2024.08.21エクセル
Excelでアンケート集計を取る方法を初心者にも分かりやすく解説
アンケートの集計作業は、ビジネスや研究活動において欠かせないプロセスです。本記事では、Excelを使用してアンケート集計を行う方法を初心者にも分かりやすく解説します。基本的な集計方法、そして専門業者やAIを活用したアンケート集計まで、一つひとつ解説しますので、Excelを使いこなし、効率的に集計を行うための知識を一緒に学んでいきましょう。
目次
● アンケートの集計方法は3種類ある
● アンケートのExcel集計で使いたい3種類の関数と参照機能
● 【種類別】アンケートの効率的な集計方法
● Excelだけじゃない!効率的なアンケート集計方法
● アンケート入力・集計におけるAI活用方法
● アンケート入力・集計の効率化は「AI入力ソリューション」にお任せください
● まとめ
アンケートの集計方法にはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な3つの方法について解説します。
単純集計は、回答をそのまま集計する方法です。この方法はシンプルで、各質問に対する全体的な回答状況を把握するのに適しています。例えば、商品の満足度を知りたい場合に行う「満足」「普通」「不満」の段階評価などです。
単純集計は、データの全体像を迅速に理解するための基本的な手段で、ExcelではSUM関数やCOUNT関数を使用した集計が可能です。SUM関数とCOUNT関数についてはのちほど詳しく解説します。
複数の質問項目を組み合わせて集計する方法です。これにより、異なる属性を持つ回答者グループ間の比較が可能になります。例えば、性別ごとの満足度の違いや、年代別の購入意欲の傾向が分かります。
クロス集計では、ピボットテーブルが有用です。ピボットテーブルを活用すれば、複数の質問項目を組み合わせた集計結果を視覚的に表示できます。
自由回答式は、回答者が自由に意見や感想を記入する形式です。この形式では、定量的なデータだけでなく、定性的なデータも収集できるため、回答者の生の声を直接聞くことができます。
・アフターコーディング
アフターコーディングとは、自由回答のデータを定量的なデータに変換する作業です。具体的には、自由回答の内容をカテゴリに分類し、そのカテゴリごとに集計します。例えば、「この商品のどこが好きですか?」という質問に対する回答を、「デザイン」「価格」「機能」といったカテゴリに分類し、各カテゴリの回答数を集計します。
利点は、自由回答の内容を定量的に分析できる点です。これにより、定性的なデータからも数値的な傾向を見出すことができます。アフターコーディングを行う際は、まず回答内容をよく読み込み、共通するテーマやキーワードを見つけ出し、それにもとづいてカテゴリを設定します。その後、カテゴリごとに回答を分類し、集計を行います。
このプロセスは手間がかかりますが、自由回答の内容を体系的に理解するためには非常に有効です。
・テキストマイニング<
テキストマイニングは、自由回答のテキストデータを解析し、重要なパターンやトレンドを抽出する方法です。自然言語処理技術を利用して、テキストデータからキーワードやフレーズの頻度、共起関係などを分析します。
テキストマイニングの一例として、回答者のコメントから頻出するキーワードを抽出し、そのキーワード間の関連性を視覚化することが挙げられます。例えば、「品質」「価格」「サービス」といったキーワードがどのように関連しているかをグラフ化することで、回答者がどの点に重点を置いているのかを把握できます。
テキストマイニングは、膨大な自由回答データを効率的に分析するための強力なツールです。特に、大規模なアンケート調査やソーシャルメディアのフィードバックを分析する際に有効です。
Excelを使ったアンケート集計で避けて通れないのが、関数の機能です。苦手意識を持つ人も多いようですが、ここで紹介する3つの基本的な関数を用いれば効率的にアンケート集計ができるようになるので、マスターしてしまいましょう。
まず、1番簡単に使えるのがSUM関数です。アンケートだけでなく、Excelに触れたことがある人なら1度は使ったことがあるかもしれません。SUM関数を活用すると、指定した範囲内のセルの合計を簡単に知ることができます。
SUM関数は「= SUM (B2:B17)」と入力するとB列の2~17に記載された合計が瞬時に算出されるので、試してみましょう。
次に、COUTIF(カウント・イフ)関数です。複数の条件を指定してアンケートの回答を集計したいときに使います。この関数の特徴は、検索条件がつけられることです。例えば、ある商品の満足度が60%以上と回答した人数を集計したい場合、次のようにセルに入力します。
=COUNTIF(B2:B17, “>=60”)
まず「B2:B17」でExcelの範囲を指定して、次に検索条件である「>=60(60%以上)」をカンマで区切って記入しましょう。そうすると、指定した範囲内で条件に当てはまる人数の合計が集計されます。
最後に、INDEX(インデックス)関数についても見てみましょう。これは行と列の番号を指定して、そこに記載されているデータを抽出してくれる関数です。
=INDEX(表範囲, 行番号, 列番号)
