コラム

2023.10.23ワークフロー

業務フローとは? 社内業務で役立つフロー図の書き方を解説

現場の作業効率化において、業務フローの作成は重要な役割を果たしています。では、現場でよく耳にする「業務フロー」や「業務フロー図」とは、具体的に何を示しているのでしょうか。本記事では、その概要や役割、書き方について詳しく解説します。
 

 

 

 

 

 

 

 

業務フローとは何か?

まずは、業務フローとはどんなものなのか、概要やその特徴について整理していきます。

 

業務フロー(業務フロー図)とは、仕事のプロセスをわかりやすく示したフローチャートのことです。仕事をスムーズに遂行するには、次に何をすべきか、誰に業務の依頼や情報共有をすべきかなど、現場の人間が詳しい流れを把握しておかなければなりません。

 

業務効率化のためには、業務フローは無駄なく最適化されている必要があります。どうすればより効率よく業務を進められるのかを考え、現場の担当者同士がルールを作り、それをもとに業務の流れをわかりやすく示すことが重要です。

 

  
 
 
 
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業務フローを作成する目的

業務フローを作る理由・目的は何があるのでしょうか。上では「効率的に業務を進めていくため」と軽く触れてきましたが、さらに具体的な例として以下が挙げられます。

 

業務を視覚化することで複雑さをなくす

業務の問題点を把握する

各業務の担当者・部署を把握し相互に理解し合う

 

業務がどのような流れで遂行されているのかが視覚化されれば、より感覚的に理解しやすくなり、複雑だと感じるポイントが減ります。業務フローの図や表を見ただけでも、ある程度の流れはつかめるでしょう。新人の理解も早くなります。

 

また、業務フローとして流れが図示されていれば、問題点や今後の課題も自然と見えてきます。進捗が悪くなりやすいポイントも把握できるでしょう。また、それぞれの業務の担当者が相互に業務内容を理解し合うことは、現場の協力体制を高めることにもつながります。

 

 


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業務フローの代表的な規格

業務フローを作成する際には、あらゆる規格があります。業務フローは図式などで表記されるため、一般的な規格を用いて作成しておけば、より多くの人にとって理解が早くなります。規格について一例を紹介すると、以下のものが挙げられます。

 

・JIS

・DFD

・BPMNビジネスプロセスモデリング表記法

・UMLアクティビティ図

 

業務フローで特によく使われる記号はJISで規格が定められたものです。これらの種類の中でも、JISはプロセスを把握しやすいという特徴があります。

 

DFDはデータフロー図の規格にあたり、データ処理の流れを図解して示すといった特徴があります。

 

BPMNビジネスプロセスモデリング表記法は、社内外の業務関係者全員が共通認識を持って業務遂行にあたることを目的とした表記法を示しており、UMLアクティビティ図もそれによく似ています。

 

 

社内業務にとって良い業務フロー図の書き方

次に、社内業務における良い業務フロー図の書き方を整理していきます。フローを作成する目的は現場によってそれぞれ違いますが、作成時のポイントになるのは、良い業務フロー図に見られる共通点です。良い業務フロー図の書き方に共通している、意識するべきポイントを紹介します。

 

 

ポイント1:シンプルでわかりやすい

良い業務フロー図は、基本的にシンプルに作られています。無駄なポイントを省き、わかりやすい書き方で作られているため、どこから業務をスタートすれば良いのかがしっかり理解できます。

 

業務フロー図でスタート地点に配置するのは、ひとつの作業だけです。業務開始時に複数の作業が並んで記載されているよりも、ひとつの作業だけが記載されている図のほうが、最初に取り掛かるべき業務がわかりやすくなります。

 

最初の作業が一目でわかる形で記載されていると、業務のスタート地点がスムーズに把握でき、スタートからの流れも追いやすくなるメリットがあります。

 

逆に、業務の開始時点に複数の作業が書かれていると、どの作業から始めるべきかがわかりにくくなり、スムーズに流れを追い進められません。

 

