2023.04.17ワークフロー
大企業から自治体まで!業務効率化に成功した5つの事例を紹介
日本経済が低迷し、少子高齢化で人材不足も著しい昨今、どの企業でも業務の効率化は差し迫った課題です。しかしこれまでのノウハウを見直し改善するのは、なかなか簡単なことではありません。
本記事では業務効率化に成功した具体的な事例や、役立つサービスなどをご紹介します。業務効率化を検討中の企業は、ぜひ参考にしてください。
目次
● 業務効率化とは
● 業務効率化のメリット
● 業務効率化を成功させるコツ・ポイント
● 業務効率化で役立つツール
● 業務効率化の成功事例
● 業務効率化を図るなら「二次元ワークフロー・ソリューション」
● まとめ
少子高齢化による労働人口の減少、市場の縮小や世界経済によるインフレ懸念などにより、現在日本の企業は厳しい状況に置かれています。
働き方改革も叫ばれる中、労働時間を増やさず高い業績を維持し続けるには、業務の効率化が喫緊の課題です。
業務効率化とは、時間面や労働面、コスト面での無駄やムラを省き、効率的にタスクを実行できるようにすることを指します。
令和の現在でも、日本企業には業務の効率化を阻害する昔ながらの慣習が残っているところが少なくありません。
無駄な接待や出張を減らし、ハンコ文化や紙上での決済をペーパーレス化することにより、煩雑な業務に費やしていた時間と労働力を削減できるなど、改善できる点は多くあります。
企業が生き残れるかどうかは、業務をいかに迅速に効率化できるかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
では、業務効率化により、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
一つ目のメリットは、生産性向上により売上の増加が期待できることです。業務の無駄を省くことは、純粋にコストを減らすだけでなく、労働力をより生産性の高い業務に充てられるということです。
生産性が向上すれば、おのずと業績も伸びてきます。
二つ目のメリットは、余計な残業や休日出勤がなくなることで企業側はコストが抑えられ、従業員側には時間的・精神的な余裕ができることです。それにより人為的なミスが抑えられ、モチベーションも向上します。
従業員の満足度が高ければ人材も定着しますので、人材募集や社員教育のコストも最小限に抑えられます。
業務効率化を成功させるためには、目的の明確化、適切なツールの選択、検証と必要に応じた改善が必要です。
まず、すべての業務の内容を見直し、業務フローの中に不要な作業があればピックアップします。
例えば、慣例化したフローの中に存在する、直接的にも間接的にも業績に結びつかない作業、適切ではない手順で行われているために無駄な処理時間が発生している作業、自動化することで担当者のリソースが解放される作業などが「不要な作業」と考えられる代表的なものです。
改善点の洗い出しが終わったら、次に効率化の目的を設定します。業務フローを変更することで「何を達成したいのか」という効率化の目的を明確にし、達成指標などを業務に関わる従業員と共有します。必要であれば研修を行って、目的や達成指標をメンバーが十分に理解できるようにします。
変更した業務フローや目的によっては、従業員のスキルアップをサポートしたり、より適切な業務を振り分け直したりといった新たなプロセスが発生することも考えられます。業務効率化と目的達成に必要だと考えるのであれば、新たに発生する業務も効率化のスケジュールに組み込むべきです。
ツールは業務効率化を支援する有効な手段です。特に、業務の多くの部分をマンパワーに頼る、デジタル化が遅れている企業やセクションにとっては大きな助けになります。
業務効率化でツールの導入が効果的であると判断できれば、具体的に自社に適したツールは何かを検討します。ただし、ツールはあくまで業務効率化の手段にすぎません。ツールの導入が目的になってしまわないように注意する必要があります。
ツールを選択する際に重視するポイントはふたつあります。ひとつは業務の実行に適した機能が搭載されているかどうか、もうひとつは従業員が習熟できるツールであるかどうかです。
従業員の習熟度を上げるためには、テスト期間を設けたり、研修を実施したりするのもよい方法です。いざ本格導入したあとに、操作に手間取ったり、正しい使い方ができなかったりすれば、業務効率化を実現できません。
ツールの使用方法をマニュアルにまとめておくことも効果的です。それぞれの従業員の間で習熟度の差があっても「マニュアルを見ながら操作すれば解決できる」という状態にしておけば、不明点があっても自己解決しやすくなります。