これがINDEX関数の構文で、例えば表範囲をB2:B17、上から4行目、左から3列目と指定したいときは、次のように入力します。
=INDEX(B2:B17, 4, 3)
すると、4行目と3列目が交差するセルにある数字を見つけられます。
以上の3つの関数を駆使しながら、効率的にアンケート集計を行いましょう。
絶対参照と複合参照と呼ばれる、参照機能を関数と一緒に使うと便利です。
まず絶対参照とは、数式をコピーしたり、オートフィルを利用した際に、関数の式の中にあるセルを固定したいときに使います。例えば、先ほど説明したCOUNTIFの関数を見てみましょう。
=COUNTIF(B2:B17, “>=60”)
これに絶対参照を加えると、以下のようになります。
=COUNTIF($B$2:$B$17, “>=60”)
これには$という記号が加わりました。絶対参照を使うと、B2からB17までの範囲のずれを防ぐことができます。
また、複合参照とは片方のみ固定にした式のことをいいます。
=COUNTIF($B$2:B17, “>=60”)または、=COUNTIF(B2:$B$17, “>=60”)
B2かB17のどちらか一方のみ$を加えていることを確認しましょう。絶対参照と複合参照は、どちらもアンケート集計を効率的に作業するポイントなので、ぜひ取り入れてみてください。
アンケートは、選択式、記述式、評価式の3種類に大別され、それぞれの形式には特有の集計方法があります。ここでは、各種類の特徴と、それぞれに適した集計方法について解説します。
選択式アンケートは、回答者が提示された選択肢の中から最も当てはまるものを選ぶ形式です。この形式は、定量的なデータを効率的に収集できるため、集計と分析が比較的容易で簡単な集計から詳細なクロス集計まで、幅広く活用できます。例えば、「性別」「年齢」「購入頻度」などの質問でよく使用されます。
・ステップ1: データの入力と整理
回答データをExcelに入力し、各質問に対する回答を列ごとに整理します。
例)A列に回答者ID、B列に性別、C列に年齢、D列に購入頻度といった形
・ステップ2: 基本的な集計
基本的な集計には、SUM関数やCOUNTIF関数を使用します。
例)性別ごとの回答数を集計する場合、以下のような使い方
=COUNTIF(B:B, “男性”)
・ステップ3: クロス集計
クロス集計を用いて、複数の質問項目を組み合わせた分析を行います。ピボットテーブルを使用すると、性別と年齢別の購入頻度の分布を視覚的に表示可能です。
記述式は、回答者が自由に意見や感想を記入する形式です。この形式は、定性的なデータを収集できるため、回答者の意見や感情を理解する上で役立ちます。しかし、集計には時間と労力がかかります。
・ステップ1: データの入力
自由回答をExcelに入力します。A列に回答者ID、B列に自由回答内容を入力します。
例)「この商品のどこが好きですか?」という質問に対する回答をそのまま入力
・ステップ2: アフターコーディング
アフターコーディングを行い、自由回答をカテゴリに分類します。
例)「デザイン」「価格」「機能」「ブランド」といったカテゴリを設定し、各回答を適切なカテゴリに分類
・ステップ3: テキストマイニング
テキストマイニングを用いて、自由回答データを詳細に分析します。
例)キーワードクラウドを作成し、回答者が最も多く言及しているテーマを視覚的に表示
評価式は、回答者が特定の項目について評価を行う形式です。一般的には、1〜5のスケールや「満足」「普通」「不満」などの評価スケールが使用されます。この形式は、特定の項目に対する満足度や意見の強さを定量的に測定するのに適しています。
ステップ1: データの入力と整理
評価データをExcelに入力し、各評価項目を列ごとに整理します。
例)A列に回答者ID、B列に満足度の評価を入力
ステップ2: 基本的な統計分析
基本的な統計分析を行います。評価の平均値、中央値、標準偏差を計算することで、全体の傾向を把握します。
例)AVERAGE関数やMEDIAN関数を使用して平均値や中央値を求めます。
=AVERAGE(B:B)
ステップ3: グラフ作成
評価データを視覚化するために、棒グラフやヒストグラムを作成します。
例)満足度の評価を棒グラフで表示しどの評価が最も多いかを視覚的に確認
ステップ4: 詳細な分析
クロス集計を用いて、異なる属性を持つ回答者グループ間の評価傾向を分析します。
例)年齢別や性別別の満足度の違いをピボットテーブルで分析
集計方法としてExcelは便利なツールですが、他にも効率的にデータを収集、分析するためのさまざまな方法があります。以下では、Excel以外の集計方法について解説します。
専用オンラインツールは、アンケートの作成、配信、集計、分析を一括でできるため、非常に効率的です。例えば、Google Formsなどのツールは、直感的なインターフェースと豊富な機能を提供しています。
・メリット
これらのツールにより、アンケートの作成が容易になり、回答データが自動的に収集されます。さらに、リアルタイムで集計結果を確認できるため、迅速な意思決定が可能です。グラフやチャートも自動生成されるため、視覚的な分析も簡単にできます。
・機能