シンプルかつわかりやすい業務フローを作るには、ひとつのスタート地点から始まる流れでフロー図を書く必要があります。また、目的に応じて必要な情報のみが明記されていることも重要です。目的には関係ない作業まで詳しく書き込んだ場合、図が複雑化するため流れをつかみにくくなります。

 

業務フロー図は、業務全体を把握できる形に作ることが大切です。

 

不必要な情報を削り、必要な情報をまとめたシンプルな図を作成することが、良い業務フローの書き方です。たとえ関連する作業でも、かなり細かいレベルの作業まで記載すると複雑な内容になってしまいます。作る際には、作業の粒度が細かくなりすぎていないかどうかにも注意が必要です。

 

 

ポイント2:関係者がフローを理解できる

良い業務フローを作成するには、どの担当者が見ても正確に理解できる内容で作る必要があります。見る担当者によって理解されにくい部分がある書き方では、それぞれの部署や担当者の相互理解になかなかつながりません。お互いが業務の流れを把握できないと、業務上の協力体制も築きづらいでしょう。

 

各関係者が理解できるフローを作成するには、全員が把握している共通認識をもとにすることが大切です。関係者ごとに作成時のルールが異なっている場合、作成する人によってその書き方が異なるため、見たときに一目で内容を理解することはできません。

 

業務フローは、見ただけで業務の内容や流れを簡単に理解する目的で作成される図です。特定の担当者や担当部署の人間にしかわからない書き方では、全員がしっかりと業務内容を把握できないため、トラブルも起こりやすくなります。

 

その点、あらかじめ決められた図形や線形を使うといった共通認識に基づいて業務フローを作成していると、認識通りに記載されている内容を確認できるため、自然と理解が早まります。

 

業務フロー図の作成を始める前に、「全社共通のルールを作る」「既存の業務フローの規格を採用する」など共通認識の整備を行うことで、わかりやすいものの作成が可能になります。

 

現場の担当者がフローを作成した場合、「業務の順序や分岐時点の条件などがわかりにくい」「細かすぎる業務まで書かれている」など、担当者以外から見ると理解しにくい内容になるケースもあります。誰が見ても理解しやすいものを作るには、作成時に修正が必要ないか、関係者に確認してもらうことも大切です。

 

 

ポイント3:図形や線形を使い分けている

図形や線形を上手に使い分けることも、良い業務フローを書くコツのひとつです。視覚的に訴えられる図形・線形に、それぞれ意味を持たせて使い分けるなどの方法が、わかりやすさにつながります。

 

担当ごとに使用する図形を決め、担当部署ごとに決められた図形を使用し作業を記載していると、一目で担当部署や担当者の把握が可能です。

 

また、作業効率アップや現状課題の洗い出しを目的とした業務フローを作成する際は、業務の時系列で記号を配置して作業内容ごとに図形を分けていくと、作業の流れから違いまでわかりやすく可視化されます。

 

業務フローで使用される記号には、「開始・終了」「プロセス・処理」「判断」「サブプロセス」などがあり、業務がこれらの記号で書かれていると一目でフロー内の作業がわかります。図形を使い分けると、「誰」が「どんな作業」を行っているか把握しやすくなる点もメリットです。

 

業務の全体像から各作業と担当者を把握しやすくなるため、「同じ担当者が複数の業務を多重管理している」といった問題点も見つけやすくなります。

 

ただし、図形をあまり多用しすぎても、かえって複雑化して見にくくなるため注意が必要です。図形の使用はフロー内で15個程度までに抑えると、適度に分類されて見やすくなります。

 

業務フローでは、線形の使い分けも重要です。業務のプロセスによって異なる線形を使用すると、どの線形がどの作業の流れを表しているかの判断が容易になります。線形の分類を定めていた場合でも、フローを作成する際に分類を無視して作られていたり、プロセスの矢印が複雑に重なっていたりする場合には、業務フローのスムーズな理解が難しくなります。

 

見た目の複雑化を避けるため、接続線が重ならないように各図形を配置して作ることも大切です。作業記号の位置は時系列も表しているため、時系列にも気をつけなければなりません。実際の時系列に沿って記号を配置し、矢印の逆向きや複雑に重なる状態に気をつけて作成すると、わかりやすいフローになります。

  
 
 
 
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社内業務で役立つ業務フロー図について考えよう!