マニュアルは習熟度が低い従業員への指導時間削減にもつながるため、ほかの従業員がコア業務により多くの時間を振り分けられるというメリットもあります。
業務効率化は、スタートさえすれば、時間経過とともに完了するというものではありません。アプローチが適切であったのか、当初の予定通りの期間で効果が上げられたのかを検証し、課題があれば改善します。
検証する際には、さまざまな点に注意する必要があります。例えば、チェックしたセクションがあまり効果を上げられていなかった場合、「導入したツールや施策に効果がなかった」とすぐに判断するのではなく、実施した施策について担当者とあらためて精査してみます。
担当者の理解度や習熟度が十分ではないことが理由なのか、担当者と施策の相性が悪かったのが理由なのか、何が問題で効果が上がらなかったのかを明らかにしなければなりません。
このような問題点を明らかにするためには、定期的な効果測定がおすすめです。問題点を改善することによって業務効率化が推進され、目標の達成につながります。
業務効率化を支援するツールは数多くあります。単純業務の自動処理やタスクの管理、AIによる高度な効率化サポートなど、自社に必要な機能を搭載したツールを導入しましょう。
事務作業などで毎日繰り返す単純作業があるのなら、RPAの導入がおすすめです。RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション(RoboticProcessAutomation)」のことで、単純業務を自動処理するシステムです。いわばルーチンワークを人の代わりにこなしてくれるツールです。
RPAの機能は幅広く、データ入力から電話の自動応答などまで、日頃時間を取られてしまう、さまざまな定型業務に対応しています。例えば請求書の作成や給与計算、月次報告書の作成などは定期的に行われるルーチンワーク(定型業務)であり、RPAで自動化できる業務に該当します。
RPAは条件と実行内容とを組み合わせたフローで構成されており、上記のような定型業務を得意にしています。事務関連業務や管理業務など、さまざまな分野で役立ちます。
RPAは、属人化していたデータの収集・分析などにも活用できます。「毎日18時に自社製品の口コミをネットで収集し、△△の条件で分析する」というフロー設定ができるRPAなら、人の手を介した作業より効率的に結果を出せます。当該作業を担当していた社員のリソースを別の業務に当てることができ、この点でも業務の効率化や生産性の向上につながります。
さらに、処理は機械的に行われるため、人的作業ではどうしても発生してしまうミスやクレームが減少します。ミスのリカバリーやクレーム処理に費やしていた時間が削減され、業務効率化のさらなる促進が期待できます。
同じ会社やセクションでも、それぞれの従業員が担当している業務内容は異なります。担当している本人以外が業務量や進捗状況を把握できない環境では、全体の進捗管理に影響が出てしまう可能性があり、効率的とはいえません。
業務がブラックボックス化しているような場合には、タスク・プロジェクト管理ツールの導入がおすすめです。ツールを導入することで各従業員や各セクションの業務が可視化され、全体の状況を把握しやすくなります。文字通り、タスクやプロジェクトの進捗状況の管理に役立ちます。
万が一タスクの抜け・漏れなどのミスが生じても、可視化されているため、すぐに気づくことができます。自分では気がつかない問題も、可視化のおかげでマネージャーやほかのメンバーが指摘できる機会があり、すぐに対応できるのは大きなメリットです。
多くのタスク・プロジェクト管理ツールには「タスク工数の管理」「チャットシステム」「カレンダー」の機能が搭載されています。これらの機能を活用すれば、自分の進捗や立ち位置、誰がどの作業を担当しているのか、抜け・漏れがないかなどが明確になり、ミスの少ない円滑なスケジュール進行が可能になります。
タスク・プロジェクト管理ツールには、複数のプロジェクトを同時に管理できる製品もあります。自社の環境に適したツールを選びましょう。
AI OCRとは、画像内のテキスト部分を認識して文字データに変換するOCRとAIとを融合したツールです。OCRの文字の認識をAIのディープラーニングで補正し、手書きの文字列や非定型フォーマットの文書でも高い認識率が得られます。
読みやすいとはいえない手書きの文字や、メモ用紙になぐり書きされた文字、ノートの罫線をまたぐ文字なども正しく文字データにできます。手作業で行われていた入力作業を効率化するにはうってつけです。
