お客様事例

2020.11.25食品メーカー

あづま食品株式会社 様

納豆を製造し、日本全国のスーパーに提供するあづま食品。毎日200~300枚もの発注ファックスが届き、約3時間で処理するスピード作業が要求され、結果、発送ミスが発生していました。そこで紙ベースの資料をデジタル化するOCR製品、無限のA I入力ソリューションを導入。大幅な作業量の削減と人材の省力化へ向けて、改善に取り組んでいます。

 

どのようにOCR製品を選定し、実効性のあるものへと育てたのか。管理部業務システム課、次長の生出恵美さん、係長の吉原聡さん、主任の横山真代さんに話を伺いました。

 

 

AI入力ソリューション導入事例集

 

導入前の課題

1日300枚の発注ファックスを約3時間で処理。起こるべくしてミスは起きていた

これまで伝票入力作業において、どのような問題が発生していましたか。

生出:全国のスーパーからの納豆の発注書が、この本社にすべて届きます。発注の半分はオンライン化されましたが、まだ半数はファックスです。届くファックスの枚数は1日に200枚~300枚。定刻の13時半から15時の間に届き、明日の販売に間に合わせるため、17時までに出荷しなければなりません。作業時間は2時間~3時間半。

 

正直、じっくり書類を読み取る暇はありません。入力もテンキーを止まることなく数時間打ち続ける作業であり、大変に集中力がいります。

 

スーパーは365日オープンしていますから、毎日がこの繰り返しです。おそらく、この作業の厳しさは大手ネット通販会社以上のタイムスケジュールではないでしょうか。発注書のフォーマットは300枚、ほぼすべてが異なっています。

 

書かれている文字は手書きもあれば、半角カタカナ、漢字とひらがななどバラバラ。ファックスの読み取りは2名~3名で行い、ダブルチェックも行っていますが、商品名、数、納品日など発注ミスがいくつか発生しています。

ミスを撲滅するのは、人力では難しいと思われたのですね。

生出:OCRの導入以前は、担当者が発注書1枚1枚の個性を覚えなければならなりませんでした。これだけでも3ヵ月はかかります。かつ、熟練した作業者でも、定期的に同じようなミスを繰り替えしていました。

 

人間だからこそ毎日のことなので先入観で間違うことがあるのです。間違えて届けた商品をそのまま引き取ってもらえることもありますが、そうでない場合は代替品を至急届けることになります。ミスは実に大きなコストとなるのです。

 

一時、マニュアルをつくってフォローしたこともありますが、多少数は減ってもミスはなくならない。だからこそ、機械に頼ろうと考えました。

そこでOCRのシステムを探し続けたが、いいものが見つからなかったとお聞きしました。

生出: 6年前から書類のOCR化を考えてシステムを探し、いろいろな業者さんに読み取りをトライしてもらいました。皆さん、「うちは大丈夫です」と言われるのですが、実際に1週間分の書類を読み取ってもらうと、制限時間内で必要件数の半分もいかない。

 

よくて30%くらいです。なぜ難しいかというと、300枚の発注書に同じフォーマットが1枚もないと思ってもらったほうがいいぐらい違っています。文字も手書き、カタカナ、漢字とひらがななどバラバラ。非常に難易度が高いのです。

 

吉原:そして、業者さんに「この点をなんとかしてほしい」と言っても、「できないものはできない」と断られることが何度もあり、まったく前に進みませんでした。無限さんの製品を知ったのは2017年夏ごろの展示会です。気に入った点は2つあります。

 

一つはこれまで手書きはダメという業者さんが多かったのですが、こちらは手書きも大丈夫だったこと。

 

二つ目は、読み込んだデータの処理設定も画面上でマウスとクリック操作だけである程度のプログラムが書けたこと。そのうえで非定型の書式にも対応し、システムに学習機能があって文字認識率を上げることができる点も大いに魅力でした。

 

2019年7月には無限さんがシステムの提案があり、カスタマイズで精度は上げられるとのことで、無限さんの製品、A I入力ソリューションの導入が決まったのです。


導入の最終的な決め手となったものは何でしたか。

生出:私たちが今目標としている書類の認識率は9割です。無限さんの製品はテスト段階でも早いうちから6割ほどまでに上がり、これは可能性があると感じました。

 

そして、その過程で感じたのは、無限さんのチームの一生懸命さと対応力の高さです。これまでいろんな企業と出会って、それでもだめだったOCRですが、このような人たちと一緒なら9割も夢ではないのではないか。信じてみようと思いました。OCRは完成形ではない製品だからこそ、ともに挑んでもらえる仲間が大変重要なのです。

システム導入までのスケジュールを教えてください。

吉原:有償PoC(実証実験)による読み取り精度の確認を行って、2019年10月にテストを開始。数か月の動作検証を行いました。コロナ禍がなければ導入は2020年春でしたが、半年遅れの2020年7月に本格導入しました。