目的が違えば、どのような業務フローが最適なのかも変わってきます。フローを作成する目的は、業務状況や会社の事業内容によってさまざまです。例としては以下のような目的が挙げられます。

 

・業務システムを刷新する

・業務コストを削減する

・個人情報保護への意識をより高める

・作業効率化

・事業内容を示すための資料作成

・新人研修のマニュアル作り

 

ここでは、社内業務で業務フローを使用するケースに関して、箇条書きで示した内容の中から2つを例に挙げて解説します。

 

フロー図

 

例1:システムを変更する場合

システムを刷新するためには、現状を把握した上で課題を見つけ出すことが大切です。現在の課題がわかれば、課題解決に必要な機能を絞り込めるため、より自社の要件にマッチしたシステムの選定が可能になります。

 

システム変更を目的とする業務フローの作成時には、担当者へのヒアリングを行い、必要なタスクや業務の流れ、課題などを洗い出すことから始めます。

 

現状を把握したら、課題も徹底的に洗い出して、課題の原因まで確認・把握しなければなりません。課題と原因を突き止めてから業務改善計画を作成し、効果的な業務フローを作成しましょう。

 

 

例2:事業内容を説明する場合

事業内容を説明するための資料として業務フローを作成する場合には、誰に事業内容を案内するのかが重要なポイントになります。

 

新人教育、外部委託時の教育、障害発生時の関係各社への情報共有などで、社外の人間にもわかりやすく伝えるためにはどのような図を使うべきか、どの作業をピックアップしてフローに示すべきか、といった部分を見極める必要が出てきます。

 

このように、どういうフローを作成していくかは目的によって異なります。業務フローを作成する本来の目的をあらかじめ考えた上で、目的に沿った最適なものを作成していきましょう。

 

 

 

 

複雑な業務フローを「ツナグ・ワークベース」で効率化

「ツナグ・ワークベース」は、業務プロセスの電子化を実現するシステムです。文書管理、勤怠管理、経費精算など、さまざまな業務システムと連携し、各システムの効果的な活用を可能にします。

 

低コストでの導入が可能なうえ、直観的に使える操作性の高いシステムが各業務システムの土台となり、ワークフロー・フォーム作成・BtoB取引の受発注一元化などの便利な機能を活用できます。

 

ワークフロー機能では業務プロセスを可視化できるため、業務の進捗状況の把握が可能です。紙文書で行っていた申請・承認業務をシステム上での処理に切り替えでき、設定通りの適切な手順で申請を行えます。

 

ノートPCやスマホからの申請・承認が可能になり、承認・決裁までの期間は紙文書利用時よりも大幅に短縮されます。オフィス以外の場所からでも業務が行えるため、テレワークなどの柔軟な働き方にも対応できます。

 

「ツナグ・ワークベース」は、お客様の業務に合わせたカスタマイズが可能なシステムです。各システムとの連携によって、発注ステータスの見える化・一元管理を可能にする機能もあります。

 

これまで受注データや発注データなどのデータを異なるシステムで管理していた場合、必要なシステムを選んで連携でき、スムーズなデータ活用・管理で業務効率化につなげられます。

  
 
 
  
 
 
 
 
 
 
  

 

まとめ

業務フローは、仕事のプロセスをわかりやすくまとめた図表です。フローには業務を視覚化し、現状や問題点の把握を助ける役割があり、業務システムの刷新や業務コスト削減、事業内容を示す資料作成などの目的で作成されます。

 

業務フロー作成の際は、図形や線形を活用し、シンプルで誰が見てもわかる形を意識することが大切です。業務フローの目的に応じて必要な内容を洗い出しまとめることで、無駄がなく目的に沿ったフローの作成が可能になります。
 

 


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