すでにOCRを使いこなしていた企業でも効率化が期待できます。従来のOCRは読み取り位置や読み取り項目などをユーザーが設定する必要がありました。しかしAI OCRは、AIがそれらを自動的に抽出します。取引先の企業によってフォーマットが異なる帳簿や請求書、発注書などでも人が設定することなく読み取って文字データ化できます。
読み取った項目や情報の振り分け機能も搭載するAIOCRは、ほかのシステムと連携させることで、より効果を発揮します。特に、データ入力などの定型業務が得意なRPAとは相性がよく、連携させることによって抽出から入力、集計、出力まで、一連の業務を自動化することが可能です。大幅な業務効率化を期待できます。
無限が提供する「AI入力ソリューション」により、業務効率化を推進している企業の事例を紹介します。
【導入事例1】
あづま食品株式会社は納豆を製造し、日本全国のスーパーに提供している企業です。毎日届く注文FAXは約300枚、翌日の販売に間に合わせるために2時間から3時間半で処理する必要がありました。
無限のAI入力ソリューションを導入したところ、注文FAXのOCR化に成功し、大幅な業務効率化を果たせました。その後は注文FAX以外にも利用を広げ、ペーパーレス化を推進しています。書類を保管していたスペースに必要な情報を掲示するなど、OCR化をきっかけにオフィス内の効率化も進められています。
ワークフローシステムとは、「申請」「確認」「承認」といった業務の流れを電子化したシステムのことです。従来は紙で提出していた稟議書や申請書などの書類を電子化し、Webシステム上で管理することにより、業務の効率化とペーパーレス化を実現します。
申請や承認をWebシステム上で行えるため、稟議書や申請書の作成・提出が容易になるだけでなく、決済までにかかる時間も紙の書類でのやり取りに比べて大幅に短縮できます。さらに、申請から承認までを決められたルートで行うため、不正が起こりにくく、内部統制の強化にもつながります。
ある企業では、紙ベースで行っていた申請処理をワークフローシステムに変更し、申請処理業務の4割減に成功しました。そのほかにもワークフローシステムの導入でペーパーレス化への完全移行と業務工数の3割減、年間1万8,000時間の業務時間削減に成功した企業があります。
在宅勤務が増えた企業では、紙ベースでの申請書では業務の遂行に遅延が生じます。紙への押印や閲覧が必要なフローがボトルネックになってしまうためです。メールでの申請に切り替えても、決裁者がメールの中から申請書を見つけ出すのもひと苦労といった状況でした。
問題解決のためにワークフローシステムを導入したところ、申請・承認までが可視化され、業務の迅速化が実現しました。その後は業務拡大によって申請数が増えましたが、ワークフローシステムの活用で生産性は向上しました。
では、ここからは具体的に業務効率化に成功した5社の事例を紹介しましょう。
まずご紹介するのは、世界最大手のタイヤメーカー「株式会社ブリヂストン」の事例です。
ブリヂストンでは以前からより付加価値の高い商品開発のため、企画開発領域へのパワーシフトが求められてきました。しかし設計者が日々こなさねばならない業務は多く、またノウハウの可視化・標準化も進んでいなかったため、なかなか実現に至りません。
しかし情報の整理・リスト化など個々に蓄積されていたノウハウをマニュアルとして可視化する作業をIT企業にアウトソーシングし、標準化されたテンプレートなどを活用することで業務の効率化を実現しました。
またデータベースの登録には自動化ツールを活用し、人為ミスの防止と時間短縮にも努めています。
それにより年間38,000時間を企画開発領域へパワーシフトでき、より革新的な商品の開発に力を注げるようになりました。
大手ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営する「株式会社ZOZO」は、前身の株式会社スタートトゥデイ時代の2012年より「1日6時間労働制」を導入しています。
これは就業規則上1日8時間労働のところ、昼食を抜いて9:00~15:00で上がってもよいという制度です。
就業時間が短くなればその分成果が下がるかと思いきや、スタッフ一人あたりの労働生産性は前年度より25%も向上しました。プライベートの時間が充実し、モチベーションが上がったことに加え、いかに短時間で効率よく成果を出すかを一人一人が考え行動した結果、生産性の向上に繋がったのです。
株式会社ZOZOでは、ほかにも革新的な業務効率化を行っています。
