2020.08.20RPAとAI
RPAやAIばかりではない!業務自動化を推進するポイント
世界中で何かと話題を作っているAI技術ですが、それと同じように注目を浴びている技術が他にもあります。それがRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)です。
最近ではニュースでも頻繁に取り上げられているので見聞きしたことがある、という方が多いでしょう。
RPAとはいわば「自動化ロボット」です。製造工場内で稼働するロボットのように繰り返し作業を行うのですが、違いは実態を持たないことです。RPAはロボットですがソフトウェアでもあるためパソコンやサーバーの中に存在し、パソコン上で遂行される作業を自動化するためにあります。
某メガバンクではRPAを活用して年間8,000時間の労働時間を削減し、現在では月間5万9,000時間の労働時間短縮を目指しているとのこと。RPAが如何に生産性向上に効力を発揮するかが読み取れるでしょう。
RPAとAIの違いは決められたプログラムに従って処理を実行するか、あるいは自律的に物事を判断してデータを処理するかにあります。RPAは前者にあたり、AIのように自律的に物事を判断する力はありません。しかしそれでも絶大な生産性向上効果をもたらしているのは、パソコン上の作業の多くを自動化できるという特徴を持つためでしょう。
しかしながら、現実的には人間が判断しておこなっている手作業をすべてRPAやAIに置き換えることは困難で、結果として単純作業の大量処理をロボットで制御しているケースが大半です。
ただし、もっと高速化し正確性を高める方法があります。
それが、「データ入力の自動化」というアプローチです。
いままでシステムが最も苦手としていた処理、それが「手書き文書の自動取り込み」、つまりデータ化(OCR)の分野です。
皆さんが日々遂行している、繰り返し作業を一つ思い浮かべてみてください。経理の型なら利用明細の仕訳、購買の方なら発注書作成といった作業が思い浮かぶでしょう。今皆さんが思い浮かべた業務で使用している伝票や帳票類のほとんどはでデータ化できます。データの取り込みができてしまいえば、自動化までのステップも難しくありません。
つまり、業務負荷の大半が、データの取り回しに要する時間に占有されているためと言えます。
どんなツールでも導入してすぐ成果があがるケースとそうでないケースに分かれます。これは運で決まることではなく、業務の選定から、プロジェクトの進め方、導入までの準備によってその成否がハッキリ分かれます。ここでは「データ取り込みの自動化」に特化して、スムーズに導入を進めるためのポイントをご紹介します。
日常の定型作業を自動化することが最も効果的です。とくにIT部門よりも経理や総務といった一般部門での自動化が中心になるため、ユーザー部門主体でただしく導入できるが最初の成功ポイントになります。
いきなり業務全体を自動化する!と言った大きな目標から始めてしまうと思わぬ課題にぶつかり、ツールの導入も失敗してしまいます。正しくデータの取り込みが行えることを確認し、あと工程の処理の自動化や関連システムとの連携など、確実に成果を見届けることが大切です。
そのため初期段階では「PoC(Proof of Concept)」を行い、機能検証と導入効果の評価を行うことが重要です。まず一部の業務から運用を開始し、少しずつノウハウを積み上げつつ適用範囲を拡大していきます。
どの業務で運用を開始するかという選択は非常に大切です。効果が高いからと言って複雑な帳票類が多数ある業務から着手してしまうと、ツール導入の難易度も上がってしまいます。
一方で、すでに単純化されていて、ツール導入のための要件定義が簡単にできる業務領域では、成果が確認できなくなってしまいます。
ツールの実装が成功するとある程度成果が見込め、複雑になりすぎない業務を選定することで、ツールの特徴や期待されるせいかの目処も立ちやすくなります。
特性を把握してからより効果が見込める領域にジャンプアップするアプローチがおすすめです。
ツールの選定や導入に携わると、どうしてもある程度自分たちで管理し、自力でやりきれることを目指してしまいます。しかしながら、本来の目的はツールの習得でなく、業務効率の向上でありさらには、業務負荷から開放され、より高い生産性の業務に人員を活用することです。そのためは、ツールの導入にあたっては、専門家の知見やノウハウを活用することが重要です。
数々のプロジェクトに携わった経験から、最適な導入サポートを得ることは、効果を短期間で最大化するポイントでもあります。そのため、要件定義から導入・サポート・本格展開まで、全て任せられるプロフェッショナルにツールの導入を一任することをお勧めします。
いかがでしょうか。現在多くの最新テクノロジーが日常業務をサポートするレベルまで精度をあげてきています。しかしながら、依然としてのこる手書き文書や紙文書(帳票類)から脱却できていないのも現実ではないでしょうか。
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