多くのツールは、選択肢形式、記述形式、評価形式など多様な質問形式に対応可能です。また、回答者に対するリマインダーメールの送信や、回答の途中保存機能など、回答率を高めるための機能も充実しています。
専門業者に委託することも1つの方法です。特に大規模なアンケート調査や、特定の分野に特化した調査を行う場合、専門業者のサービスは非常に有益です。
・メリット
調査の設計からデータの分析までをプロフェッショナルに任せることができます。また、専門業者は豊富な経験と高度な分析ツールを持っているため、より精度の高い結果を期待できます。
・サービス内容
専門業者の役割は、アンケートの設計、サンプリング、データ収集、データクリーニング、分析レポートの作成まで、一連のプロセスを包括的にサポートすることです。
自動化システムは、データの収集、整理、分析を自動的に行うことで、作業効率を大幅に改善可能です。
・メリット
手作業によるデータ入力や集計の手間が省けます。また、リアルタイムでデータを処理し、即座に結果を確認できるため、迅速な意思決定が可能です。データの正確性も向上し、ヒューマンエラーを最小限に抑えることができます。
・機能
多くの自動化システムは、回答データの自動入力、データベースへの格納、統計分析、レポート作成などの機能を備えています。
アンケートの入力や集計作業には多くの手間と時間がかかりますが、AI技術の活用で、そのプロセスを効率化できます。以下では、具体的なAI活用方法について解説していきましょう。
自然言語処理(NLP)は、テキストデータを解析し、意味を理解するAI技術です。アンケートの自由回答形式で得られるテキストデータを効果的に分析するために、NLPを活用できます。
・自由回答の分類とコーディング
NLPの利用により、自由回答を自動的に分類し、定量化が可能です。例えば、回答者が書いたコメントをキーワードやテーマごとに分類し、それをもとに集計ができます。
・感情分析
NLPを使ってテキストの感情分析も可能です。回答者のコメントから、肯定的、否定的、中立的な感情を自動的に識別し、全体の感情傾向を把握できます。
・テキストマイニング
NLPを用いたテキストマイニングにより、膨大なテキストデータから有用な情報を抽出可能です。例えば、頻出するキーワードの抽出や、トピックモデリングによって、回答者の関心や意見のトレンドを把握できます。
画像認識AIは、画像データを解析し、特定の情報を抽出する技術です。アンケートで画像や手書きの回答が含まれる場合、この技術が非常に有効です。
・手書きアンケートのデジタル化
手書きのアンケートをスキャンし、画像認識AIを用いてデジタルデータに変換可能です。文字認識(OCR)技術を使うことで、手書きの文字を自動的にテキストデータに変換し、集計作業を効率化できます。
・画像付きアンケートの分析
回答者が画像を提出するアンケートでは、画像認識AIを使って画像の内容を自動的に解析し、データとして取り込むことが可能です。
・画像分類とタグ付け
画像認識AIは、アンケートに含まれる画像を自動的に分類し、タグ付けもできます。これにより、画像データの管理が容易になり、後の分析や検索が簡単になります。
機械学習は、大量のデータを基にパターンを学習し、予測や分類を行う技術です。アンケートデータの分析に機械学習を導入することで、より高度な分析が可能になります。
・回答パターンの識別
機械学習を使用して、回答パターンやトレンドを識別できます。クラスタリング手法を使って、似たような回答パターンを持つグループを自動的に分類することも可能です。
・予測モデルの構築
過去のアンケートデータをもとに、機械学習モデルを構築することで、将来の回答傾向を予測できます。
・異常検知
機械学習は、異常検知にも利用可能です。異常な回答パターンや、不正回答を自動的に検出し、データの品質を保つことができます。
もしアンケート入力や集計を効率化させるためにAIの活用を検討しているのであれば「AI入力ソリューション」がおすすめです。これはアンケートに限らず伝票入力など他の作業にも適用できます。データ入力全般に活用できるサービスで、さまざまな業務を自動化することが可能です。
さらに、AIにはデータ補正の処理機能が搭載されているため、使えば使うほど正確性が向上していくのも優れた点です。場所を問わずどこからでもアクセス可能なため、リモートワークを検討されている企業様もお使いいただけます。
また、入力データをExcel化するだけではなく、社内の基幹システムとの連携精度が高いので直接入力できるサービスも利用可能です。AIの導入により、時間と労力を大幅に削減し、生産性を向上させることができます。
テキストマイニングや自然言語処理などの高度なAI技術を利用することで、自由回答の分析や画像認識を含む多様なデータ処理も可能です。データ入力の効率化をご検討の際は、ぜひお問い合わせください。
本記事では、Excelでアンケート入力や集計をしたいときに使いたいコツやツール、アンケート集計におけるAIの活用法などをお伝えしました。近年では、AI技術の発展によりExcelの他にもAIツールを活用することでアンケートの入力や集計が効率的に行えるようになっています。少しでもコツを覚えて効率化していきましょう。
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