カスタマーサービスでは、クラウドサービスを活用し、電話とメールだけでなく、チャットとSNS連携にも対応できようリニューアルしました。顧客情報を管理しやすくするだけでなく、満足度の向上も図れる試みは、顧客との繋がりを重視するZOZOならではと言えるでしょう。
「千成亭風土」は滋賀県彦根市で近江牛の通信販売や飲食店を運営する企業です。受注に関する問い合わせをアナログで行っていた頃は、受注担当者の負担が多く残業も重なっていました。
そこで、一部の問い合わせ対応に自動応答のチャットボットを導入します。よくある問い合わせの9割を自動応答に切り替えることで、繁忙期の残業時間を月に70時間も軽減することができました。
問い合わせ対応に要していた時間を減らすことにより、他の作業を前倒しできるなど付随したメリットも多く、現在ではスタッフ全員がさらなる効率化に向け、高い意識を持つようになっています。
業務が人命に関わることから、単純なコスト削減が難しいと思われがちな医療現場ですが、業務の質を落とすことなく効率化に成功した例もあります。
「熊本地域医療センター」では、看護師の残業時間を減らすため、勤務時間によって制服の色を変える工夫を行いました。
日勤と夜勤を色分けして、退勤時間が近づいている看護師に仕事を割り当てないようにすることで、残業時間が減少しました。1年後には半減し、4年後にはなんと5分の1にまで減らすことに成功しています。
この取り組みにより、熊本地域医療センターは「看護業務の効率化先進事例アワード2019」で最優秀賞を受賞しました。
ほかにも終業1時間前に音楽が流れたり、複数の診療科を担当できる看護師を増やしたりすることで、人手不足の時でも現場に無理をさせない働き方改革を進めています。
その甲斐もあって熊本地域医療センターの離職率は1割未満とたいへん低く、業界でも働きやすい職場という評価を得ています。
業務効率化の時代の流れは一般企業に止まらず、地方自治体にも広まっています。ここでは数多くの成功例の中から、東京都渋谷区の事例をご紹介しましょう
渋谷区では2017年より、子育て支援事業においてLINEアカウントを開設し、AIを用いた自動応答サービスによりきめ細やかでスピーディーな対応ができる取り組みを進めてきました。
その後、ごみに関する問い合わせに対しても同サービスを導入し、2020年には住民票や戸籍など、幅広い問い合わせに自動で対応する「AIチャットボット総合案内」を開設。
これにより、従来は電話や窓口で対応していたマンパワーを他の業務に活用できるようになりました。また、利用者の側から見ても余計な待ち時間がなく、迅速に返事を貰えるのはありがたいと、両者にとってメリットの高い改善です。
今後、企業が業務効率化を進めるにあたっておすすめしたいのが、株式会社無限が提供する「二次元ワークフロー・ソリューション」というクラウドサービスです。
これは一言でいうと、業務プロセスと承認プロセスを繋ぐ画期的なワークフローソリューションです。
現在、ワークフローを導入している企業は多くありますが、フローが部署ごとに分かれているため、次の部署に送る時に手打ちでメールを送るところも少なくありません。
二次元ワークフロー・ソリューションでは、部署をまたぐ承認メールの送信やシステムの登録などを自動で行うため、ワークフローが完全に一本化でき、今までそれらの作業に費やしていた時間や労力を削減できます。
フローの途中で他の業務システムと連携もできるため、業務進行や意思決定がより迅速に行えます。これまでワークフローを取り入れていなかった既存のシステムにも連携が可能で、莫大なコストをかけず手軽に導入できるのも魅力です。
また、二次元ワークフロー・ソリューションはパソコンさえあればどこでも作業ができるクラウド型のサービスです。脱ハンコ文化やテレワークを進めたい企業とは相性がよいので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
世界的に競争が激化する現在、企業が生き残れるかどうかは業務効率化をうまく推進できるかどうかにかかっています。
成功事例を見ても分かるように、改善点は企業によって様々です。まず自社業務の無駄やムラはどこなのか、慣習にとらわれずしっかり見極めることが大切でしょう。
その上で、できるところは自動化し、従業員の負担を減らすのも一つの方法です。
「二次元ワークフロー・ソリューション」は、複数の部署のワークフローを一本化し、業務進行や意思決定のスピードアップを図るサービスです。
もし業務効率化のためのサービスを導入したいと考えているなら、ぜひこちらも選択肢の一つとしてご検討ください。
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