-OCRでは、機械学習やディープラーニングを活用し、文字の認識精度を大幅に向上させることができます。また、大量のデータを高速で処理できる点でも優れています。
これにより、文書や帳票のデジタル化が効率的に行えるため、業務の効率化に大きく貢献します。さらに、AI-OCRは使用するたびに学習を続け、その精度を向上させていくため、時間とともに認識率が高まり、より正確なデータの抽出が可能となります。
例えば、日本語の複雑な漢字やひらがな、カタカナの認識にも対応しており、従来の技術では認識が難しかった文字も高精度で読み取ることができます。
AI-OCRと従来の技術の最大の違いは、AI技術を活用しているかどうかです。従来の技術では、決まったアルゴリズムに基づいて文字を認識しますが、手書き文字や異なるフォントには対応しづらいという欠点がありました。
これに対して、AI-OCRは機械学習やディープラーニングを活用することで、文字の形状だけでなく、その前後の文脈やパターンも学習し、高い認識精度を実現します。
例えば、カタカナの「エ」と漢字の「工」を区別する際に、その文字の前後の文脈を考慮して判断するため、誤認識を減らすことができます。
さらに、AI-OCRは大量のデータを高速で処理する能力を持っています。従来の技術では、大量のデータを処理する際に時間がかかることがありましたが、AI-OCRはそのような問題を解決し、効率的なデータ化が可能です。
このように、AI-OCRは従来の技術に比べて高い認識精度と処理能力を持ち、特に手書き文字や異なるフォントの文書をデジタル化する際にその真価を発揮します。
AI-OCRについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
OCR処理を利用することで、PDFや画像内の文字を簡単にテキストデータに変換でき、業務の効率化が図れます。手動での入力作業を省き、入力ミスを防ぐことで、より正確なデータ管理が可能になります。
また、テキストデータ化された情報は、検索や編集が容易になるため、柔軟な管理・活用が可能です。AI-OCRを活用して、OCR処理のメリットを最大限に引き出し、業務効率の向上を実現しましょう。
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