2020.10.19ワークフロー
業務フローはどう変わる?IT導入時の要件定義のポイントと注意点
業務効率化や生産性向上を目指す上で、ITのシステムなどの導入を考えている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。これらは、業務をフロー化し、要件定義を進めていく必要があります。これによりどの業務にシステムが持つ機能を使えるかが明確になります。この記事では、要件定義を行う方法や、注意すべきポイントなどについて解説していきます。
ITのシステムなどを導入する際の「要件定義」とは、企業が、どのシステムを導入するのか、そしてそのシステムはどの業務で使用し、どんな機能が必要かを明らかにすることを指します。利用者側である企業が、業務フロー図などを用いてしっかりと明示して、業務が手順通りに進むためにはシステムに何が必要かを「見える化」していく段階です。
通常は、企業と開発側が議論しながら内容を詰めていきます。その結果、定まった要件を「要件定義書」として文書化します。これをもとに、開発側はシステムの設計を進めていくのです。
前述のように、要件定義を完成させるには現状の業務フローを把握することが必要不可欠です。まずは業務フロー図などを作成し、その上で業務プロセスにおける課題をピックアップしていきます。例えば、業務として無駄なものあるのか、またシステムを導入した場合に省力化できることはないかなどを細かく検討していきます。
業務フローを作成する過程では、現場など各担当者へのヒアリングも行いながら進めるのがよいでしょう。既存のマニュアルなども業務フローを把握する上で、参考になります。
課題を見つけやすい業務フローに仕上げるには、単に業務の流れを書くのではなく、何のデータ(情報)を誰(どの部署)に向けた業務かをはっきりとさせることが重要です。例えば「入力する」というような書き方では、どの担当者(部署)が何をどこに入力するのかが見えてきません。
特に事務処理などの業務においては、そのデータのやり取りが、紙で行われているのか、あるいはエクセルなどのソフトを使って行われているのかという「手段」についても分かるように整理しておかなければなりません。
自社の業務フローを鑑みて要件定義を固めていくことが大切であることがわかりました。ここでは、実際に要件定義書を作成していく上で、考慮すべき3つのポイントについて解説していきます。
第一に、システムを導入するに至った「背景」についても記しておく必要があります。
また、システム導入に限りませんが、仕事やプロジェクトを進めるにあたり目的や目標を定めておくことは重要です。要件定義書をまとめる上でも、なぜシステム導入が必要であり、何を達成したいのかを示す「目的」と、具体的にどのような状態となったら達成したと言えるのか、ゴールが分かる「目標」について明確にしておきましょう。
システムの開発フェーズに入る前段階でこの部分を明確にしておくことで、開発やそれらを運用する段階となっても、方向性を見失わず進みやすくなります。
要件定義書には、現状の業務フローを吟味して、無駄な部分や省力化したいことなどを明確にした上で、システム導入後に実現したい業務フローを書くようにしなければなりません。これがシステムで何を達成したいのか「目的」をはっきりとさせることにもつながります。実現したい業務フローが明確になれば、実装すべき機能なども明らかになり、システムの開発が進めやすくなります。
システム導入前と後の業務フローを比較しながら、具体的にどのような機能があれば実現できるのかを書き出しておきましょう。加えて、それが開発側にしっかりと伝わるように示しておかなければなりません。
また、機能面だけではなく、システムを運用する上で、どのようなセキュリティ対策をしたいのかなどのさまざまな条件についても検討し、要求に盛り込んでおくようにしてください。
要件定義を固めるために、現状の業務フローを把握する必要性や、考えておくポイントについて解説しました。
最後に、作成する上での注意点についても説明します。
まず、実現したい業務フローのシステム構築が、予算内で導入可能かについても精査しておかなければなりません。当然ですが業務効率化に向けて機能を盛り込みすぎると、コストが跳ね上がってしまうことが考えられます。コストの条件も常に意識しながら進めましょう。
次に、自社のインフラやネットワーク関連の制約事項についても十分に理解した上で要件定義の作成を進めていくようにしましょう。これらが理解できていないと、最終的に求める機能が実装できないなどのトラブルにつながる可能性があります。これらの注意点を踏まえつつ、要件定義の作成を行ってください。
要件定義を定め、要件定義書を作成していくには、まず現状の業務フローを可視化し、業務の省力化や無駄を洗い出す作業を行います。その上で、実現したい業務フローと、それに必要なシステムの機能やセキュリティなどの要望を固めていくことが必要です。
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