 

 

AI入力ソリューション導入事例集

 

システム導入後

ソリューションは、ともに悩み考えてくれるソフト会社がいないと成功しない

A I入力ソリューションを導入されて、具体的にどのような成果が出ていますか。

吉原:これまでは得意先の発注書をみて、企業をコードと照らし合わせ、商品もコードに置き換えて入力しなければなりませんでした。

 

しかし、OCRでその部分が読み取りできていれば、すでに入力された状態であり、知識がなくても数だけのチェックで済みます。知識がなくても誰でも作業できるようになった点は大きい。無限さんには、今こちらの入力画面の機能に近づくよう、システムをカスタマイズしてもらっており助かっています。

 

横山:データの処理の仕方にも慣れてきて、精度も徐々に上がっています。精度が上がると確認する箇所も絞れてくるので、手際が良くなり、効率も上がる。今は機械がサポートしてくれていると感じられる状態です。

 

生出:無限さんのシステムは非常に優秀で、早い段階で読み取りが6割まで乗り、カスタマイズを重ねて今で7割~8割くらい。今は誰でも作業ができるようになっていて、7年越しの夢が徐々にかなっている実感があります。

OCRおよびAI入力ソリューションを成功させるためには、もっとも何が必要だと思いますか。

生出:OCRやAI入力ソリューションの導入では、ユーザー側でも作業を開発していく部分があると思います。そして、新しいシステムを入れるときは、そこに寄り添って支援していただけるソフト会社が必要です。

 

今回は無限さんのチームならば信じられると思ったので契約しました。部下をみても、無限さんとなら一緒にやっていけると思った。システムを使うのは現場ですから、社員だけでなくアルバイトまで使えるようにしなければ意味がありません。

 

そして、現場で働く人が「このシステムなら変われる」と信じてもらわないと、改革も本気になってもらえない。社内のやる気の醸成に気を付けることが必要だと思います。


AI入力ソリューションは発注書以外の作業でも使われていますか。

生出:OCRを導入して、課で紙を綴じるファイル、資料保管ケースは買わないと宣言しました。要するに紙での保存をやめるということです。社員には自分のやりやすいように書類を各々保管し、ため込む習慣が身についていましたが、結果、紙での保存はなくなりました。

 

資料保管スチール棚や引き出し付きのスチールデスクは何本捨てたかわかりません。おかげで、収納棚でいっぱいだった壁が見えるようになり、そこには必要情報を常に目に見えるように掲示できるようになりました。本気になれば会社は変われると実感しています。

今後、AI入力ソリューションを現状より、幅広く活用する予定やアイデアがありましたらお教えください。

生出:今回取り組んだのは商品の一部です。まだ手を付けていない商品が残っているので、こちらもシステムにのせていきたいですね。また、他部署でのOCRの活用もできると思います。社内にはOCR化を考えず、まったく手を付けずに効率化されていない処理業務がたくさんあります。

 

私たち業シス課の発注書フォーマットはなかなか定形とはなりにくいのですが、他部署、特に経理部や購買部は定形フォームでの発注書・請求書ですので、導入はしやすい。それらの課でも同様の入力業務が発生しているので、紙をデータ化する活用をしていきたいと思います。

 

また、仕事の効率化や柔軟な体制強化を図るために、将来は在宅勤務者への作業分担を考えています。弊社は365日稼働しており、働き方改革を考えると在宅でお手伝いしてもらえる人材が必要。その意味でも、こうしたシステムは外部で働けるために活用できる仕組みと感じています。

 

吉原:また、こうしたソリューションが生産や出荷の予測につながるようにしていきたいと考えています。納豆は仕込みから出荷までで数日かかります。今は人が過去実績で予測しているのですが、なかなか当たりません。依頼データを需要予測までつなげていければと思います。

最後に今、伝票入力で悩まれている部門の方へアドバイスをお願いします。

吉原:システム導入を考えるときに大事なことは、パートナーに技術的な相談ができることです。無限さんは、今できていないことでも「こんなことはできないですか」と尋ねると、そこからできる提案を考えてくれました。導入後に一歩踏み込んだ機能の追加を考えていくには、二人三脚で共に歩めるパートナーが必要だと思います。

 

横山:私はもうミスはなくならないものと諦めていましたが、無限さんのシステムで考え方を変えることができました。導入してみると「あーしたいこうしたい」と希望が出てくるのですが、そのたびにしっかり応えていただけています。無限さんは本当に頼りになる存在です。

 

生出:コロナ禍のときには納豆の需要が急激に伸びて本当に大変でしたが、社員は不平不満を言わずに皆んなが頑張っていました。こうした忙しさにならないようにするためにも、普段から負担は軽減しておきたいですね。だからシステム化は今後も継続していきたい。そのためにも共に取り組んでいただけるソフト会社の方々は大切な存在です。無限さんとはこれからも末永くお付き合いいただきたいと思っています。

 


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