コラム

2020.10.19ワークフロー

業務フローの流れを止める「データ化」の実態と改善アイデア

人手不足や働き方改革の影響もあり、生産性向上を目的とした業務効率化に取り組む企業が増えています。多くの企業で円滑な業務フロー進行を妨げる原因のひとつとなるのが、「データ化」の部分です。本記事では、業務効率化の足かせになりがちなアナログ情報のデータ化について、企業の実態とどのように解決すればよいかのヒントをご紹介します。
 

 

 

 

 

業務効率化は、業務フローの流れを止めるボトルネックの洗い出しから

社内の業務を改善するにあたっては、業務フロー全体を俯瞰し、どのプロセスが非効率で流れを滞らせているのかを見つけることが重要です。その部分を発見・解消することで、最短で大きな成果が得られるためです。この、非効率でフロー全体のパフォーマンスを制限する部分を「ボトルネック」と呼びます。

 

ボトルネックを発見するためには、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を探します。具体的には、プロセスや方法が適切でなく、時間やコストが生じている業務や、担当者ごとに品質や量に差がある業務、人員配置の不適正により問題が生じている業務などを、業務フローを見直して見つけ出します。

 

例えば、Webフォームで申し込みを受け付ける際、入力内容をメールで受信後、プリントアウトして手入力している場合などが挙げられます。

 

紙の書類の「データ化業務」がボトルネックになっている場合も多い

ムリ・ムダ・ムラが発生しやすく、ボトルネックになりがちなのが、紙の書類をデータ化する業務です。

 

例えば前項の「Web申込内容をプリントアウトして手入力する」という業務の場合、注文商品を発送するには、経理担当者が顧客情報や申込内容を入力するまで待つ必要があります。入力内容に不備がないか上長がチェックするのであれば、さらに時間がかかるでしょう。繁忙期に大量の申し込みがあり、入力が滞ると、のちの作業が遅延してしまう可能性もあります。

 

また、商品発送時に何らかのデータ入力ミスや項目漏れが発見された場合には、経理担当者にまで処理が差し戻されることになり、非効率的です。

 

この部分(ボトルネック)を何とかして解消できれば、全体の業務フローがスムーズになります。

求められるのは、現状に合った業務フローへの変更

ボトルネックとなるプロセスを発見できたら、次に行うことは現状の把握です。

 

前項の例であれば、受領したメールをプリントアウトする、販売管理システムに入力する、ファイリングする、入力完了したことを次工程の担当者へ知らせる、といったプロセスにどれくらいの時間を費やしているのかを調査します。

 

調査方法としては、マネージャーに聞き取りをしたうえで担当者に調査票を配布する、不明点のヒアリングをして状況把握する、などがあります。

  • どのプロセスに時間がかかっているのか
  • 担当者ごとにバラツキはないか
  • 次工程の待ち状態はどれくらいの頻度で、どれくらいの時間がかかっているのか

これらの詳細が把握できたら、プロセスを変更することでそれらのボトルネックを解消できないか検討します。

 


 

 

システム導入による「自動データ化」が問題解決のカギ

データ化業務に関連するボトルネックの場合は、データ入力を自動化することで解消できる可能性が高いです。

 

例えば、プリントアウトしたものを手入力すると、入力ミスがないかどうかチェックする必要があります。この部分を自動化できれば、プロセスが1つ削減できるうえ、入力ミスの削減や作業時間の短縮につながります。そこで役立つのが、「OCRシステム」と呼ばれる技術です。

 

ここからは、OCRシステムの概要と可能性について見ていきましょう。

データ化業務を圧縮できる「OCRシステム」とは?

OCR」とは「Optical Character Recognition」の略で、「光学的文字認識」を意味します。スキャナで紙に手書きまたは印字された文字を画像として読み取り、文字に置き換える技術を指します。郵便配達仕分けでの郵便番号読み取りなど、早い時期から実用化されていました。

 

しかし、一般的なOCRでは、決まったパターンの文字しか認識できないことから、手書き文字の認識や非定型の帳票読み取り精度はそれほど高くないという課題がありました。その課題を解決するために開発されたのが、「AI-OCR」と呼ばれる人工知能を活用した認識技術です。

 

AI-OCRでは、ディープラーニングにより文字の特徴を学習して認識するため、人によってバラツキがある手書き文字や固定位置にない文字でも、高い精度で読み取れるのが特徴です。また、文字の組み合わせパターンを学習することで、仮に「埼王県」と読み取れたとしても、「埼玉県」と正しく認識することができます。

 

AI-OCRを活用することで、紙の帳票を自動でデータ化できます。さらに、マニュアル作業をロボットが行う技術「RPA」を組み合わせることで、AI-OCRが認識したデータをシステムに自動入力するなど、より高度な効率化が可能となります。

 

例えば、ソフトウェア開発などを手掛ける株式会社無限が提供するAI-OCRサービス「AI入力ソリューション」では、AI-OCRで読み取ったデータをルールに沿って整形して、データベースに登録・修正できる機能を搭載しています。データ補正するプロセスが加わっているため、データの精度が非常に高いのが特徴で、従来手書きで行っていた作業を大幅に自動化することが可能です。

業務プロセス連携サービスと組み合わせれば更なる効率化も可能

業務改善効果を高めるためには、個別に最適化するのではなく、全体最適化を目指すことが重要です。そのため、データ化プロセスの自動化に加えて、他業務との連携も考慮する必要があります。

 

先ほどご紹介した株式会社無限では、AI-OCRを活用したソリューションと連携できる業務プロセス連携サービス「二次元ワークフロー・ソリューション」を提供しています。

 

これは、今まで独立していた業務システムを連携して、1本のワークフロー上で管理できるものです。申請や差し戻しなどがオンライン上で実行でき、データを各システムで連携できるため、ボトルネックになりやすい業務範囲の重複による二度手間や多重管理も解決することが可能になります。

 

 

まとめ

現行の業務を見直し、ボトルネックを解消することで、業務フロー全体の最適化・生産性向上が実現します。特に、紙の帳票処理はボトルネックになりやすいうえ、デジタル化によって効率化できる可能性が高く、注目したいプロセスです。

 

紙の情報をデータ化する際に役立つのが、AI-OCRを活用したデータ化とRPAによる自動入力です。作業時間削減や省人化に貢献するだけでなく、他のシステムと連携することで業務フローを円滑に進められるようになります。

 

ぜひ、AI-OCRを用いて業務プロセスの効率化を目指してみてください。

 

 


 

株式会社無限やソリューションなどへの資料請求・お問い合わせは、お気軽にご連絡ください。

PAGETOP